空は風景画でよく出てきますね。
朝・昼・夕や天気によっても
空は表情を変えていきます。
今回は、空の太陽と雲を
パステルで簡単に描くために
練消しゴムで色を抜いて
描きます。
また、色を均一にするために
〇〇を使います。
良かったら
空を描く時の参考にして下さいね。
目次(押すとその記事にジャンプします)
色々な空と雲を描くのに使った道具
使った画材類を紹介します。
もちろんソフトパステルは
他メーカーでも大丈夫。
紙は凹凸のある白い紙ならOKです。
マスキングテープはなくても良いです。
使うなら
粘着力の弱いテープがおススメです。
・白い画用紙(マルマン)
・ゴンドラソフトパステル
(王冠化学工業所)
・練消しゴム(ホルベイン)
・脱脂綿(薬局)
・マスキングテープ
(ニットウの目地材用)
空を描く時のコツ
空の描き方のコツと言えば
例えば、自分が
目の前の風景を見てるとして
今見ている真上の空が1番近い空で
紙に置き換えると
紙の上側が近い空で
紙の中間から下側に下がるほど
だんだん遠くの空になって
自分から遠い空は距離が遠いため
その分の空気やチリ等も多くなり
霞んでぼんやり見えてきます。
紙の位置で言うと、
下側が淡い色になり
上側へ行くほど濃い色になる
明暗で言うと下側が明るい青で
上に行く程だんだんと
暗い青になります。
少しずつ色が変わる
グラデーションにすると
綺麗な空が描けます。
グラデーションについて
↓↓↓詳しくはコチラ↓↓↓
パステルを描く時のルーティーン
パステルを描く人なら
誰でもよく分かると思うのですが
描いていると手がしょっちゅう汚れます。
なので、
手を洗いに行くかウェットティッシュで
手の指を拭います。
塗れたタオルを傍に置くこともできます。
塗れた手のままで
描いてしまうといけないので
塗れた手は布かティッシュで拭きます。
【動画】空の描き方
(青空・曇り空・朝焼け・夕焼け)/パステル
ここからは、実際の手順です。
動画と同じ内容です。
朝焼けの空を描く/パステル
1
朝焼けと夕焼けを
ドライウォッシュで描こうと思います。
粉振るいで粉末にして
ぼかすという方法(ドライウォッシュ)を
していきます。
2
ソフトパステルで
紙の下の方に配置を下げて
水平線を引きます。
3
下側の枠内にも
後で夕焼けを描くので
同じように水平線を引きます。
4
朝の光は塵が少ないので
淡い光になりやすいみたいです。
淡いオレンジ色を粉末にして
紙の上にふりかけます。
5
黄色を粉末状にして
オレンジ色の上に振りかけます。
この後、脱脂綿を使ってぼかす時に
それに色を取られるので
割と多めに粉をふりかけます。
6
白色を入れると
色が広がりやすくなるので
白も粉末にして入れます。
7
やはり均一にするには
粉末パステルにして
脱脂綿でぼかすのが一番かもしれません。
少し黄色が目立ち過ぎたので
暗めのオレンジ色や少し青も入れます。
均一にできたので
このタイミングからは
指でぼかしていきます。
8
海側には同じオレンジ系統の中の
ちょっと暗めの色を使います。
9
遠方に丘があるようにしてみます。
10
朝日とその光を
練消しゴムで消して表現しています。
11
淡いオレンジ色を
太陽の周りに直描きします。
粉を取ってしまうので
脱脂綿でなく指でぼかします。
12
手前側が影になります。
青系の色を丘の手前に
丘と同じような形を
長めにして塗ります。
13
少し暗くて渋い青色を
指でぼかして影を作っています。
14
練消しゴムで
朝日の眩しい直線の光を
消して表現しています。
15
朝焼けなので
柔らかい淡い光にしようと
レモンイエローを粉末にして
ぼかしました。
色が濃すぎると思ったら
練消しゴムで叩き
指でぼかして
色の濃さを調節します。
16
紺色で紙の上の方を塗って
まだ明け方の暗い空を
描き足しました。
17
空の明るさを指でぼかしたり、
練消しゴムで消して
色の濃さを調節します。
これは好みによりますが
今回は空の色を明るめにしました。
18
こんな感じで”朝焼け”ができました。
夕焼けの空を描く/パステル
1
次は”夕焼け”を描いていきます。
夕焼けは空に塵が多いので
ちょっと濃いめの色で描きます。
夕方は朝焼けに比べて
輪郭もぼんやりにすることが多いです。
イメージ的に赤紫とか紫系の影にして
ちょっと強めの色にすると
夕方っぽい感じになるかなと思います。
2
始めに使うオレンジ色も
朝焼けに使った色よりは
濃いめのはっきりした色にします。
3
少し白色を粉末状にして入れ
色が広がりやすくします。
4
新しい脱脂綿で均一にぼかします。
この時点では、
あまり細かいことは気にしないで
全体に色を広げます。
5
次に、影を青系統でなくて
紫っぽい色で描きます。
6
紫色で描いた所を指でこすって
少し跡が残ってしまったので
脱脂綿で再度こすることにしました。
7
練消しゴムで消して
夕日と光を表現します。
それと、指で擦った時に
カゲの描き跡が残ってしまったので
少し紫の影色を練消しゴムで消して
描き跡を除きます。
8
夕日の周りに強めのオレンジ色を
粉末状にして脱脂綿でぼかします。
9
赤紫色を暮れている空に
粉末状にして振りかけます。
10
粉末パステルに脱脂綿を使うと
割と簡単に均一な画面ができます。
11
赤紫色で影を描くと
夕方らしい雰囲気になります。
朝でも一緒の色なのかもしれないですが。
この辺りから描き跡は残りますが
指でぼかします。
夕日の光のオレンジ色を
直に塗ってから指でぼかして強めます。
12
夕焼けの太陽の部分は
朝の太陽のような
キラッとしたイメージよりは
ぼんやりしたような日の光にします。
横にウニーッと広がるようにすると
夕方の雰囲気が出ます。
夕方になると
空気中に塵が多いので
太陽の光も
そういう風に見えるらしいです。
13
影は
朝の方が輪郭がはっきり見えやすくて
夕方はチリの影響で
ぼんやりとするようです。
人影とかもあまり見えないですよね。
14
夕方の影は強いので
影を少し強めにするために
赤紫の線で水面の影を描きます。
15
こんな感じで
朝焼けと夕焼けが仕上がりました。
上が朝日で下が夕日を描いてみました。
朝と夕方の違いは出たでしょうか?
16
マスキングテープを剥がします。
17
朝焼けと夕焼けが完成しました。
日中の青空と雲を描く/パステル
1
次に
上側が”日中の青空”で
下側が”曇り空”を描きます。
2
空を中心に描くので
画面の下の方に水平線を引きます。
大体ですが半分の位置には
水平線を引かないようにします。
3
この後、脱脂綿でぼかします。
粉末を作っている時点では
あまり色の明るさとか気にしないで
どんどん振りかけていきます。
と言っても、
暗すぎる色を全部に振りかけると
後で描く時になって
明るさを調節し難くなります。
空と海に
明るめの青色を振りかけます。
4
脱脂綿は擦った時に
色をかなり粉を取ってしまうので
割と多めに粉を振るうと良いです。
少し白を混ぜると
伸びが良くなります。
水平線が消えないように残しておいて
全体をぼかします。
5
最初に塗る時には
全体的に均一に薄く色を付けられる
脱脂綿がとても良いです。
6
全体的に色をつけられたので
次は空と海を描いていきます。
紙の上の方の空には
濃い青色を塗ります。
7
中間の位置の空には
中間ぐらいの明るさの青色を
塗ります。
8
その下の空の位置には
もっと明るめの青色
水色を塗ります。
9
一番下に白を塗って
手で空全体をぼかします。
10
ぼかしてみて、色が薄すぎなら
もう一度、上の位置から順番に
濃い青色から淡い青色へと塗ります。
11
下の層に既に青色のグラデーションが
できているので、白色をそのまま
空全体に塗り重ねても大丈夫です。
12
指で空をぼかしていると
マスキングテープと紙の境目が
塗り残しができやすいです。
境目には、色を塗って
指で強めに溝をこすると
マスキングテープを剥がした時に
綺麗な色の境目の線が出ます。
13
空が一通り塗り終えたので
次に海を塗ります。
緑系や暗い青色などに
色を変えます。
紺色と青色と少し緑色を足して
海を平塗りしました。
14
空と海との境目が分かるように
白色を追加して塗り、
指でぼかします。
15
遠方に島も描いてみます。
遠方になると
ほとんど霞がかって
青っぽい灰色になります。
ここでは紫っぽい色で塗ります。
16
少し暗めの紫色も
重ね描きして
暗い所と明るい所が
見え隠れするような感じにします。
17
次は青空に雲を入れます。
雲は下の色が透けない
隠ぺい力のある白色で
描くこともできますが、
紙が白ければ、
練り消しゴムで消して
雲の形を表現することもできます。
18
遠くの雲は霞んで見えて
線のような細い形をしています。
練消しゴムでの雲の描き方は
練消しゴムの先を
ねじって尖らせて
その先端で横に線を引いて
消していきます。
19
色々な形の雲がありますが
今回は、普通の雲を描いていきます。
仮に紙を横に4等分したとすると
上から2段目が
空の遠さで言うと中間です。
この中間の遠さの雲(中景の雲)は
横面が見えるので、
雲の上側はフワフワっとして
下側は少しだけ見えて平たい形です。
中景の雲どおしは、
綺麗に見えてはいないのと
重なって見えている雲もあります。
20
紙の上側へ来る程、
雲が自分の近くにあります。
すると、
雲の下の面が見えてくるので
段々と雲を大きくして
雲の下側の形も
雲の上側と同じように
綿菓子みたいなフワフワの形になります。
21
ある程度の空の雲が描けたら
海も光っている所を
波が立ってるようにします。
パステルで描く代わりに
また練消しゴムを
ヘラみたいな形にして
海の好きな所で横に動かして消します。
22
”昼間の空と海”が簡単にできました。
曇り空(雨雲)を描く/パステル
1
次は”曇り空の海岸”を描いていきます。
曇りの空と言うと
濃い紫色や灰色、暗い灰色などの
牡丹餅みたいな雲が特徴だと思います。
遠くの方の空まで
灰色の雲が続いてますが
紙の上側、つまり近くの雲は
近くて光が届かず
暗い黒に近い灰色が目立ち、
紙の下側、つまり遠方の空が
鈍い黄色っぽい色で
明るく目立つ時があります。
暗い黄色の黄土色を
最初に遠方の空に
ドライウォッシュ(粉末塗り)で
入れてみます。
紙の下辺りだけでいいと思います。
2
色を伸ばすために
白色を粉末にして、
紙の上に振りかけて
均一に伸ばせる脱脂綿で
ぼかしていきます。
3
濃いめの灰色で
紙の上の部分に粉を振りかけ、
よく伸ばすために
白色も粉末状にして加えます。
それから、
黄土色をぼかした使用済みの脱脂綿で
濃いめの灰色を全体的にぼかします。
4
一部分だけ残すのは
絵では良くないので
海の部分を先に塗ってしまいます。
曇り空は暗い空で
普通は光が届かないため
暗い黒に近いような紺色を塗ります。
5
紺色パステルの横の面を
滑らせて紙に塗ります。
空の色に使った濃いめの灰色も
同じようにして塗ります。
6
海の色よりは少し明るい灰色で
遠くの丘の形を描き、
指でぼかします。
7
色の濃さが足りないので、
海に濃い青色を足します。
8
少しだけ青色でも描いて
ぼかします。
9
雨雲は
さっきの日中の普通の雲とは別で
牡丹餅たいな分厚い雲の塊が
連なるようにしていきます。
10
遠くの方が小さく見えるのは
どの雲でも一緒ですが
雨雲はボタモチのような形なので
日中の普通の雲の線のような形よりも
ぶ厚めにします。
長めのブワッとした重たい形で
切れ切れでなくて
連なっている雲にします。
全部、空から牡丹餅が
沢山垂れ下がってるように
練消しゴムで消しておきます。
11
牡丹餅のような雨雲の下の面を
練消しゴムで白く消せたら
曇り空全体に使った
同じ濃いめの灰色で
色を抜いた部分に上から
塗っていきます。
12
遠くの雨雲まで
同じような大きさにしてしまいました。
雨雲も遠くに行く程
小さく細長い雲の形です。
13
近くの雨雲は全部暗い色で塗ります。
少し遠い中間の雨雲では、
横の部分が多く見えるので
殆んどの部分を暗い色で塗ります。
14
ここまで塗った濃いめの灰色の上に
明るめの灰色で
隙間があるところを塗っていきます。
15
雨雲がおおよそ塗れたら
指でぼかしていきます。
墨絵みたいになってきました。
16
次に、練消しゴムで
雲と雲との間を色抜きします。
近くの雲から遠くの雲まで
1段、2段と
雲の段ができているので、
1段目と2段目の間の雲を
色を抜いて薄い灰色にします。
2段目と3段目の間の雲も
その次も同様にして色を抜きます。
すると雲の形が見えてくるので
どんよりした感じが出ます。
今やってることは、
練消しゴムで
雨雲の横面の色を抜く作業です。
17
雨雲が出ている時には
だいたい海も荒れてることが多いので
白波もまた練消しゴムで色を抜いて
表現します。
18
遠くの方の丘も色を抜いたり
消し過ぎたらまた、描き足したり
していきます。
19
絵を面白くしたいので
雨柱を描くことにしました。
遠くの空に雨柱が見えてる時があるので
それを描いてみます。
雨柱を見たことあるでしょうか?
その周りは少し暗くなっています。
雨柱とその周りを
暗い灰色で描いてぼかします。
20
暗すぎる所を
練消しゴムで消しています。
21
最後に
ぼかして消えてしまった所など
描き足したり、
また消したり微調整します。
22
簡単な描写ですが
雨雲を描いてみました。
23
では、マスキングテープを剥がします。
あっ!
こんな風に紙がテープと一緒に
剥がれることがあります。
今回、マスキングテープを
1回机で貼って剥がしてから
紙に貼り付けませんでした。
粘着力を弱めてなかったので
こんな事になってしまいました(泣
24
日中の空雲と曇り空が完成しました。
4通りの空(朝・昼・夕・曇り)を描いた結果(感想)
ソフトパステルを粉末状にしてから
脱脂綿でぼかし
光や雲を練消しゴムで消して描く
4つの空が完成しました。
何も見ずに割と簡単に描けたので
驚きです。
平均1つ15分くらいで
描く事ができました。
雲を描く日中の空雲と曇り空は
朝焼け夕焼けよりは時間がかかりました。
20分くらいでしょうか。
朝日と夕日の暗い部分は脱脂綿で
もう少し時間をかけてぼかせば
もっと均一な画面にできるのと、
曇り空の海の色はもっと灰色ですね。
紺色が目立ち過ぎたように思います。
この方法は
他の描き方でも応用できそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
空や太陽、雲を簡単に描く方法について
実際に描きながらお伝えしてきました。
単調な作業かと思いきや
色々な気づきがあって
楽しんで描くことができました。
今回のまとめは↓こんな感じです。
●ソフトパステルを粉末状にして
脱脂綿でぼかすと均一に色付く
●白い紙では太陽の光、雲は
練消しゴムで消して表現できる
●紙の位置ごとの雲の形
上の段→雲全部ふわふわ
中の段→雲の上側ふわふわ下側平ら
下の段→雲は線のよう
●朝焼/夕焼/青空/曇り空の特徴
朝焼け・太陽キラっ
・周囲淡い暖色系の光
・影夕方より輪郭ハッキリ
青っぽい淡い色
夕焼け・太陽ウニーッと横ぼやけ
・周囲暖色系の光
・影朝より輪郭ぼんやり
暗い寒色系の色
青空 ・太陽(割愛)
・遠方の空ほど白っぽい
・影青っぽい色
曇り空・太陽(割愛)
・黒っぽい牡丹餅雲だらけ
遠方に鈍い光が見えたり
・影殆どない
・白い画用紙(マルマン)
・ゴンドラソフトパステル
(王冠化学工業所)
・練消しゴム(ホルベイン)
・脱脂綿(薬局)
・マスキングテープ
(ニットウの目地材用)