線遠近法(1点透視図法・2点透視図法・3点透視図法)パースの描き方の基本


    絵を描く時、紙の上に
    奥行きを表現するのは
    結構難しいと思いませんか?

    そこで役立つのが線遠近法で、
    いわゆるパースとか
    パースペクティブ透視図法などと
    呼ばれる方法です。

    今回は
    1点透視図法2点透視図法
    3点透視図法

    一気に紹介していこうと思います。

    遠近法と線遠近法(透視図法)

    タテとヨコしかない平面の紙に、
    実際の世界のような
    立体感や奥行きを表現するためには、
    いくつかの
    「見せ方のルール」があります。

    これは昔の画家や研究者たちが
    発見し、改良してきた法則です。

    私たちはそのルールを使うことで、
    平面の紙の上でも
    奥行きのある世界を
    描けるようになります。

    こうした
    「奥行きがあるように見せる方法」
    まとめて遠近法と呼びます。

    遠近法には、
    西洋で発展したものと
    東洋で発展したものがあります。

    ただ、一般的に
    「遠近法」と言う場合は、
    「線遠近法(透視図法)」を
    指していることが多い
    です。

    それだけ線遠近法は有名で、
    習得すると
    立体感を表現する効果も
    大きい描き方だと言えます。

    線遠近法は、
    ルネサンス期のイタリアで
    発展した遠近法です。

    線遠近法(透視図法・
    英語で perspective〈パースペクティブ〉、
    略してパース)

    線遠近法は、
    一定のルールに沿って線を引き、
    モノの奥行きを表現する方法
    です。

    線遠近法で描くと、
    遠くのモノは小さく、
    近くのモノは大きく
    見えます。


    また、
    奥行き方向に向いた線や形は、
    実際より短く圧縮されたように
    見えます。

    例えば、同じ長さのモノでも、
    遠くにあるものほど短く見え、
    近くにあるものほど長く見えます。

    これを「短縮法」と呼びます。

    線遠近法で絵を描く作業は、
    描きたいモノと自分との間に
    透明なガラス板を立てて、
    そこに見えたままの形を
    写し取るようなイメージです。

    1点透視図法

    1点透視図法とは、
    消失点を1つ持つ透視図法
    (=線遠近法)
    です。

    消失点とは、
    平行な線を
    遠くまで延長していくと、
    1点に集まるように

    見える場所のことです。

    例えば、
    まっすぐな道路や線路が、
    遠くで一点に集まって見える現象に
    近いです。

    1点透視図法では、
    消失点は必ず
    地平線上(=目線の高さ)に

    存在します。

    また、透視図法では、
    モノが透明であるかのように、
    反対側の見えない線も
    考えながら描きます。

    透明な箱を描くつもりで考えると、
    モノの見え方が
    理解しやすくなるかもしれません。

    条件として、
    見ている人は
    正面を向いて立っています。
    そして、
    描くモノも見る人に対して
    正面を向いています。

    1点透視図法のまとめ

    1点透視図法は、

    • 正面を向いて見ている
    • モノも正面を向いている

    という条件で使う透視図法です。

    詳しいポイントを
    下の図にまとめました。

    2点透視図法

    2点透視図法とは、
    消失点を2つ持つ透視図法
    (=線遠近法)
    です。

    1点透視図法では、
    モノは正面を向いていました。

    それに対して、
    2点透視図法では
    モノが左右どちらかに傾いています

    そのため、
    奥行き方向の線が
    左右それぞれ別の消失点へ
    向かいます。

    消失点は、
    どちらも地平線上
    (=目線の高さ)に存在します。

    また、透視図法では、
    モノを透明な箱のように考え、
    見えない反対側の線も
    意識しながら描きます。

    ※補足
    実際に絵を描く時は、2つの消失点を
    画面内に近づけすぎない
    ようにします。
    消失点が近いと、箱の角が
    不自然にゆがんで見えやすいため
    です。

    そのため、実際の作画では、
    消失点を画面の外に置くことも
    よくあります。
    今回は説明のため、
    2つの消失点を
    画面内に入れて解説しています。

    2点透視図法のまとめ

    2点透視図法は、

    • 見ている人は正面を向いている
    • モノは左右どちらかに傾いている

    場合に使う透視図法です。

    また、

    • 描く線は2つの消失点へ向かう線
    • タテの垂直線

    基本にして描いていきます。

    詳しい考え方や、
    ドア・窓・円柱の描き方は
    下の図にまとめました。

    3点透視図法

    3点透視図法とは、
    消失点を3つ持つ透視図法
    (=線遠近法)
    です。

    2点透視図法では
    モノが左右どちらかに
    傾いていました。

    3点透視図法でも、
    モノは左右に傾いています。

    さらに、
    見ている人の視線が
    上下に傾きます。

    つまり、
    見ている人の頭が
    上を向いたり、
    下を向いたりします。

    3つの消失点のうち、
    2つは地平線上
    (=目線の高さ)に存在
    します。

    残りの1つは、
    はるか上空か地下に存在
    します。

    また、透視図法では、
    モノを透明な箱のように考え、
    見えない反対側の線も
    意識しながら描きます。

    又は

    3点透視図法は、
    1点・2点透視図法より
    かなり複雑になります。

    そのため、
    普段の絵では
    そこまで極端な見上げ・見下ろし構図を
    使わないことも多いです。

    とは言え、
    高い建物を見上げたり、
    高い場所から見下ろしたりする時には
    とても役立つ透視図法です。

    少しだけやってみましょう。

    煽り(あおり・見上げる構図)

    俯瞰(ふかん・見下ろす構図)

    3点透視図法のまとめ

    3点透視図法には、
    「煽り(あおり)」と
    「俯瞰(ふかん)」の
    2種類があります。

    どちらも、

    • 見ている人の視線が上下に傾いている
    • モノも左右に傾いている

    という特徴があります。

    煽り(あおり・見上げる構図)
    見る人が視線を上に向け、
    モノを斜め下から見上げた図です。

    俯瞰(ふかん・見下ろす構図)
    見る人が視線を下に向け、
    モノを斜め上から見下ろした図です。

    3点透視図法の注意点
    煽りの図では、
    目線の高さの線
    (地平線・アイレベル)は
    画面の下寄りにあります。

    ただし、
    視線が大きく上を向くため、
    完成した絵では
    地平線が視界に入らないことも多いです。

    煽りの構図の例外もあります。
    少しだけ上を向いた煽りの構図です。
    下の写真は、ほぼ2点透視だけど
    わずかに3点透視
    になっています。
    建物で見えていませんが、
    地平線は見える位置にあります。

    一方、
    俯瞰では
    目線の高さの線
    画面の上寄りに引きます。

    また、
    3点透視図法では、
    すべての線が
    3つの消失点へ向かいます。

    消失点どうしは、
    できるだけ離して配置
    します。

    ただし、
    上空や地下にある
    第3の消失点
    画面の横幅より遠くに置くと、
    建物などが極端にゆがみやすくなります。
    横幅内に収めてください。

    線遠近法(透視図法)のまとめ

    遠近法とは
    平面上に奥行を表現する方法の総称だが
    単に線遠近法透視図法やパースペクティブ、
    パース)を指すこともある。

    ・線遠近法(透視図法)には
    1点透視図法・2点透視図法・3点透視図法
    がある。

    目線の高さ(アイレベル)=地平線、水平線
    消失点=2つ以上の平行な直線が集中する点

    【1点透視図法】
    描く場面の条件:視線は正面
            描く物も正面のみ

    引く線:タテの垂直線
        消失点に伸びる斜めの直線

    消失点:地平線上に1点のみ

    【2点透視図法】
    描く場面の条件:視線は正面
            描く物は左右に傾いている

    引く線:タテの垂直線と
        2つの消失点に伸びる斜めの直線

    消失点:地平線上に2点

    ★消失点は実際には画面上に1点のみ入れる
    又は2点とも入れない

    理由は2点とも画面に入れて箱を描くと
    箱の角の角度がゆがんで見え
    90度に見えないから


    【3点透視図法】
    下から見上げる”あおり”
    上から見下げる”ふかん”がある

    描く場面の条件:
    視線は上下いずれかに傾いている
    描く物は左右に傾いている

    引く線:3つの消失点に伸びる斜めの直線
    (垂直線はない)

    消失点:地平線上に2点と
    はるか上空又は、はるか地下に1点

    ここまでお疲れ様でした。
    こんな面倒な理論を
    根気よく読んだあなたは、
    とても熱心
    だと思います。

    ただ、実際に絵を描くときは、
    この法則を気にしすぎて
    定規の線ばかりにならないように
    気をつけて
    ください。
    無味乾燥な絵に
    なってしまうことがあります。

    また、透視図法を理解していても、
    実際に描いてみると
    「思うように上達しない」
    感じることもあります。

    もし
    「描いているのにうまくならない」
    感じている場合は、
    どこでつまずいているのかを
    一度整理
    してみてください。
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