見上げれば青空に広がる白い雲…。
雲って水滴や氷の塊らしいですが。
流れる雲を見ていると、癒されますよね~。
そんな青い空と雲は
風景画でもよく使われています。
何となく描けば
何となくまとまる感じはするのですが…。
締まらない変な空になってしまったり(泣
そこで!今回は
3種類の雲を描くコツをまとめてみました。
パステル以外の画材を使う人でも、
基本的な考え方は同じです。
良かったらチェックしてみて下さいね。
目次(押すとその記事にジャンプします)
【普通の雲(積雲)の描き方のコツ】
良く見かける”普通の雲”は
「積雲」と呼ぶそうです。
綿菓子のようなふわふわのこの雲を
自然に見せるにはどうしたら良いでしょうか。
ポイント1)雲の形と大きさ
雲の形を自然に見せるには、
不規則で柔らかい輪郭にすること。
つまり、左右対称や同じ形の連続、
極端にはっきりとした輪郭にはしないこと。
大きさもランダムにすると遠近感がでます。
ポイント2)雲を画面のどこに置くか
雲にも遠近法を当てはめて描くと
自然に見えます。
近いほど雲の底辺が多く見え、
遠いほど雲の底辺は細長くなります。
最終的に地平線近くになると
雲どおしが重なって底辺は見えず
横長の帯のようになります。
ポイント3)雲の影色
晴れた日中の雲の影色は
基本的に青系、水色にするとしっくりきます。
雨雲は灰色です。
【実践/普通の雲(積雲)の描き方】
1、B4サイズのミ・タント紙ボード
(キャンソン社)を使いました。
ボードとは厚紙にいろんな紙を貼り付けたものです。
今回のボードは、ミ・タント紙という
ファンシーペーパーを貼り付けたものです。
2、描くモノの位置をだいたい決めます。
空には薄い透明の板があって、
その上に雲が乗っていると想像してみてください。
3、空の色を塗ります。
近く(上)の空は濃くはっきりと
遠く(下)の空は薄くぼんやりとした青を塗ります。
遠くの方は霞んで見えるためです。
一番遠くの空はどこかというと、
目線の高さにある地平線付近です。
4、色を少しずつ塗り重ねます。
ぼかしてはまた塗って調整していきます。
5、遠くの雲は、ほぼ一直線上に重なって見えます。
雲の影は遠くは横ばいの線に見えます。
6、近くの雲ほど広い範囲の陰が見えています。
雲の陰色は空の色を写して青っぽいです。
7、地面は青の反対の色オレンジにしました。
8、何か見たいので遠くに木を1本入れます。
9、手前の小麦畑は”ニューパステル”という
細長いパステルを使ってジグザクに描きました。
10、絵の周りの余白に飛び散ったパステルの粉を
練り消しゴムで軽く叩くようにして消します。
11、完成!
【入道雲(雄大積雲)の描き方のコツ】
※入道雲(積乱雲)とタイトルにしていましたが
正しくは入道雲は雄大積雲という雲であって
積乱雲に変わる前の段階と分かりました。
なのでタイトル訂正しました2023.8.4
「すごすぎる天気の図巻・雲の超図鑑/荒木健太郎著より」
夏の暑い日によく見かける雲です。
普通の雲と同じように底辺はほぼ平らです。
違うのは高さ。
垂直にそびえ立つように
モクモクと発達しています。
ポイント1)入道雲の形と大きさ
入道雲は普通の雲と比べて
輪郭がはっきりしています。
雲の密度が濃いため、
中から外へ湧きだしていると
イメージする分かり易いかもしれません。
不規則な輪郭にするのは、
普通の雲と同じです。
ポイント2)入道雲を画面のどこに置くか
入道雲は遠方にあって
1つにまとまっているのが普通です。
入道雲が近くにあれば
雷雨などに見舞われて観察できないからです。
ポイント3)入道雲の影色
雲が厚いので、影色を2種類以上にします。
例えば、薄い影色を灰色で、
濃い影色を青にするなど。
【実践/入道雲(雄大積雲)の描き方】
1、入道雲は夏に多い雲なので、
下は海にしました。
入道雲と海の位置をだいたい決めて・・・
紙はB4サイズのミ・タント紙ボードです。
2、パステルをカッターで削り、
粉を手でぼかして下塗りします。
3、雲の陰を描きながら、
空や海もだんだんと濃く塗り重ねて
仕上がりをイメージしていきます。
4、ヨットと入道雲が画面の右に寄り過ぎて窮屈。
なので、左に寄せたい…。
修正は練り消しゴムで消せばOKです。
5、右側のヨットが元の位置。
左側のヨットが新しい位置。
練り消しゴムで消して色を抜いた状態です。
6、ヨットの船体は赤色にしました。
7、入道雲の陰は青系、紫系で描きました。
大きな陰の塊を青で塗りつぶしてから
明るい部分に白を重ねて形を整えることにしました。
8、青系など冷たい色ばかりなので、
雲の明るい部分にレモンイエローで
ニュアンスを付けてみました。
9、下の方の帯状の雲の描き込みが
少し難しかったかも。
入道雲の陰で赤紫色をしていました。
10、完成!
【うろこ雲(巻積雲けんせきうん)や
ひつじ雲(高積雲こうせきうん)の描き方のコツ】
秋の空によく見られる魚のウロコや
羊の毛のような形の雲で1つ1つの雲は小さめ。
似たような形でも、やはりランダムです。
どちらの雲も連なって
空いっぱいに見られます。
何が違うのでしょうか。
ポイント1)うろこ雲とひつじ雲の形と大きさ
うろこ雲はかなり上空にあるので、
私たちからは遠く
1つ1つの雲が小さめです。
また雲が薄いので日の光を通し、影ができません。
ひつじ雲はうろこ雲よりは下の高さにあるので
やや大きめです。
雲の層もうろこ雲に比べて厚めなので、影ができます。
ポイント2)うろこ雲とひつじ雲を画面のどこに置くか
空全体に同じ高さを意識して配置します。
遠近法を使うのは普通の雲の時と一緒です。
ポイント3)うろこ雲とひつじ雲の影色
ポイント1でも触れましたが、
うろこ雲には影がなく、
ひつじ雲には影があります。
うろこ雲の影色は水色にすると自然に見えます。
【実践/うろこ雲とひつじ雲の描き方】
早速描いていきましょう。
簡単に描くので紙は
マルマンのスケッチブックで
画用紙を使いました。
【うろこ雲の場合】
1、上に「うろこ雲」、
下に「ひつじ雲」を描きます。両方とも
初めに空のグラーデーションを作ります。
ソフトパステルを指で軽く持ち、
腹(横側)を使って
滑らすように色を乗せます。
2、指でぼかして混色します。
3、更に濃い青色パステルで色をのせます。
パステルの腹を滑らせるように色付け
指でぼかします。
画面の上から下に向かって
段々と薄い水色のグラーデーションに。
こうなるようにしたいです。
指で調整しましょう。
”白”を少し混ぜると発色がまろやかになり
色を混ぜやすいですよ。
”白”の混ぜ方はパステルの腹で描いてぼかす、
カッターで削って指でぼかすこともできます。
4、白のソフトパステルをランダムに、
かつ一方向に連なるように描いていきます。
遠くに向かって一点に集中するように。
5、一旦、描いた「うろこ雲」を
指でなじませます。
6、近くの空(画面の上)に
青色を描き足して、指でなじませました。
7、なじませると雲がぼんやりしたので、
また上から雲を描き足します。
8、完成です。
【ひつじ雲の場合】
1、「うろこ雲」の時と同じく、
空のグラーデーションを作ります。
2、「ひつじ雲」は「うろこ雲」に比べると
やや低い位置にあり陰ができます。
雲の形はうろこ雲よりやや厚く大き目です。
3、雲の位置がだいたい決まったら
濃い青色で陰色を付けていきます。
適度に指で細かくこすってなじませます。
こする方向は”斜め左から斜め右”にすると
雲が流れている方向に合うので
自然に見えやすいかと思います。
4、少し単調なので
オレンジ色を加えて遊びました。
5、空の色の青も加えて
鮮やかにしていきます。
この青は私のお気に入り。
6、ぼかしていくと、
段々ぼんやりした雰囲気になってきます。
雲の光が強く当たっているところに
”白”を部分的に加えてメリハリをつけます。
7、完成。手前の雲には少し
ラベンダー色も加えています。
◆まとめ
いかがだったでしょうか。
”3種類の雲の描き方のポイント”を見てきました。
ポイントは 雲の形と大きさ、画面への配置、影色です。
と言っても、描き方に正解はありません。
1つの参考にして頂けたらと思います。
【普通の雲】→ランダムな形、大きさ。
輪郭はやわらかい。 遠近法を考えて雲を配置する。
影色は青味がある。
【入道雲】→ランダムで縦に長く大きい。
輪郭はややはっきりとしている。
遠方に縦長に配置する。
影色は薄い影と
濃い影の2種類以上の色味(寒色系)を使って
雲の厚みを表現できる。
【うろこ雲、ひつじ雲】 →どちらも小さい雲で
魚のうろこや羊の毛に似た形だが
ランダムな形に変わりはない。
輪郭は柔らかい。
配置は遠近法を使って密集させて描く。
・うろこ雲は光が透けるほど薄い雲のため、 影はできない。
・ひつじ雲の影色は青味で表現する。
コメントを残す