パステル画の本おすすめ12選【初心者〜経験者向け】

本のイメージ

    パステル画を描いていると、
    いろいろ分からないことが
    出てきます。

    そんなときに
    「本」は強い味方
    になってくれます。

    ただ、どのパステル本が
    今の答えを持っているのか
    なかなか分かりません。

    そこで今回は、パステルの本を
    いくつかに分けて紹介します。

    初心者向け

    初心者マーク

    パステル画を始めたばかりの人に
    分かりやすい本を集めました。

    パステル初級レッスン (みみずくビギナーシリーズ)

    1993年出版の古い本で、
    掲載されている絵も
    古い感じはしますが、
    初心者にかなりおすすめできる
    よくまとまった良書
    です。

    ソフトパステルで代表的なものを
    メーカーごとに試し塗りして
    比較したカラー写真があります。

    こすった時の広がり方、
    重ねた時の紙への定着度が
    写真でよく分かり、
    選ぶときに参考になります。

    また、
    価格表や色数、色番号があるかなど
    巻末ページに表示もあります。

    内容は、指でぼかすなどの
    基本の描き方から
    ハードパステル、パステルペンシルで
    線を描くへ続きます。

    「紙の色も一色として考える」という
    何色の紙を選んだらよいかが
    カラー写真入りで説明されているのも
    良い点
    だと感じました。
    他画材とパステルを組み合わせた
    混合技法についても14ページあります。

    あとは「上達ポイント」ということで
    作例ごとの解説などになります。

    注意点としては、3分の1くらいは
    白黒ページがある
    ことですが、
    必要な場面では
    カラーなので問題はないかと思います。

    ただし、デッサンの基本的なことは
    ほとんど書かれていません。
    また、重ね塗りや
    オイルパステルについては
    2ページの簡単な紹介です。

    しかし、この本は
    最初の足掛かりになる本だと思います。

    パステル画ノート (みみずくアートシリーズ) (日本語)

    同姉妹シリーズの
    「パステル初級レッスン」を
    先に読んでからこちらを続けて読むと
    より参考になる本
    です。

    私の場合、パステル画初心者のときに
    この本を手に取りましたが、
    絵の好みが合わずに拾い読みしただけで
    売ってしまいました。

    やはり1984年発売なので
    作例は、ひと昔前の昭和の日本のもの
    といった感じです。

    あとで読み返してみると、
    基本的なことから
    パステル画を描いていくうち
    疑問に思うことについての答えが
    書いてあった
    ので買い直しました。

    内容の一部を紹介すると、
    パステルの手作り方法や下地の作り方、
    パステル画の保存方法があり、
    役立つのではないでしょうか。

    中古本しかありませんが、
    描き方を確認するためなら
    十分役立つと思います。

    パステルアート―作例にチャレンジ (入門シリーズ)

    初心者から少し慣れてきた方向けの本
    といった感じです。
    新しい技法を
    どんどん開拓したい人向けではなく、
    基本を確認しながら
    作例を描きたい人向けだと思います。

    絵柄としては絵本に出てくる感じの
    ふんわりしたものです。

    巻末には
    下絵付きの画用紙が付いていて、
    パステルで直接
    色が塗れるようになっています。

    本の構成は
    1章「ポイントレッスン」
    2章「基礎技法」
    3章「ステップアップ」
    の3章です。

    1章では、パステルの塗り方やこすり方、
    ぼかし方など、基本的な使い方から
    始まります。

    指や布、ティッシュ、筆、擦筆さっぴつなど、
    ぼかす道具の違いも写真付きで
    紹介されていて分かりやすいです。

    パステルの種類や紙についても、
    選ぶときのポイントがまとめられています。
    特に紙は10種類ほど紹介されていて、
    練習に使いやすそうな比較的安価な紙も
    掲載されています。

    また、この本では
    コラムが要所に入っていて、
    画面を汚さないための工夫など、
    実際に描くときに役立つ情報が
    書かれています。

    2章の「基礎技法」では、
    パステルのさまざまな技法を
    紹介しています。
    中でも印象に残ったのが、
    ミ・タント紙のウォームグレーに
    チューリップを描く
    「カラーペーパーに描く」です。
    紙の色を活かして描く考え方や、
    紙の色によって効果的な色を
    選ぶための表もあり、参考になります。

    3章の「ステップアップ」では、
    「花とざくろ」「卓上静物」
    「季節をとらえる」の3作品を
    制作します。
    明暗を使った下塗りや、
    日本画で使われる素材を使った
    下地作りなど、
    少し踏み込んだ内容になっています。

    作品を描く手順だけでなく、
    構図の捉え方や
    モチーフのセッティングなど、
    絵を描くときの考え方にも
    触れられています。

    ちょっと難しいかもしれませんが、
    基本を確認しながら
    少しずつステップアップしたい人には
    奥が深く、内容の充実した一冊
    だと
    思います。

    風景を描きたい人向け

    連なった山と空と雲のある風景

    パステルで風景スケッチ

    風景画を好む初心者には、
    特にこの本をおすすめします。

    著者は、
    多摩美術大学美術学部卒の女性で
    2010年からカルチャーセンターで
    パステル画の指導をされている方です。
    この本は私がパステル画の本を
    探し始めた頃に手にした本の1つで
    特に役立った本です。

    ごく簡単に絵を描く基本
    (構図、色相、明度、彩度、
    一点透視図法、遠近法など)も
    要所ごとにまとめられています。

    パステル独自の描き方も
    綺麗な写真付きで
    細かく1コマずつ説明されていて
    分かりやすいです。

    但し、題材が風景のみで
    建物など静物は入っていません。

    そういった物の描き方が
    知りたい方は
    別の本を探したほうがいいでしょう。

    使われているのは
    ゴンドラパステル36色ですが
    手持ちのものでもOKとされています。
    スケッチに持って行く道具も
    写真付きで載っています。

    また、パステルの紙も
    作例ごとに何を使ったか
    載っているので参考にしやすい
    です。

    マーメイドは初心者向きではないですが
    好みであれば使って下さい、
    というようなコメントまであります。
    かなり親切で細かい配慮が
    されていると感じました。

    木、花、水面、夕日、
    雲の表現の仕方もあり、
    初心者でも真似しやすいと思います。

    パステル画入門 (Learn to Paint)

    著者は、イギリスコッツウォルドの
    パステルと水彩の画家です。
    絵画学校を運営し、王立水彩画家協会、
    英国パステル協会会員でもあります。

    人物画よりも風景画を好んで描くようで
    コテージといった建物や
    木を入れた作品などが多い
    です。

    大胆な塗り跡を残した描き方で、
    アメリカの画家ワイエスを
    思わせるような渋い色彩だと感じます。

    ラウニーの専門家用ソフトパステルで、
    何番の色を使って描いたか
    作例の横に載っていますが、
    どこを指しているのかが
    分かりにくいと感じました。

    最後のページには、
    フィキサチーフ(定着液)のやり方が
    載っています。
    珍しかったのはスプレー式だけでなく、
    霧吹きりふきで吹き付ける液体タイプの写真と
    やり方が説明つきでありました。
    そこが面白かったです。

    ただ、パステルフィキサチーフは
    スプレー缶が便利です。
    余程こだわりがなければ
    不要かもしれません。

    花を描きたい人向け

    赤いバラの花のある公園

    素敵な花のパステル画―色彩を楽しむ

    花のある静物を題材にした
    パステル画を描きたい人に
    おすすめしたい本
    です。

    著者は元デザイナーで
    多摩美大や文化センターの講師も
    勤めたことのある方です。

    画材の紹介はさらっと
    一通りされてありますが、詳しくはありません。

    ただ、擦筆さっぴつの手入れ方法が
    紹介されている
    のが勉強になりました。

    花と花瓶、ワインボトル、グラス、
    果物、布などの静物の制作過程が
    具体的にコマ割りのカラー写真付きで
    紹介されています。
    花の種類はバラ、アジサイ、ひまわり、
    クレマチスなどさまざまです。

    最初の方のページでは
    基本練習が1から3まであり、
    この後応用が続きます。

    最後に「花のある風景画を描く」で
    建物を入れた花の庭園の描き方があります。

    また、
    著者の23ページに渡る作品が
    華やかな色彩で、
    こんな絵を描いてみたいと
    思わせてくれるもの
    でした。

    印象に残ったのは、
    水彩とパステルで「バラを描く」で
    下地にアクリルジェッソや
    水彩クレヨン、筆などが
    使われているところです。

    どこにどの色を使ったかまでは
    説明がないのですが、
    使った色も1つの作例ごとに
    最後に一括して載せられています。

    かなりデッサン力の重要性を
    繰り返し教えてくれる良書
    です。

    著者の使っているソフトパステルは
    主にレンブラント(オランダ製)と
    仕上げにシュミンケ(ドイツ製)のようですが、
    他にもいろいろと使っているようです。

    人物を描きたい人向け

    上から見た白いセーターを着た人物(女性)

    初めてのパステル画教室

    絵のデッサンをある程度した上で
    人物画を勉強したい人が読むと
    参考になる本
    だと思います。

    この本は、スペインの画家の著作を
    日本語訳した本です。
    芸術とは、から始まり
    デッサンの仕方、構図、基本的な技法、
    修正、道具など考え方まで
    プロの人の視点が分かるのが
    良い点だと感じました。

    外国人のプロの画家の説明のためか、
    道具や紙の紹介の箇所は
    正直参考にならない人が
    多いのではないかと思います。

    初心者で
    パステルをどれにしたら良いか、
    紙はどれにしようかと
    迷っている人にとっては
    ほとんど参考にならないでしょう。

    内容としては一通りの風景、
    静物画などの描き方も載っていますが、
    人物画の作例が多く、
    そこがこの本の素晴らしいところ
    です。

    ちなみに、この画家は
    シュミンケソフトパステルを
    使っています。

    技法を学びたい人向け

    パステル用具と基礎知識

    ロンドンの画家の
    マイカルライトの著書で
    幅広く技法を知りたい人に
    おすすめできる教科書のような本
    です。
    一通りの技法が説明されています。

    作品をステップごとに
    細かくどう描くかを説明する
    というよりも、
    その技法を理解するために習作を作り、
    コツを説明してくれている
    ように
    なっています。

    著者以外の作品も掲載されているので、
    さまざまな作例を見ることができます。



    ただ、やはり外国の本ということで、
    日本では見られない紙だとか
    素材だとか、よく分からない和訳も
    あったりします。

    そのあたりは
    少し読み飛ばしが必要な感じです。

    パステルの用具の説明は
    メーカーではなく、
    パステルの種類ごとに特徴や
    簡単な使い方と選び方のおすすめが
    紹介されています。
    サッピツなどその他の道具についても、
    写真が大きく説明もあって
    分かりやすいです。

    また、構図やスケッチ、明暗の理解、
    保存方法などの説明があり、
    パステルを描くときに困らないように
    工夫されているように思います。

    保存方法については、
    大変な額装方法が紹介されていますが、
    普通にデッサン額に収納したほうが
    よいと私は感じました。

    この一冊でステップアップ!パステル画技法と表現力を磨く50のポイント

    パステル画を
    もう一段ステップアップしたい方に
    おすすめしたい本
    です。

    どの紙を選び、下地はどうするか、
    下書きにはどの画材を使うか、
    色はどんな目的で
    タッチはどうするかなど
    具体的にステップバイステップで
    説明がされています。

    特に、何故そうするのか
    理由が書かれていることが多い
    ので
    深く学べると思います。

    失敗しがちな
    「色のにごり」や「粉落ち」への
    さりげないアドバイスで、どの時点で
    フィキサチーフをかけたらよいかも
    分かります。

    最初は少し
    ハードルが高いかもしれませんが、
    本格的なパステル画を描くためには
    いずれ役立つと思います。

    補足として、パンパステルは
    一部紹介がありますが、
    ほぼソフトパステルを中心にした
    技法が載っています。

    また、下地作りで
    他の画材を併用することが多いので
    混合技法の解説書
    言えるかもしれません。

    やさしいパステル画

    硬めのタッチと外国風モチーフの画風を
    学びたい方におすすめしたい本
    です。
    逆に言えば、日本的なモチーフや
    柔らかめの画風を好む人には不向きだと思います。
    特に、初心者の方には
    あまりおすすめしません。

    この著者の作品は、
    柔らかにぼかすテクニックよりも
    線描、点描など硬い描き味を残した、
    ややガサガサした画風です。

    使用している画材は
    やや硬めのラウニーソフトパステルで、
    ハードパステルもよく登場します。

    画材の紹介では、
    日本では取り入れられない紙や
    パステル道具が含まれていて、
    そこはあまり参考にならないように
    思います。

    パステル教室―パステル画を描くための実用ガイド

    情報量の多い実用書を
    じっくり読みたい方に

    おすすしたい本です。
    情報というのは
    パステルのことばかりでなく
    絵作りの構図や視点、導入線なども
    書かれています。
    ただ、情報量が多いため
    初心者には不向きかもしれません。


    全てカラー写真で、どちらかというと
    静物画、風景画が多いですが、
    人物も巻末の方に少しあります。
    また、
    制作工程の作品は著者が描いています。

    使われている画材は、
    イギリスのラウニーソフトパステル
    26色セットです。

    著者はイギリスの画家で
    さまざまな画材を経験した後、
    1998年当時小さな村で
    パステル画の制作と
    本の執筆半々の生活をしています。

    私は何度も読み返すことが
    多い本の1つで、奥が深いです。

    とは言え、悪い点もあります。
    ビロードペーパーなど
    イギリスで売っていても
    日本では手に入らない紙もあります。

    特に「アングル紙(アングルペーパー)」は、
    フランスのアルシュ社製
    「Ingres d’ARCHES MBM(MBM木炭紙)」
    などが知られています。
    画家アングルが好んで使ったことから、
    この名前で呼ばれています。


    外国の本の訳は
    アングル紙と書かれていることが多く、
    私にはどの紙なのか
    分かりませんでした。

    他の注意点は、この本は
    ほぼソフトパステルについての技法書で
    パステルのメーカー紹介はなく、
    オイルパステルについても
    載っていません。

    オイルパステル画入門

    私が調べた範囲では、
    オイルパステルだけを
    扱った日本語の本は、
    「クレパス画辞典」とこの本と

    「クレヨンブック:
    プロから学ぶ、楽しく描く」の
    3冊しか見当たりません。

    その意味でも
    とても貴重な本だと思います。
    著者は、高校の美術教師を
    長くしていた方です。
    1998年初版発行で、
    今は中古本でしか手に入りません。

    前半は、
    オイルパステルの道具の説明と
    基本的な技法
    になっています。
    市販のオイルパステルの紹介が
    写真付きで見開きであり、
    どういった特徴があるかも
    書かれています。
    ただし、
    ヌーベルアーチスツクレパスと
    セヌリエジャイアントオイルパステルは
    既に廃盤になっています。

    また、オイルパステルに向いた
    お勧めできる紙なども紹介されています。
    例えば、フランスの
    キャンソン社のミ・タント紙で、
    ソフトパステルでも
    よく使われている紙です。

    基本的な技法は網羅もうらされていて、
    マスキングや
    フロッタージュなどの技法や
    他の画材との併用についても
    写真付きで説明がされていて
    参考になります。

    少し専門的な色彩や構図づくりなどの
    説明もあります。

    後半は、実技編と参考作品へと続き、
    制作過程が、ステップごとに
    丁寧に説明されています。

    細かく技術的なポイントも
    スケッチごとに載っています。
    また、参考作品として
    100枚を超える著者の作品が
    掲載
    されています。

    著者の画風は、どちらかというと
    線画にオイルパステルを
    淡い水彩画のように塗っています。


    また、屋外の風景画をスケッチするのが
    メインです。
    線は鉛筆やボールペンを用いて
    細かくデッサンし、
    オイルパステルを軽めに塗っていく
    というやり方です。
    著者の作品は本の表紙のとおりなので、
    こういった絵が描きたい人には
    とても参考になるのではないでしょうか。

    もう1つのオイルパステルの本である
    「クレパス画辞典」では
    複数の作家の作品が掲載されています。

    一方、この本は
    著者自身の作品が中心です。
    そのため、いろいろな作家の
    オイルパステル画を見たい人には、
    「クレパス画辞典」のほうが
    参考になる
    と思います。


    最後に、
    オイルパステル初心者の方に
    おすすめの本が1冊別にあります。
    詳しくは、こちらの記事の下の方の
    「クレヨンブック:
    プロから学ぶ、楽しく描く」
    をご覧ください。

    【パステルでイラスト・絵本】を描きたい人におススメの本

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。

    パステル画の本といっても、
    初心者向けのものから、
    風景や花、人物などの作例を
    中心にしたもの、
    技法を詳しく学べるものまで、
    それぞれ特徴があります。

    「パステルの本が欲しい」
    と探すよりも、
    今、自分が何を知りたいのか
    を考えて選ぶと、自分に合った本を
    見つけやすいと思います。

    今回紹介した本の中には、
    中古でしか手に入らないものも
    ありますが、今読んでも
    参考になる本もあります。

    また、全体的に見ると、
    日本の本は道具や紙についての説明が
    充実しているものが多く、
    海外の本は技法や絵づくりについて
    詳しく説明されているものが
    多いように感じました。

    この記事が、
    パステル画の本を選ぶときの
    参考になればうれしいです。

    それでは、また。

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