アートを愛する人は、
なぜか猫も愛する人が多いようですね。
あなたは、いかがですか。
その猫が人間ぽくなったら
どんな感じでしょうか。
今回は擬人化のコツと実際の描き方の手順を
ご紹介します。
是非、楽しんでいってください。
目次(押すとその記事にジャンプします)
擬人化とは
擬人化とは、人以外のものを人に見立てて
その性質や特徴を人と同じような姿にして
表現することです。
例えば動物や物、概念などでも
擬人化することができます。
代表的なものは動物ですが、
食べ物や文房具、都道府県や道路などでも
擬人化することができます。
擬人化の由来は世界中で古くからあって
神様がその代表のようです。
多くの人がその姿を想像していくうちに
共通認識の姿になっていったと
考えられているようです。
面白いですね。
擬人化のコツ(例・動物)
擬人化して描くのは
難しいと思っているあなた。
擬人化といっても
過程を分けて順番にやればよいだけなので
誰でもできることなんです。
ということで、擬人化のコツ3つを
簡単にあげてみました。
また、今回の擬人化の対象は
動物で「猫」にしました。
動物以外の擬人化でも、同じように
考えてみてください。
1、動物の特徴をおおげさに描く
これは描く動物の持っている”目立つ特徴”を
おおげさに描くということです。
おおげさ具合によって、
リアルっぽいか空想的かも
変わってくると思います。
おおげさにするほど
更に空想的な表現になります。
特徴は、言い換えると
その動物の魅力だと感じるところ
あなたが可愛い、好きと思うところを
思いつくまま紙に書き出してみて下さい。
その部分を絵の中で”おおげさ”に描きます。
猫の擬人化の場合だと、例えば…
つりあがった目
大きな三角の耳
長く細いしっぽ
柔らかな体の曲線
小さい口
ぴくぴく動くお髭など・・・。
が魅力的でしょうか。
これらをおおげさに描きこみます。
2、動物の特徴(魅力)から性別、性格、衣装などを連想する
次に、先の1で語ったような特徴から
自由に想像して性別、性格、衣装などを
考えます。
その動物の印象から象徴的な色も
決めてしまいましょう。
その象徴的な色を
衣装の色や背景の色として
使うといいです。
ここで言う「色」は「猫の体の色」
という意味ではありません。
体にそのものズバリの色を使うと
アニメの動物のようになると思います。
今回の猫の擬人化の場合だと
↓の猫の写真では
青い目と高貴そうな雰囲気を感じました。
そこから想像して、
男性で紳士的な落ち着いた性格
17世紀イギリスの衣装
男性的な都会的なイメージから
全体的雰囲気の色は青としました。
今回の猫の写真は↓を使いました。
衣装はこちら↓の写真を使いました。
もし、別の猫の写真なら
また別の想像もできたはずです。
例えば↓のような感じで。
【猫擬人化の想像例】
(猫の印象)
→(色)(性別)(性格)(衣装)
(職業など)
例その1:(可愛く幼い印象)
→(ピンク)(女の子)(優しい性格)
(フリルの付いたピンクワンピースに白いスニーカー)
例その2:(情熱的、活動的な印象)
→(赤)(女性)(さっぱりした性格)
(白のノーカラー(襟なし)ブラウスに
赤茶色のテーパードパンツ、赤い靴)
(キャリアウーマン)
例その3:(さわやか、平和的な印象)
→(緑)(青年)(温和なおっとりした性格)
(緑色のエプロン)(カフェの店員)
3、動物を単純化して描く
擬人化に限らず、絵を描くことは
少なからず単純化をしています。
単純化とは
複雑な形を簡単な形に置き換える
ということです。
細部は後で描けばよいので、
まずは動物の形を
〇△□のような単純な形にして
画面にちゃんと入るかなどを
先に考えておきましょう。
小さい紙にササっと単純な形で
落書きのようなメモをしてから
本格的な紙に描くのがおススメです。
後で修正する回数がかなり減ると思います。
用意するもの(3頭身猫擬人化編)
ここからは、実際に使った画材や資料を
紹介します。
お手持ちに画材がある場合は
そちらを使ってください。
・猫のフリー画像
猫の画像PDFファイル
・衣装の画像
英国衣装1760年ごろ画像(PDFファイル)
・背景の画像(※必要な場合)
フリー画像で探しましょう。
おススメは→pixabay(ピクサベイ)
・B以上濃いめの鉛筆
・練消しゴム
・ソフトパステル
「ハシ(HASHI)ソフトパステル48色」
使用。色番号、色名なし。
※ハシソフトパステルの
リンクを貼っておきます。
↓のURLは都合上、
短い長さの64色セットです。
・パステルペンシル又は色鉛筆
今回使ったのは、
スワンスタビロ社のカーブオテロ24色セット
というパステルペンシルです。
色番号、色名あり。
水彩色鉛筆としても使えます。
商品名はスタビロの水彩色鉛筆と
されていることが多いです。
パステルペンシルがない場合は、
一般的に色鉛筆といわれる油性の色鉛筆も
代用できます。
・画用紙などの紙
マルマンのスケッチブック画用紙
図案シリーズB4くらい(352×251mm)
・茶こし又はカッター
・マスキングテープ又はドラフティングテープ
画材店以外にホームセンターでも手に入ります。
ドラフティングテープは製図用の紙のテープで
マスキングテープよりも粘着力が少ないです。
・トレーシングペーパー
薄く半透明な紙です。
紙にパステルを定着させて
保護するためのスプレー缶です。
簡単に描く場合
は
ホルベイン制フィキサチフが便利です。
売られていますので、
お試しには小さいスプレー缶から
使ってみるのもいいかもしれませんね。使い方は、紙を立てて
スプレー缶は紙から30センチほど放して
優しく吹き付けます。
猫を人間ぽく描く手順①~⑨
描くのに必要なモノが用意できたところで
早速描く手順を紹介します。
①猫の画像を用意する
②猫の顔や雰囲気にあった衣装の画像を
用意する
(背景も描く場合は、背景の画像も用意)
③猫のポーズと何頭身で描くか決める
④小さい紙に
簡単な絵のアイディアスケッチをする
⑤作品と同じサイズの紙に
ラフスケッチを描く
⑥画用紙にラフスケッチを
描き写し(トレース)する
⑦ソフトパステルで全体に色を塗る
⑧細部をパステルペンシルで描きこむ
⑨完成!
※④と⑤の工程はデッサン力のある人は
飛ばし⑥の代わりに画用紙に直接下書きする
これだけでは、
何のことか分からないと思いますので
早速、実際に描くパートに入っていきましょう。
実際に猫を人間ぽく描いてみよう(3頭身猫擬人化編)
↑動画でも描き方解説しています。
動画の内容は、このブログでの説明と
基本的に同じですが、
画像の用意やメモ書きなどの工程は
ブログだけで説明しています。
それでは、実際に
”3頭身の猫”の擬人化をしてみましょう。
①猫の画像を用意する
まずは、描く対象の猫の画像を用意します。
自分で撮った猫ちゃんの写真があれば、
それが良いですね。
または、フリー画像サイトから、
気に入った猫の画像を
ダウンロードして下さい。
フリー画像のサイトのおススメはこちら
今回使った猫ちゃんの画像はこちら
②猫の顔や雰囲気にあった衣装の画像を用意する
次に、選んだ猫の顔や雰囲気に合う
人間の服の画像を選び出します。
猫ちゃんのイメージはどんな風ですか?
高貴なのか親しみやすいのか
可愛らしいのか、ちょっとおバカなのか。
色々と感じるところがあると思います。
時代も現代にする必要はありませんよね。
自分の好きに設定できます。
衣装もフリー画像を選びます。
又は、美術館や博物館が公開している
パブリック・ドメイン(著作権フリーで
誰でも使える状態)の画像を
ダウンロードして
参考にするのもいいですね。
パブリック・ドメインについては
こちらのサイトが詳しいので
添付しておきます。
ただし、パブリック・ドメインの画像は
著作権フリーではありますが
誹謗中傷や名誉を傷つけるような意味合いで
使うと訴えられることもあるようです。
当たり前ですが、
念のため気に留めておいて下さい。
また、今回は背景は省きますが、
背景も描きたい場合は
衣装を探すとき一緒に
画像を探しておきましょう。
今回の猫の衣装は
1760年代のイギリスの衣装で
パブリック・ドメインの衣装画像を使っています。
使った衣装の画像はこちら。
③猫のポーズと何頭身で描くか決める
次は、猫のポーズ(姿勢)と
何頭身の背丈にするかを決めます。
●猫のポーズについてどうするか。
ポーズは
対象全体が見える場合は
絵の中の動きや
雰囲気を演出するので大切です。
今回の猫の雰囲気は、高貴な感じなので
紳士的なおとなしめのポーズにしました。
衣装の画像がちょうど良いポーズなので
このまま使いました。
●猫を何頭身の身長にするか。
猫の頭身は正確には分かりませんが、
だいたい5頭身くらいに見えます。
伸びると6頭身くらいでしょうか。
(猫の頭身は私個人の見立てです。)
日本人の成人平均頭身が
7.2~7.3頭身らしいです。
ただ、猫を擬人化する場合に
人間の頭身そのまま猫に当てはめて
7頭身くらいに描くと
ちょっと怖い印象になりがちです。
なので、2頭身から5頭身くらいまでに
縮めて描くのがおススメです。
可愛くしてごまかす感じですかね(笑
頭身が低いほど
より可愛らしく、描くのは簡単になります。
頭身が高いほどリアルでカッコよくなり
描くのはやや難しくなります。
今回は、メインとして3頭身で描き7頭身は
比較の参考として描くことにしました。
↓猫の手が写りこんでますね。すみません。
7頭身がお気に召したようです。
④小さい紙に簡単な絵のアイディアスケッチをする
①から③の準備ができたら、
すぐにでも描きたいですよね。
でも、作品を画用紙に描くまえに
お勧めしたいことがあります。
それは、小さい紙に
簡単なアイディアスケッチをすることです。
アイディアなので、
綺麗に細かく描く必要はないです。
簡単なメモ書きでよいので
紙に走り書きします。
〇、△、□のような単純な形で
何頭身かの猫ちゃんを
ポーズをとらせて描くということです。
↓こんな感じです。
紙のどの辺りに猫ちゃんが配置されるか
など、この小さいスケッチで試せることは
多いです。
良い点は、失敗しても
小さいスケッチなので
ダメージが少ないことです。
捨てればいいだけですから。
ここで何枚か書いて気に入ったものを
本番に使いましょう。
⑤作品と同じサイズの紙にラフスケッチを描く
④で小さいメモ書きをしました。でも、
デッサン力がないから描くの自信ないよ。
こう思う人は
作品用の紙と同じサイズくらいの紙に
下書きに近いくらいまで描く
のはどうでしょう?
やり方は、下の◆ラフスケッチのやり方を
見てくださいね。
今回、私は作品制作前に鉛筆で2枚、
A4サイズのコピー用紙に
下書きと同程度にスケッチしてみました。
顔の表情がなかなか決まらなかったので
この段階で決めておいて良かったです。
デッサン力に自信のある人は、
この⑤と次の⑥の過程は飛ばして
直接、画用紙にパステルペンシルなどで
手書きの下書きをして下さい。
◆ラフスケッチのやり方
1、小さいメモ書きと同じように、
作品と同サイズの紙に線描きする。
〇△□のような単純な形で書くだけ。
横の平行線は
頭身の大体の目安にするために引いています。
2、〇△□の単純な形の線を少しずつ
丸みのある猫の形に添った形を探して
短い線をたくさん線をひく。
この形の線が正しいと思う線だけを残して
少しずつ要らない線は消しゴムで消していく。
(下の画像は見やすいように
汚い線は残していないので、
もっと線だらけになると思います。)
3、最初の〇△□の線や平行線の目安線を
消しゴムで消す。
(ここでは、参考にために残しています。)
4、細かく描きこみする。
5、更に描きこみして頭の中のイメージに
近いところまで描けたら
ラフスケッチの完成。
影も少し描いておくと
後で色を付ける時にやりやすくなります。
⑥画用紙にラフスケッチを描き写し(トレース)する
ラフスケッチができたら、
画用紙にそっくりそのまま描き写します。
この描き写しを”トレース”と呼びます。
コピー用紙に描いた3頭身の猫ちゃんを
トレーシングペーパーにトレースします。
使ったのはピグマの3ミリペンです。
このペンは撮影で分かりやすくするために
使いましたので、普通の鉛筆で大丈夫です。
ただ、Bとか2B以上の
濃い色の鉛筆を使ってください。
書き終わったら
マスキングテープを剥がします。
次に、トレーシングペーパーを裏返して
濃いめの鉛筆で塗りつぶしていきます。
そして、
画用紙の上にトレーシングペーパーを重ねて
上から線をなぞって書き写していきます。
マスキングテープ2か所を
そのまま上で画用紙に貼り付けて
固定しておくとずれずに書き写しできます。
カーボン用紙みたいな感じですね。
画用紙にトレースできたら
トレーシングペーパーを剝がします。
次に
物差しで猫の周りに4辺の枠線を引きます。
その枠線に沿って、
マスキングテープを貼り付けます。
これで、粉が飛び散るのを防いでくれます。
⑦ソフトパステルで全体に色を塗る
次に、ソフトパステルを削って
ふんわりと色を付けていきます。
茶こしやカッターで
ソフトパステルを削って
指でぼかしていきます。
ソフトパステルの代わりに、
ハードパステルを使うこともできます。
ここから絵に色をつける「着彩」に入ります。
※使ったのは、
ハシ(HASHI)ソフトパステル48色です。
色番号も特にないので
画像で色は確認してみてください。
最初の色付では
うっすらと色を塗って行きます。
薄く塗ったら綿棒や指でぼかしていく
といった感じですね。
水色で猫の服の影を
うっすらと描いて綿棒でぼかします。
ボタンのような細かいものは特に、
色を塗るうちに、だんだん消えてしまって
位置がわからなってしまいます。
そのため、消える前に濃い目の茶色で
描いておきます。
服の装飾、金色の刺繍の部分を
黄色で塗っていきます。
明るい黄色は
光が当たっている方向に塗ります。
この場合は左側ですね。
反対の右側が影になりますので
暗めの黄色を塗ります。
次。猫ちゃんの顔の部分としっぽを
こげ茶っぽい濃い色で塗りますが
濃い色はこんな感じで広がりやすいです。
なので、
濃い色は少なめに色を置いてぼかすと
ちょうど良い濃さになります。
最初は薄く色を置いていく感じで
塗っていくと、
後々描きやすいと思います。
服の青い部分についても
影の暗い部分と
日の当たっている明るい部分で
ざっくりと分けて塗ります。
この猫ちゃんの場合でしたら
左側から光が当たっている設定です。
資料に使っている服の写真は撮影上、
両方から光が当たっていることがあります。
こういう場合は、どちらかの光だけを
使うように設定しないと
おかしな絵になってしまいます。
ここも塗れたら、綿棒でぼかしていきます。
顔周りも
煉瓦色(レンガ色)みたいな茶色で
柔らかく塗りぼかしていきます。
次は背景です。
影の部分に薄くグレーを塗っていきます。
最初は大体でいいので
全体に色を付けていきます。
この背景のように
広い部分を同じ色で塗れる場合は
パステルを粉状に削って
色を付けることができます。
背景を青くするため、
茶こしで青系の色3種類を粉状にします。
白も混ぜておくと発色が良くなります。
背景の中でも
猫ちゃんの周りは白で明るくします。
これは猫ちゃんが背景にまぎれて
分かりづらくならないようにするためです。
また、直接白を上から重ね描きしても
柔らかく発色よくぼかすことができます。
ぼかしていくうちに
影が消えてしまったので
青緑のような色で
猫ちゃんの影を再び塗り重ねています。
ぼかしては、
また上から描いてぼかすの繰り返しです。
だいたい背景の色が整ってきたので
ぼかすのは少なめにして
質感を表す塗り方に切り替えます。
やり方なんですが、
パステルを軽く羽のように持って
側面を紙に滑らす感じです。
手でぼかすのも最低限にしています。
⑧細部をパステルペンシルで描きこむ
全体的に
ソフトパステルで色を塗れたら
細かいところをパステルペンシルで
描きこんでいきます。
毛の一本一本を描きこんだり
目のふちを描きこんだりと
微妙なニュアンスを描くと
雰囲気がでてきます。
パステルペンシルの代わりに
色鉛筆を使うこともできます。
全体的に色が塗れたので、
ここからはパステルペンシルを使って
細かく書いていきます
使っているのは、
スワンスタビロ社のカーブオテロという
パステルペンシル24色セットです。
色番号、色名ともありますので
解説していきます。
水色(シアンブルー1400-450)で
猫ちゃんの目、白のブラウスと
スニーカーの影の部分を
鉛筆を立てて細い線描で描いていきます。
こげ茶(ビスター1400-635)で
顔の細かい部分の目、鼻、口を
注意しながら描きます。
青色(ウルトラマリンブルー1400-405)で
目の中や白いブラウスの濃い影を
部分的に描いていきます。
黄土色(ゴールデンオーカー1400-690)で
猫の顔の輪郭線を描きます。
顔の毛流れを
(ナチュラルブラック1400-750)で
細かく描いていきます。
ここら辺は、表情で目立つところなので
慎重に描きます。
てんてんてんと
点描に近い短い線で描く感じです。
尻尾も毛流れに沿って
短いリズムで細く描きます。
服の刺繍の影もまた
こげ茶色(ビスター1400-635)で
細かく描いていきます。
このあたりから、もう
仕上げの段階に入っています。
背景の部分に表情をつけるために
細い平行線を縦、横、斜めというふうに
パステルペンシルで線描きしていきます。
こういう描き方は
ハッチングという風に呼ばれたりします。
ここでは背景の外側は
濃い青色(プルシアンブルー1400-390)で
ハッチングしています。
猫ちゃんに近い白いところは
水色(シアンブルー1400-450)で
鉛筆を寝かせて、ほとんどこするようにして
軽いタッチで塗っていきます。
この水色を塗るのは
白と周りの青との境目をつなげて
グラデーションを作るためです。
もうあとは気に入るまで細かく描いて
調整していきます。
目の部分の光の白は、
パステルの白で塗るよりも
練り消しゴムの先を細くして叩いた方が
綺麗に抜けるのでやってみて下さい。
顔の毛流れの表情は
そのまま触らずにおいてもいいし
綿棒でぼかして
柔らかい表情にすることもできます。
もし、毛流れをそのまま触らずにおくと
↓こんな感じです。
黄土色(ゴールデンオーカー1400-690)で
顔の側面や服の黄色の影の部分を
塗り足していきます。
服の明るい部分を表現するのに
練り消しゴムで抜いていきます。
練り消しゴムの先端を
クルクルとねじって細くしてから
先を、色を抜きたい場所に触れさせて
そっと叩くようにしていきます。
ヒゲの部分も練り消しゴムで
スッと横に滑らすようにして色を抜きます。
⑨完成
全体的に見て、違和感がないでしょうか。
遠くからみて、これでいいなと思ったら
マスキングテープを剥がします。
多少、パステルの粉が飛び散っているので
練り消しゴムで汚れを取り除きます。
完成です!
次は、3頭身猫ちゃんとの比較で
7頭身猫を描いていきます。
用意するもの(7頭身猫擬人化編)
7頭身猫と3頭身猫で用意するモノは、
1つを除いてほぼ同じです。
ただ、パステルペンシルの代わりに
トンボ鉛筆 色鉛筆 色辞典 第一集 30色 CI-RTA
という油性の色鉛筆を使っています。
「トンボ色鉛筆 の色辞典」と「スタビロのカーブオテロ」との違い
トンボの色辞典は、
いつも使っているスワンスタビロ社の
”カーブオテロ24色セット”と比べると
パステルの上に重ねた時の
発色の良さは劣ります。
とは言え、何といってもお手頃で色数が多く
精密に描くには良いと思います。
描き味は、カーブオテロに比べて
芯が固くスルスルと描けるという印象です。
一方、パステルペンシルのカーブオテロは
水性、つまり水に溶けるパステル色鉛筆で
描き味は、カサカサとしています。
芯が色辞典に比べると
ほんの少し柔らかいです。
あくまで色辞典に比べた時の主観です。
そして、
やはりパステルペンシルの芯なので
ピンピンに先を尖らすのは難しい色もあり
(特に明るい色は柔らかい)
精密に描くのは
色辞典に及ばないかもしれません。
カーブオテロの良い点は、
パステルとの相性がよく
重ね書きするとはっきり発色してくれます。
特に明るい色で重ねた時に
その違いが分かりやすいと思います。
トンボ鉛筆色鉛筆色辞典第1集30色CI-RTAの
堅め芯と自然な色味が好き!という人は、
他の色セットがあと3つあります。
第2集と第3集と36色セレクトセットです。
よかったらチェックしてください。
色辞典は
買って開封してすぐの状態では、
この色鉛筆の先は少しだけ削った状態です。
私は、描く前に
手持ちの色鉛筆用鉛筆削りで
先をピンと尖らせてから使いました。
実際に猫を人間ぽく描いてみよう(7頭身猫擬人化編)①~④は共通
3頭身擬人化猫の描き方と同じ要領で
7頭身の擬人化した猫も描いてみました。
描き方は3頭身擬人化猫ちゃんと
ほぼ同じです。
①~④までは全く同じなので
実際の描き方の詳細は省略します。
【3頭身猫擬人化と7頭身猫擬人化描き方共通部分】
①猫の画像を用意する
②猫の顔や雰囲気にあった衣装の画像を用意する
(背景も描く場合は、背景の画像も用意)
③猫のポーズと何頭身で描くか決める
④小さい紙に簡単な絵のアイディアスケッチをする
⑤作品と同じサイズの紙にラフスケッチを描く(7頭身編)
デッサン力に自信がある人は
この⑤と⑥の過程は飛ばしてください。
その場合は、直接画用紙に
パステル鉛筆などで下書きして下さい。
1、小さいメモ書きと同じように、
作品と同サイズの紙に線描きする。
〇△□のような単純な形で書くだけ。
縦線は地面から垂直になるように1本、
横の平行線は、
7頭身の大体の目安にするために
8本引いています。
2、〇△□の単純な形の線を少しずつ
丸みのある猫の形に添った形を探して
短い線をたくさん線をひく。
この形の線が正しいと思う線だけを残して
少しずつ不要な線は消しゴムで消していく。
(下の画像は見やすいように
汚い線は残していないので、
もっと線だらけになると思います。)
3、最初の〇△□の線や平行線の目安線を
消しゴムで消す。
(ここでは、参考にために残しています。)
4、細かく描きこみする。
5、更に描きこみして、
頭の中のイメージに近いところまで
描けたらラフスケッチの完成。
影も少し描いておくと
後で色を付ける時にやりやすくなります。
⑥画用紙にラフスケッチを描き写し(トレース)する(7頭身編)
ラフスケッチの上に
トレーシングペーパーを貼って
鉛筆などで書き写します。
写せたら
トレーシングペーパーを剥がします。
トレーシングペーパーを裏返して
B以上の濃さの鉛筆で塗りつぶしましょう。
塗れたら、マスキングテープで
トレーシングペーパーを
画用紙に軽く貼り付けます。
見えてる線を赤鉛筆でなぞっていきます。
普通の鉛筆やボールペンなどでもよいです。
ただ、色がついていた方が
どこまでなぞったか分かりやすいです。
終わったら
トレーシングペーパーを剥がします。
定規で、猫の周りに
縦の長方形4辺の直線をひきます。
その線に沿って
マスキングテープを貼り付けます。
⑦ソフトパステルで全体に色を塗る(7頭身編)
淡い青で、
白いブラウスの影と靴を線描きします。
白を重ねてから綿棒でぼかします。
淡い黄色で、顔の輪郭を
形が分かる程度に塗って綿棒でぼかします。
同じ淡い黄色で
服の金色の装飾部分を塗り、ぼかします。
こげ茶色で刺繍の形に沿って線を描き
また刺繍部分の影も大雑把に描きます。
明るい黄色を重ねて綿棒でぼかします。
こげ茶色で顔の中心部分と尻尾に
軽く色を乗せてぼかします。
明るい黄色でズボンの裾を塗り
深いウグイス色で
その裾の影を線描きします。
青緑で服の日の当たっている左側面を
塗っていきます。
濃い青で服の影の部分、
ここでは右側を塗っています。
ズボンも同じように青緑と濃い青で
明暗を塗り分けます。
綿棒で青い服全体をぼかします。
淡いレンガ色で顔の側面を
塗り足して、ぼかします。
同じ色淡いレンガ色を
尻尾にも少し塗り足してぼかします。
先ほど服の影に使った濃い青色と
更に濃い青色を茶こしで
背景部分の画用紙の上に振りまきます。
手でこすって
背景全体が青色になるようにします。
猫の周りは白っぽくして
猫が浮き上がるようにしたいので
グレーと白を外側から順番に
茶こしで粉末状にして振りまきます。
手でぼかしたら、画用紙を立てて
パステルの粉を落としておきます。
暗めの黄色と深いウグイス色で
服の裏地を塗ってぼかします。
奥行きを出すために、少し暗めのグレーで
背景の暗い部分と床との境目を描きます。
パステルは横に寝かせて
人差し指と親指で軽く持ち、
画用紙に滑らすようにします。
猫の影も同じ色で塗っておきます。
青系のパステルで背景を塗っていきます。
パステルの側面で塗る塗り方(平塗り)で
縦、横、斜めという風に塗っていきます。
また、手でぼかします。
外側にいくほど、
暗めの青で塗ってぼかします。
全体の色の濃淡に合わせて、
猫の影も暗めの青で塗ってぼかします。
服の色もやはり濃淡をつけるために
暗めの青で影部分(右側)を
塗っていきます。最初の方で塗った影部分に
重ねるような感じです。
また、綿棒で明るい部分との境目を中心に
軽くぼかします。
黒に近い一番暗いグレーで
尻尾の影と顔の輪郭、影を描きます。
パステルは立てて角の部分を使います。
右から3番目の暗い赤で
耳の中を少し塗ってぼかします。
白で床の明るさを足します。
自然に奥行きがでるように青を塗ります。
塗るところは、
背景ではっきりと分かれている床と
正面奥と境目の暗い部分です。
手でぼかしましょう。
左から2番目の淡い青で
白いブラウスの袖のレースの影を
描き足します。
同じ色淡い青で白い靴の影も描き足します。
全体的に少し暗すぎる気がするので
綿の布で画面のパステルの粉を拭き取ります。
指に布を巻きつけてからやると
やりやすいです。
“脱脂綿”や”柔らかい筆”なども
代用できます。
⑧細部をパステルペンシルで描きこむ(7頭身編)
ここからは、
トンボの「色辞典」という色鉛筆を使って
細かい部分を描き込みしていきます。
手で画面を汚してしまわないように、
トレーシングペーパーを手の下に敷きながら
描いていきましょう。
P-8忘れな草色で
目の中を力を入れないようにしながら
塗ります。
P-9紫根(しこん)で
黒目と目のふちを探りながら
薄く描きます。
Vー10黒で目のふち、鼻筋、耳の 輪郭、
口、頭の輪郭を、様子を見ながら
少しずつ描き進めていきます。
D-8青褐(あおかち)で
顔の中央部分の暗い部分の毛流れを
ごく短い線書きをしていきます。
D-1臙脂色(えんじいろ)で
顔の側面の毛流れを描き足します。
Vー7川蝉色(かわせみいろ)で
青い目を塗ります。
Pー7アクアで
白いブラウスのネクタイと
白い靴の輪郭や影の細部を描きこみします。
Vー6ピーコックブルーで
青い服の明暗の境目や
白いブラウスの袖(そで)やネクタイ
白い靴の細かい部分を描きこみします。
D-3枯葉色で服のボタンを楕円で全部
描きこみます。
次に、練消しゴムを細くねじって
猫の顔の明るくしたい部分を叩いて
色抜きします。
また、練り消しゴムで
背景の左から光で明るくなっている床や
暗くなり過ぎている猫の周りも
白抜きしていきます。
トレーシングペーパーを画用紙に当てて
Vー10黒で顔の中心部分の黒い毛流れや
顔の輪郭をはっきりさせていきます。
更に、黒で他の輪郭線も
ところどころ描きこみして
形をはっきりさせていきます。
尻尾の毛流れも黒で描きこみしました。
P-9紫根(しこん)で
ボタンの影を三日月のような形の線で
描きこみします。
また、同じ色P-9紫根(しこん)で
金色の刺繍の輪郭の
描きこみもしていきます。
P-8忘れな草色で
青い目の中を塗り足します。
再びVー10黒で目のふち、特に
頭の輪郭をはっきりさせています。
練消しゴムで
顔や服、靴の明るくしたい部分の色を
抜いていきます。
D-7千歳(ちとせ)緑で
ベストの金色の刺繍の部分に
斜め線を引いて影を表現します。
再び、練消しゴムで
気になる部分の色を抜いていきます。
Pー5若菜色で
床の左から光が当たっている部分に
マンガの集中線のような長い斜め線を
猫に向かって引いていきます。
Pー6薄浅葱(うすあさぎ)で
先と同じ部分
床の左から光が当たっている部分に
線描き重ねます。
同じ色、薄浅葱(うすあさぎ)で
猫の周りの
”白”と白の外側の”水色”との境目にかけて
塗ります。少しずつ色が変わっているように
見えるように色を塗り足します。
Pー4水仙で
床の左から光が当たっている部分に
漫画の集中線のような長い斜め線を
猫に向かって引いていきます。
最後の練り消しゴム調整の白抜きをします。
⑨完成!(7頭身編)
全体的に見て、これでいいなと思ったら
マスキングテープを剥がします。
紙に汚れがあれば
練り消しゴムで叩くようにして
汚れを拭き取ります。
髭を描き忘れていました!
Vー10黒で細心の注意を払いながら
スッと力を抜くような感じで髭を描きます。
ホルベインのパステルフィキサチーフを
紙面にスプレーして完成です!
まとめ
お疲れさま。
ここまでの長文を読んでくれた彼方、
ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
もちろん私なりの猫の擬人化の描き方なので
人によって
ベストなやり方は
違ってくると思います。
アニメーションぽい描き方以外には
あまり擬人化の描き方が
ネット上になかったで参考になれば幸いです。
【要点】をまとめてみました。
是非、擬人化に挑戦してみてください。
・猫の擬人化の下準備 (フリー画像(猫、衣装、必要なら背景)の用意、何頭身+ポーズの決定、小さいメモ書き、必要なら作品と同サイズの紙にラフスケッチ)
・パステル着彩ポイント (最初はソフトパステルで薄く大まかに塗る→後からパステル鉛筆で細かく線描きする)
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