パステルの描き方。簡単、効果的な背景色の付け方3選

    描きたいモチーフを描いてから、
    「背景をどうしよう…」
    と迷うことはありませんか。

    背景は、絵全体の雰囲気を左右する
    大切な部分です。

    特にパステル画では、
    白い紙が見えすぎると
    気になることもあるため、
    最初に紙へ色を付けておくと
    描きやすくなります。

    今回は、
    簡単にできる背景色の付け方を3つ
    ご紹介します。

     

    ドライウォッシュ

    ドライウォッシュはパステル画で
    最も基本的な背景色の付け方です。
    パステルの粉を
    白い紙に擦りつけて
    画面に色をつけます。

    1、用意するもの…
    パステルと紙、カッターほか。

    灰色のソフトパステル(ラウニー社)。
    ハードパステル
    (百円ショップとヌーベル)。

    紙は画用紙
    ワトソン水彩紙などもおすすめ。
    カッター、硬い穂先の筆(豚毛など)。

     

    2、カッターでパステルを削る
    まず、白い紙の上で
    カッターでパステルを粉状に削ります。

    ハードパステル、ソフトパステルの
    どちらか又は両方を使います。
    どちらかというと、
    ハードパステルの方が
    最初に色を付ける
    のに向いています。

    下地に塗るため色は
    それ程こだわりません。
    むしろ灰色がかった色のほうが
    上に塗る色が映えるので
    良いかもしれません。

    赤と緑など反対の色を
    混ぜてもグレーが作れ
    ます。

     

    3、筆などでぼかす
    紙の上のパステルの粉を指や布、
    硬めの筆でこすり付けて
    色をぼかし込みます。

    使っているのは
    油絵などで使う豚毛の筆です。
    (※2026.5現在では、この方法は
    やらなくなりました。
    紙を傷めることがあるからです。)

     

     

    4、筆以外でもぼかせる
    硬い筆(豚毛など)を使って
    パステルの粉が紙の凹凸に埋まるように
    強くこすり付けます。

    筆がない場合は
    指や布、ティッシュでも
    擦り込みできます。
    布、ティッシュなど
    繊維がパステルの粉末を拾うので、
    薄くなりがちです。

     

    5、余分なパステルの粉を振るい落とす
    色が付いたら、
    余分なパステルの粉は紙を
    立てたり息を吹きかけて
    払います。

     

    6、パステルフィキサチーフのスプレー
    最後に、
    パステル専用フィキサチーフを
    スプレーします。
    これはパステルの粉を
    紙に定着させる為です。
    メーカーは
    ホルベイン、ターレンスなど。

     

    7、完成
    紙の白い所が見えなくなるまで
    丁寧に刷り込むと完成です。

    まず何から揃えればいいか
    分からない方はこちらの記事
    参考になります。

     

     

    水彩絵の具で塗る

     

    透明水彩絵の具
    不透明水彩絵の具(ガッシュ
    使って、白い紙に背景色を付
    ける方法です。

    紙の上に水が乗ることで
    紙がウネウネと波立つ
    波打ち」があるので、
    少々注意が必要です。

    そういった意味では
    パステル用紙より、
    ある程度厚みのある水彩紙か画用紙
    向いているかと思います。
    波打ちが起きない方法もご紹介します。

    1、用意するもの
    ・F0サイズの木製パネル、
    ・F0サイズより大きい画用紙や水彩紙
     など
    ・カッター
    ・定規
    ・段ボール等の下敷き
    ・筆洗
    ・刷毛
    ・水張りテープ
    水彩用絵筆
    ・透明水彩絵の具又は
     不透明水彩絵の具
    ・ティッシュ。

     

     

    2、カッターで紙をカットする
    カッターの刃で机を傷めないように
    下にはボールを敷いてます。
    紙は木製パネルより
    少し大きめに切ります。
    定規を使うとやり易いです。

     

     

    3、刷毛で紙に水を塗る
    カットできたら
    刷毛で紙の裏面に水を塗ります。
    やや平たく滑らかな裏面です。

     

     

    4、水張りテープを手でちぎる
    紙に水が浸透するまでの待ち時間に、
    水張りテープ
    ボードより少しだけ長め
    手でちぎって用意します。

      

     

     

    5、水張りテープはすぐに袋に片付ける
    水張りテープは
    湿気などでダメになりやすいので
    必ず元のビニールに戻して
    きっちり袋を閉めておきます。

     

    6、紙は角がしんなりするまで待つ
    紙が弓のように反っているので、
    水が未だ完全に浸透していません。
    もう少し水を足して
    紙の角がしんなりするまで待ちます。

     

    7、木製パネルに紙を貼り付ける
    大分、紙がしんなりしてきたので
    木製パネルに貼り付けます。

     

    8、水張りテープを湿らせる
    次に、水張りテープの端を持ち、
    水を含んだ
    刷毛で押さえつけます。
    そして、テープを
    シュっと勢いよくひっぱります。

     

    9、水張りテープの貼り方
    紙をパネルの側面で折り込みます。
    水張りテープは先に紙に半分だけ
    貼ります。
    余った部分をパネルに貼り付けます。

     

    10、紙の隅は△に折りたたむ
    角の部分の紙は
    動画のように三角に折りたたんでから
    上に水張りテープを貼ります。

     


    11、ボード端の水張りテープは折りたたむ

    はみ出した水張りテープは
    四辺の隅で折りたたみます。
    長すぎたら切ってもいいかもですね。

     

    12、水彩垂らし込みに用意するもの
    ここからは、
    透明水彩絵の具で平塗り
    垂らし込みをしていきます。

     

    13、刷毛で紙に水を塗る
    まず、刷毛に水を含ませて
    ワトソン水彩紙の上で往復させます。

     

    14、透明水彩絵の具を水で溶く
    バーントシェンナイエローオーカー色
    水を含んだ筆で混ぜ合わせます。

     

    15、水彩絵の具の平塗り方法
    水彩紙の湿り気をみながら、
    混ぜた絵具を平筆(水彩用)で
    平塗りしていきます。

    ムラを防ぐには、濡れている間に
    水気をぬぐった筆で画面をなでます。
    すると、筆に絵具がひっぱり込まれるので、
    上手くいきやすいです。

    特に紙の端は絵具が溜まりやすいので、
    ティッシュでぬぐった筆で
    軽くタッチすると余分な絵具が
    筆に吸収されてムラをなくせます。

     

     

    16、もう一度、刷毛で水を塗る
    この後、別の作業をしていたため、
    完全に紙が乾いてしまいました
    なので、もう一度、紙を濡らします
    濡れているところに
    絵具をにじませる垂らし込み
    (ウェットインウェットとも言う)を
    するからです。

     

    17、スパッタリング
    (筆を振ったりして絵具を飛ばす)
    カドミウムレッドオレンジ色を
    水で溶いて筆に含ませます。
    指ではじいたり、筆を振って
    紙に飛沫を飛ばしたります。

     

    18、完成
    初めての水張りにしては
    上手くいきました。
    これに、パステル画を
    描いていこうと思います。
    2度目の水塗りをせずに
    スパッタリングだけすれば、
    はっきりとした水彩の模様ができます。

    この水張り水彩色つけした
    パネルにパステルで雀を
    描いた記事はこちら

     

     

    波打ちを防ぐ方法

    水張りする

    板の上に湿った紙を
    ピンと貼り付けて乾かします。
    板と紙の間の空気を抜くこと
    ポイントです。

    他の方の動画ですが、
    水張りの詳しいやり方
    こちらが分かり易いです。

    【水張りのやり方】画用紙や水彩紙を簡単にパネル張りする方法を解説

     

     

    ブロックタイプのスケッチブックを使う

    スケッチブックの中でも
    綴じ方がブロックタイプを使うと、
    紙の波打ちが起きにくいです。

    ブロックタイプは
    紙の4辺全てが糊付けされて
    綴じられているので、
    水張りされた紙が既に
    用意されているようなものです。

    絵を描いた後、紙を剥がせば
    波打ちのない綺麗な状態のまま
    作品になります。

     

     

    ボードタイプの紙を使う

    ボード(イラストボード)は、
    厚紙や木製の板の上に
    紙を貼り付けてあります。
    寄せ書きの色紙のようなものです。

    これを使えば、
    紙の波打ちが起きにくいです。

    ボードには紙の種類様々あり、
    厚さも選べます。
    ちなみに、今回使ったのは
    1㎜厚のミューズ紙のボードでした。
    ただ、私が水を使い過ぎて
    少し波打ちが起こりました

    水彩を使ったパステルの下塗りには
    水彩紙か画用紙のボードが
    良いかと思います。

    水彩紙の中にも
    色々種類がありますので、
    詳しく知りたい方は
    下の記事をご覧ください。

     

    墨汁の垂らし込み

    水墨画のような背景を作る方法です。
    今回、鮮やかな花を描くのに
    使いました。
    水を使うので、あらかじめ
    水張り」しておきましょう。


    1、用意するもの

    ・B4サイズのキャンソン紙
    ・中目ボード1㎜厚
    墨汁
    ・固形の墨、硯(すずり)
     …濃い黒色にしたい場合

    ・お皿
    ・筆洗(水入れ)
    ・水彩用の刷毛
    と筆(習字用可)
    透明水彩絵の具又は不透明水彩絵の具
     …色を付けたい場合

     

    2、刷毛で水をボードに塗る
    刷毛に水を含ませ、
    先を筆洗の角で水を少ししごいてから
    ボードに満遍なく刷毛を滑らせます。

     

    3、墨汁を用意
    墨汁を絵皿に注ぎます。
    絵皿は硯、プラスチックなど何でもOK。
    片付けが簡単なものが良いかも、ですね。
    濃すぎるのように感じたので
    少しを足しました。

     

    4、もう一度、刷毛で水をボードに塗る
    ボードの紙が乾きすぎたので、
    もう一度刷毛でキャンソン紙に水を含ませます。

     

    5、スパッタリングで垂らし込み
    墨汁を含んだ筆を紙に
    振って飛ばしたり、
    を指ではじいたりして
    黒色を画面ににじませます。
    水墨画のようですね。

     

    6、流し
    ボードを傾けて
    墨を流して遊んでみました。

     

    7、水彩絵の具のスパッタリング
    同じ要領で、透明水彩絵の具を
    画面に散らします。
    色はバーントシェンナ
    イエローオーカーの混合色です。

     

    8、たらしこみ
    (ウィット・イン・ウェット)
    こういう墨や水彩をにじませる技法を
    たらしこみと呼ぶそうです。
    普通は、筆で色を直接紙に置いて
    にじませます。
    今回はスパッタリングという
    筆を振ったりして色を乗せる方法にしました。

     

    9、完成
    乾くと、こんな渋い感じになりました。
    ここからは、
    パステル画を描いていく予定です。

     

     

    背景色の選び方

    背景に使いやすい色は
    グレーアンバー(琥珀色)
    ベージュなどの中間色です。

    何故かというと、
    明るさ暗さの調節が簡単だからです。
    もし、1番明るい白い紙を使えば、
    白から黒までのすべての明るさを
    決めなくてはいけないので
    難しくなります。

    最初は、
    何にでも合わせやすいグレーから描く
    というのも1つの手です。
    アンバーやベージュなど
    台地の色っぽいものは
    風景画を描くのに向きます。

    これらの中間色を背景色にすると
    柔らかい、自然な雰囲気の絵に
    仕上がりやすいです。
    慣れてきたら
    反対の色(補色)に挑戦です。

     

    メモ:補色というのは
    色相環(しきそうかん)で
    反対に位置する色の組み合わせのこと
    です
    色相環とは、
    色味をドーナツ型で表した
    ものです。

     

    例えば、反対の色
    反対側のです
    反対の色を補色(ほしょく)と呼びます。
    赤の補色は緑、ってことですね。

    そして、
    補色や黒などを背景色に使うと
    強い印象の絵になりやすいです。
    ただし、気をつけないと、
    派手で毒々しく
    なってしまうかもしれません。

    描きたい絵の雰囲気に合わせて、
    背景色を使いこなせると
    いいですよね。

     

     

     

    まとめ

    ・紙の色=背景色で
     絵の雰囲気を左右する

    ・紙色の付け方の基本は
     ドライウォッシュ

    ・グレーなど中間色は
     無難で自然な雰囲気
     補色、黒などは強い雰囲気

     

     

     

     

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