お花の中で特に人気の高い薔薇。
花言葉は美しさや恋、
愛情に関するモノが多いんだとか。
色や本数別でも意味があるようです。
「白い薔薇」は「純潔」「深い尊敬」。
「青い薔薇」は「夢が叶う」「奇跡」。
「赤い薔薇」は
「あなたを愛しています」「愛情」「美」です。
今回は王道の「赤色のバラ」を
主にパステル色鉛筆で描きました。
バラを描く時の参考になれば幸いです。
目次(押すとその記事にジャンプします)
薔薇を描くのに使った画材・紙・その他の道具
使ったモノは次のとおりです。
使用画材
・スワンスタビロパステル色鉛筆カーブオテロ24色セット
↓は自作の
スタビロパステル色鉛筆カーブオテロの色番号色名表です。
公式な表ではありませんので、
ご注意ください。
良ければ参考程度にお使いくださいませ。
色番号と色名は分かりますが
一番左の欄の色見本は
実際の色とはかなり違うので
自分で表に色を塗るなどしないと
色味は分かりづらいかと思います。
何色セットにどの色があるのか分かるのが
メリットです。
・ハシソフトパステル48色セット
(↓画像は64色です)
使用した紙
・ワトソン水彩紙(ナチュラル色)
中目15枚つづりF4サイズ
ブロックタイプのスケッチブック
※ブロックタイプのスケッチブックから
紙をはずす方法は↓の動画をご覧ください。
その他の道具
・トレーシングペーパー
・マスキングテープ
・パステル専用フィキサチーフ
↓はホルベインのパステルフィキサチフ
・練消しゴム
・カッター又は茶こし(ダイソーの粉振るいでもOK)
・サッピツ又は綿棒
・手拭き用に不要な布又はティッシュ
薔薇の絵を描くために使った写真
今回は薔薇一凛だけを
光のシャボン玉の中に描きたかったので
自分で撮った薔薇の写真を
Photoshopで加工して使いました。
元の写真がこれ↓
Photoshopで画像加工した後がこれ↓
背景にフリー素材を合成しました。
薔薇の下絵+カラー写真+白黒写真の【PDFファイル】
↓薔薇の下絵をPDFファイルにしました。
それに加えて
加工したカラー写真と白黒写真も入れました。
良かったら印刷マークをクリックして
ダウンロードして使って下さい。
白黒写真は陰(かげ)を描く時に見ると
分かりやすいです。
下絵を作品の紙に写す方法(トレース)
上の下絵があっても、それを
作品の紙に書き写さなければ
下書きとして使えません。
そこで、転写(トレース)という方法で
書き写すことができます。
用意するのは
作品の紙、上のバラのカラー写真又は下絵、
トレーシングペーパーと濃い目の鉛筆、
マスキングテープ、それとボールペンです。
【トレース(転写)のやり方】
1
初めにカラー写真か下絵を
トレーシングペーパに書き写します。
簡単なのは下絵をトレーシングペーパーに
書き写す方法です。
(このすぐ上にカラー写真も下絵もあります。)
↓のように2枚をマスキングテープで固定し
鉛筆やサインペンなどで線を書き写します。
2
書き写せたら
トレーシングペーパーを裏返して
線の引いてある所だけを
濃い目の鉛筆で塗りつぶします。
3
トレーシングペーパーの表側が
作品の紙に重なるように
マスキングテープで上部を固定します。
4
トレーシングペーパーの上から
線の見えるところをボールペンで
なぞります。
直線は定規を使ってください。
円はフリーハンドで書きます。
この転写(トレース)方法は
↓の動画でも見ることができます。
イマイチよく分からないという方は
コチラをご覧ください。
実際にパステルで薔薇を描いてみよう
ここからは、実際の着彩の手順です。
番号の下の数字は
動画内の時間を示しています。
見たい場面があれば、
動画でその時間を見れば見つけやすいです。
薔薇をパステル色鉛筆で全部塗る
薔薇の花と茎、葉を
色をだいたい3色で塗り分けます。
各部分で明るい所、中間、暗い所の3色で
塗るってことです。
それから境目が分かるように塗り残しながら
綿棒でぼかします。
1
00:00:00,000 –> 00:00:09,133
薄紫色のパステル色鉛筆で
バラの花びらの濃い陰を塗っていきます
2
00:00:18,633 –> 00:00:27,766
ピンク色のパステル色鉛筆で
やや暗い陰を塗ります
3
00:00:45,500 –> 00:00:54,633
赤色のパステル色鉛筆で
花びらの残りの部分を全て塗ります
4
00:00:57,333 –> 00:01:06,466
次に緑色のパステル色鉛筆で
葉っぱと茎を塗っていきます
5
00:01:07,333 –> 00:01:16,466
青みがかった緑色のパステル色鉛筆で
葉っぱの濃い陰を塗ります
6
00:01:17,800 –> 00:01:31,633
後から見て
光と影が自分で見分けられるよう
大まかに塗る感じです
7
00:01:47,233 –> 00:01:58,833
赤色のパステル色鉛筆で
茎の一部やとげ・葉脈など線描きします
8
00:01:59,233 –> 00:02:11,933
ウグイス色のパステル色鉛筆で
葉っぱの陰以外の部分を塗ります
9
00:02:15,633 –> 00:02:20,099
綿棒で”茎と葉の緑色・バラの花びら”を
ぼかします
10
00:02:20,099 –> 00:02:26,766
花びらは形の変わり目が
なるべく分かるように残しながら
ぼかします
背景をソフトパステルで塗ってぼかす
薔薇の背景をソフトパステルで
大まかに塗って手でぼかします。
薔薇との境目は細かいので
綿棒でぼかします。
11
00:02:31,599 –> 00:02:41,099
背景の円を
薄い黄色のソフトパステルの側面を
紙に押し付けて塗ります
12
00:02:41,433 –> 00:02:45,233
ソフトパステルの側面を
押し付けて塗ることを
「平塗り」といいます
13
00:02:45,233 –> 00:02:54,733
白のソフトパステルで
薄い黄色の上に重ねて平塗りします
14
00:02:54,733 –> 00:02:58,833
全ての円を手の指でぼかします
15
00:03:00,233 –> 00:03:05,299
赤紫色のソフトパステルで
背景を平塗りします
16
00:03:11,833 –> 00:03:18,766
ピンクのソフトパステルでも
背景を平塗りします
17
00:03:20,133 –> 00:03:47,666
紫からピンクのソフトパステルで
”円の中心”を不規則に塗っていきます
18
00:03:48,299 –> 00:03:56,500
白のソフトパステルで
背景を直接重ね塗りします
19
00:03:56,500 –> 00:04:03,033
言い換えると
紫からピンクで塗った上に
白を直に重ねて塗ります
20
00:04:05,266 –> 00:04:11,366
今”白”で重ね塗りした上を指でぼかします
21
00:04:11,366 –> 00:04:22,000
境目の細かい所は綿棒でぼかすと便利です
22
00:04:25,666 –> 00:04:32,200
背景の円のはみ出た紫色を
布で拭き取って形を大まかに整えます
3色で塗り分けた薔薇の花を更に3色で塗り重ねる
最初に塗り分けた
明るい所・中間の所・暗い所を
更にパステル色鉛筆で重ね塗りします。
但し、最初に薔薇の花は
全て赤系で塗り分けましたが
今度は明るい所に黄色、
暗い所に紺色や青の
赤とは違う色を使います。
日中の屋外のモノは
明るい部分は黄色っぽく、
暗い部分は青くするのがコツです。
それから、また綿棒で細かくぼかします。
23
00:04:32,766 –> 00:04:37,433
黄色のパステル色鉛筆で
バラの花の明るい部分に重ね塗りします
24
00:04:37,433 –> 00:04:41,900
最初に赤色で塗った部分を目安にし
白黒写真を見ると分かりやすいです
25
00:04:44,200 –> 00:04:48,366
赤色のパステル色鉛筆で
バラの花全体に重ね塗りします
26
00:04:48,366 –> 00:04:53,333
軽いタッチで薄く塗り重ねています
27
00:04:54,566 –> 00:04:59,366
紺色のパステル色鉛筆で
花の中心部の濃い陰を慎重に描きます
28
00:04:59,366 –> 00:05:05,966
綿棒でバラの花びら全体をぼかします
29
00:05:05,966 –> 00:05:09,800
続けて花びらの陰を
青色のパステル色鉛筆で描き加えます
30
00:05:09,800 –> 00:05:13,966
この陰の色はよく観察して描きましょう
31
00:05:13,966 –> 00:05:18,100
消せるとはいえ
濃い色ほど修正するのは難しいからです
32
00:05:18,100 –> 00:05:21,500
綿棒でぼかします
薔薇の茎と葉も更に3色で塗り分ける
薔薇の茎と葉を「明・中間・暗」の緑色で
更に細かく塗ります。
既に薄くではあっても塗り分けているので
その上にはっきりと更に細かく塗り重ねて
描くという感じです。
やはり、明るい所は黄色っぽい緑色、
暗い所は青っぽい緑色を使うと
自然な感じになります。
33
00:05:24,100 –> 00:05:29,900
ウグイス色のパステル色鉛筆で
葉っぱの一部を描きこみます
34
00:05:30,600 –> 00:05:37,600
描くのは
葉の側面・葉の裏の陰・葉脈・茎です
35
00:06:02,366 –> 00:06:06,900
今塗った葉や茎の色を綿棒でぼかします
背景の光のシャボン玉の形を整える
背景の光のシャボン玉の円の形を
整えていきます。
大きく色を取り除くには布やティッシュで
細かく取り除くには、練消しゴムが活躍します。
36
00:06:07,866 –> 00:06:16,466
指に布を巻いて
背景の紫色を取り除き画面を明るくします
37
00:06:16,466 –> 00:06:23,233
大まかに布で色が取れたら
細部は練消しゴムを使います
38
00:06:23,233 –> 00:06:30,266
光のシャボン玉の円の形を
練消しゴムで整えていきます
薔薇の花の一番明るい部分を練りけしで消す
薔薇の花の一番明るく見える部分、
つまりハイライトを
練消しゴムの形を尖らせて
色を抜きます。
39
00:06:30,266 –> 00:06:37,733
ねじって尖らせた練消しゴムで
花びらの先端を消して明るくします
40
00:06:37,933 –> 00:06:42,266
練り消しを何度もねじって尖らせては
花びらの先端を線のように消す…
41
00:06:42,266 –> 00:06:47,066
練消しゴムはパステルと相性抜群です
42
00:06:47,966 –> 00:06:54,266
バラの葉っぱの特に明るい部分を
狙って消します
背景の光のシャボン玉を黄色を塗って柔らかい表情にする
薄い黄色のソフトパステルを
背景の円に塗って
暖かく柔らかい表情にしていきます。
43
00:06:57,633 –> 00:07:07,900
薄い黄色のソフトパステルで
背景の光のシャボン玉を塗っていきます
薔薇の葉・茎を細かく描く
薔薇の葉と茎を更に細かく
パステル色鉛筆で描き足します。
葉のぎざぎざや葉脈に赤色も混ぜて描きます。
44
00:07:11,500 –> 00:07:24,866
青緑色のパステル色鉛筆で
葉っぱの陰を塗ります
45
00:07:45,833 –> 00:07:54,966
赤みのオレンジ色のパステル色鉛筆で
葉や茎の一部を塗ります
46
00:07:57,333 –> 00:08:04,566
青緑・黄緑色のパステル色鉛筆で
葉や茎の明暗を描きこみます
47
00:08:04,566 –> 00:08:15,766
青緑で陰を描き
黄緑で明るみを描きましょう
48
00:08:22,333 –> 00:08:28,566
バラの葉周りは小刻みのギザギザにすると
雰囲気が出ます
49
00:08:42,800 –> 00:08:49,033
黄色のパステル色鉛筆で
黄緑よりも明るい部分を探して塗ります
背景の色を紫系を使って奥行を出す
紫のパステル色鉛筆と
淡い紫色のソフトパステルを
背景に塗りこみます。
同時にシャボン玉の形も整えます。
50
00:08:49,033 –> 00:08:54,766
濃い紫色のパステル色鉛筆で
背景全体を塗っていきます
51
00:08:54,766 –> 00:09:02,833
色鉛筆を横に寝かせて軽く持ち
手首を振って色付けします
52
00:09:18,500 –> 00:09:24,966
紫を塗ったら指でぼかして
紙になじませましょう
53
00:09:27,166 –> 00:09:31,866
同時に光の円の形も少し決めながら
描き進めます
54
00:09:31,866 –> 00:09:37,633
練消しゴムで光の円の形を整えたり
濃すぎる紫を取り除いたりします
55
00:09:43,566 –> 00:09:50,866
薄い紫のソフトパステルで
背景の紫の上に少量重ね塗りします
薔薇の「明・中間・暗」を強める→背景を「複雑な色にし形を整える」を繰り返す
今までもそうでしたが、
ここからは特に繰り返し作業に入ります。
薔薇は明るい黄色っぽい所、
中間の赤色、
暗い青っぽい所を
細かく、また色を強め、
背景は
紫や水色、黄色など色を複雑にしながら
シャボン玉の形を綺麗に整える作業を
繰り返します。
より細かくすると魅力的になりますが
やり過ぎると色が平坦になってしまいます。
56
00:09:59,766 –> 00:10:08,900
赤みのオレンジ色で
バラの花の全体を塗りつぶします
57
00:10:09,900 –> 00:10:17,833
ハイライト(一番明るい部分)や陰は
できるだけ残しておきます
58
00:10:32,500 –> 00:10:36,633
光の円の一部がバラの花のフチにかかって
見づらいので
59
00:10:36,633 –> 00:10:49,733
薄紫色・ピンクのパステルで背景を描き
バラの花から円を離します
60
00:10:52,833 –> 00:10:59,300
同じく薄紫のパステル色鉛筆で背景を塗り
円の形を整えます
62
00:11:00,066 –> 00:11:03,733
ピンクのソフトパステルで
円の堺の薄紫色に重ね塗りしてぼかします
63
00:11:05,100 –> 00:11:11,466
淡い黄色のソフトパステルで
円の部分に塗り足して
64
00:11:11,466 –> 00:11:20,033
画面全体の淡い光のシャボン玉の明るさを
調整していきます
65
00:11:33,300 –> 00:11:45,066
水色のパステル色鉛筆で
円の境目に少し色を足して変化をつけます
66
00:11:49,266 –> 00:11:55,333
白のソフトパステルで
背景の色に重ね塗りしてぼかし
67
00:11:55,333 –> 00:12:02,533
背景の色を滑らかにしています
68
00:12:03,800 –> 00:12:10,800
薄紫色のパステル色鉛筆で
細かく背景の円の形を整えていきます
69
00:12:28,066 –> 00:12:32,666
淡い黄色のソフトパステルで
円に色を足しています
70
00:12:38,133 –> 00:12:44,766
赤色のパステル色鉛筆で
更にバラの花の朱色を強めます
72
00:12:50,900 –> 00:12:57,166
強める部分は陰の部分です
73
00:12:59,633 –> 00:13:07,166
紺色のパステル色鉛筆で
一番濃い陰を探して塗ります
74
00:13:10,433 –> 00:13:23,266
赤色のパステル色鉛筆で
続けてバラの陰を塗っていきます
75
00:13:26,900 –> 00:13:36,033
ごく明るい部分を
クリーム色のパステル色鉛筆で
線描きします
76
00:13:38,733 –> 00:13:46,300
赤と赤みオレンジ色のパステル鉛筆で
陰と明るい部分とを描きます
77
00:13:46,300 –> 00:13:57,866
赤色は陰を
赤みオレンジは明るい部分を塗ります
↓の2枚の写真はどちらも赤色で
1400-325/カーマインレッドディープです。
赤みオレンジは
1400-305/バーミリオンレッドトーンを
使っています。
78
00:14:11,066 –> 00:14:17,133
青のパステル色鉛筆で花びらの側面の陰を
ごくわずかに線描きします
79
00:14:18,566 –> 00:14:28,566
白のパステル色鉛筆で
ハイライト(一番明るい部分)を
線描きします
80
00:14:29,333 –> 00:14:38,466
青色の重ね塗りは
少し暗めの陰を作るのに向いています
81
00:14:42,600 –> 00:14:46,200
ぼかし具合を少な目に綿棒でぼかします
82
00:14:46,200 –> 00:14:55,333
赤色で
バラの花の陰の部分を調節しています
83
00:14:56,833 –> 00:15:05,966
薄紫色のパステル色鉛筆で
背景の気になる所の形を整えます
84
00:15:07,566 –> 00:15:10,866
仕上げの段階に入っています
85
00:15:10,866 –> 00:15:16,700
細かい部分の陰を描き加えたり
86
00:15:16,800 –> 00:15:25,933
明るさを足して明暗の調整をしていきます
マスキングテープを剥がし、パステル専用フィキサチーフをかける
遠目に見て、
自分で良いと思ったところで
絵を描くのを辞めます。
そして、マスキングテープを
丁寧に剥がします。
粘着力を弱めて貼ってあるとは言え、
作品の紙が剥がれることもあります(泣
最後に
パステルフィキサチフを
スプレーして完成です。
87
00:16:27,533 –> 00:16:32,133
この辺りで良いというところで
マスキングテープを剥がします
88
00:16:32,133 –> 00:16:36,100
周りの紙の汚れを
練消しゴムで叩いて取り除きます
89
00:16:36,100 –> 00:16:38,933
ここからは好みで描き足してくださいね
90
00:16:38,933 –> 00:16:41,566
ピンクと薄紫色のパステル色鉛筆で
画面外に光の円を一部描き足します
91
00:16:46,833 –> 00:16:49,733
淡い黄色のソフトパステルも
画面外に少しだけ塗ってぼかします
92
00:16:51,866 –> 00:16:56,466
あとは形を整えるために
描き加えたりするだけです
93
00:16:57,800 –> 00:17:02,400
パステルフィキサチーフをかけて完成です
↓完成作品
・スワンスタビロパステル色鉛筆カーブオテロ24色セット
・ハシソフトパステル48色セット
・ワトソン水彩紙(ナチュラル色)中目15枚綴りF4ブロックタイプのスケッチブック
・トレーシングペーパー・マスキングテープ・パステル専用フィキサチーフ
・練消しゴム・カッター又は茶こし(ダイソーの粉振るいでもOK)・サッピツ又は綿棒
・手拭き用に不要な布又はティッシュ