パステルの描き方。風景画で形をはっきりさせる方法は?

    パステルはぼかして描く
    柔らかい表現が得意です。

    でもはっきりした形は
    どうしたら描けるのでしょう?

    その辺がよく分からなかったりして、
    不満な人も多いのではないでしょうか。

    今回は3種類のやり方をご紹介します。

     

    ハードパステルで輪郭はっきり/パステルの描き方

     

    ↓の写真の海の景色を使って
    水平線をはっきりさせることにします。

    この岩場を描くのは少し難しくなるので
    砂浜に変えて描きましょう。

     

    パステルの描き方/ハードパステルで輪郭線を引く

    この方法が多分、一番簡単だと思います。

    ぼんやりしてきた輪郭線をハードパステル
    線を引いてはっきりさせます。

    ここでは水平線をはっきりさせています。
    ほかの絵でも応用できます。
    例えば、静物画でビンのふちをはっきりさせ
    たい時など。

    線の色はあまり極端に違うと目立ちすぎます。
    下の色と同じような色にするのがおススメ。

    また、定規紙の端を使うとまっすぐな線が
    引けて便利です。

    【実践編】ハードパステルで輪郭をはっきり

     

    1,描く範囲にマスキングテープを貼ります。


    2、グレーのソフトパステルをカッター
    粉状に削って、布でぼかそうとしています。

    3、布ではパステル画紙に付きにくいので
    指でぼかしました。

    4、スケッチブックを立ててトントンと叩く
    ようにします。 紙の上に飛び散ったパステル
    の粉を除くためです。

    5、残った粉は布で優しく払うか練消しゴム
    で軽く叩くように取り除きます。

    6、ソフトパステルで簡単に下書きした後、
    そのまま着彩に入りました。
    細部は綿棒でぼかしています。

     

     

     

    7、水平線をはっきりさせるために定規
    使って、ハードパステル線を引きます。
    画面を汚さないように定規の下にはコピー
    用紙を敷いてます。

     

    8、もう一度水平線をはっきりさせるために
    ハードパステルで線を引いてます。
    今度はコピー用紙の端を使ってます。

     

    9、完成作品はこちら♪

     

    パステルの描き方/木炭で輪郭線をはっきり



    木炭
    で輪郭線を引くやり方です。木炭は
    パステル画の下書きでよく使われます。
    輪郭線だけでなく、影を描いたりもします。

    制作途中でも線を強調したりなど、使うこと
    ができます。

    木炭の特徴として、上にそのままパステルを
    重ねて描くとパステルの色が濁ります

    なので発色をそのままにしたい場合は
    パステルフィキサチーフを使いましょう。

    海景で木炭はあまり使わないと思いますが、
    今回は実験的にやりました。

    木炭は線が強くでるので
    線を強調したい場合便利なアイテムです。

    【実践編】木炭で輪郭線をはっきり

    木炭で輪郭線を引いてはっきりさせる方法
    です。

    1、木炭(柳の木炭)で下書きしています。

    2、ソフトパステルで2種類の青、白、黄土
    色など使っています。
    画面全体を大まかに平塗りしたら
    指でぼかしていきます。

     

     

    3、水平線をはっきりさせるためにコピー
    用紙の端
    に沿って木炭で直線を引きます。

     

    4、今回は線画っぽくするために海岸線や空
    の雲などにも木炭で線を引いていきます。

     

     

    5、海の中の深い影や、濡れて暗い砂も
    木炭で塗ると雰囲気がでます。
    海の影は点描しています。やり過ぎると
    色が濁って汚くなってしまうみたいです。

     

    6、上から見ているにしては遠方の海岸線
    不自然なので修正しました。
    それから、仕上げのための細かい描き込みに
    入っていきます。

     

     

    7、初めに貼っておいたマスキングテープ
    丁寧に剥がします。

     

    8、仕上げに必ず定着材をスプレーします。
    ここでは、ホルベインの
    パステルフィキサチーフをスプレーします。

    9、それでもパステルの粉は落ちやすいです。
    トレーシングペーパーなどを紙の表面に
    マスキングテープで貼り付けておくと保管し
    やすいです。

     

     

    10、レーシングペーパーで画面を覆った
    様子です。今回使ったのは、普通の画用紙
    スケッチブックです。

     

     

     

    11、画用紙の裏側の様子・・・。

     

    12、完成作品はこちら♪

    パステルの描き方/マスキングで境界をはっきり




    線を使いたくない場合
    にとる方法です。
    まず、出したい輪郭に添った型紙を作ります。
    型紙で紙をマスクし(覆い)、上からソフト
    パステルなどを塗ります。

    型紙を外すと、綺麗な輪郭の面が現れるはず
    です。

    線を使わず直線の輪郭を取りたい場合は
    型紙の他に定規でも代用できます。

    型紙は薄いと、めくれたり紙の下にパステル
    の粉が入りやすいという人もいます。
    私は特にそうは思いませんが…。

    ただ、シャープな輪郭を出したい時は
    厚い紙又は定規が良いように感じます。

    複雑な形をマスキングする場合は特に
    トレーシングペーパーを使うとやりやすいと
    思います。

    【実践編】マスキングで境界をはっきり

    1、黒のハードパステルで簡単に下書きしま
    す。そして、トレーシングペーパーで下書き
    の線をトレース(転写)します。

    2、トレース(転写)できたら
    トレーシングペーパーを海、空、陸
    ハサミで切り分けます。

    3、切り分けたトレーシングペーパーは
    色を付けたくない面を覆います。
    これはマスキングと呼ばれています。

     

    4、覆ってない部分をパステルで塗って
    ぼかしていきます。

     

     

     

    5、下塗りが終わったところです。
    ここから、大まかな着彩をしていきます。

    マスキングの特徴は
    輪郭だけはっきりさせることができること。
    線を引きたくないときに使うと良いです。

    6、大雑把に着彩できました。
    細部の描き込みに移ります。
    空の雲の表情、海面の光、波打ち際の白波や
    濡れた砂などです。

     

    7、左下の海面は緑色を入れています。
    波打ち際は白のパステルでクルクルと円を
    描いて波を表現しています。

     

    海面の光は白で点描。
    濡れた砂はこげ茶をぼかしました。

    8、仕上げに、海の影の部分を点描で描きま
    した。
    硬い穂先の筆(豚毛など)で点描した部分を
    上から抑えます。これで紙に定着させます。

     

    9、今回、点描に使ったのは黒のハードパス
    テルとエメラルドグリーンのソフトパステル
    です。

    10、完成作品はこちら♪

    ◆まとめ

    ・パステル画の輪郭線引きはハードパステルが一般的。
    ・木炭での輪郭線引きは線の強調に使う。
    ・マスキングは線なしの輪郭取りに使う。

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