南の島の海でのんびりお散歩。
今行けなくても、
そんな海の絵を描けたらいいですよね。
海の絵と言っても色んな組合せがあります。
その中でも「砂浜と海」。
簡単そうなのに意外と難しかったりします。
砂浜と海を描くコツをまとめてみました。
今回はオイルパステルを使っています。
こちらの動画は波照間(はてるま)島の魅力を
語っています(笑)
実際の描き方は記事にしています。
目次(押すとその記事にジャンプします)
「砂浜と海」を描くときのポイント
砂浜と海を描くときに
意識したいポイントをまとめています。
もちろん、遠近法とかその他のことも
あるかもしれません。
でも、とりあえず”色”について
4つ意識してみて下さい。
空と海の色を分ける
空と海の境目に
マスキングテープを使う方法があります。
歪んだ水平線よりも
”はっきりとした直線”の水平線のほうが
絵が綺麗に見えませんか。
★海の色を「遠く、中間、近く」で3色に分ける
3色に分けたら
指で境目の色をぼかして混ぜる。
そうして遠くから近くまでの
色のグラーデーションを作りましょう。
砂浜の色は思った以上に薄い色にする
砂浜の色は殆んど”白”に近い色です。
淡い黄色などの明るい色を使ってから、
後で暗い色に調整した方が楽です。
★塗れた砂、波打ち際の白い泡とその影を描く
塗れた砂を描くと
波打ち際の感じがグッと増します。
先に濡れた砂の色を塗ってから、
白い泡と波を描きます。
空と雲の描き方についてはこちらの記事もどうぞ。
使ったモノ
絵の具:
ムンギョのギャラリーソフトオイルパステル36色セット
…ムンギョのオイルパステルは結構硬め。
でオイル臭いです。紙にはよく付きます。
パッケージのフタの裏面には
色の番号と名前が印刷されています。
広い面を塗る時は
オイルパステルを短く折って使いました。
時短になります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210522_135711-225x300.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210522_140050-300x225.jpg)
・パステルペンシル:
「スタビロのカーブオテロ」…下描きで使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/パステルペンシル(スタビロ・カーブオテロ)2-300x225.jpg)
紙:「ナチュラル色ワトソン水彩紙300g
ブロックタイプ」F4サイズ
…しっかりとした厚みのある水彩紙です。
水彩のほか、パステルの重ね塗りにも向きます。
オイルパステルも問題なく描けました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/ワトソンナチュラルブロック表紙-300x225.jpg)
ここからは紙についての余談。
以前、薄い画用紙にムンギョオイルパステルで
作品を描いたのですが。
最近、紙の裏面にまでオイルが染み出していました。
ある程度の厚みがある紙を使ったほうが
良いみたいだと気づきました。
また、キャンソン社のミ・タント紙のボードで
描いてみました。
こちらは、オイルパステルでは
やや描きにくいと感じました。
つまり、
凹凸が凹の部分が白く残り易くて
色をきちんとすりこむのが大変だったから。
この紙に描くならテレピンなどの揮発油で
オイルパステルを溶かすと良いかなー。
布:オイルパステルを広範囲にぼかす時に
指に巻いて使いました。
指でもぼかせますが、結構痛くなるので…。
ソフトパステル、オイルパステル両方とも
指やパステル自体の汚れをふき取るのに
布はよく使います。
なので、私は不要な綿の下着などを
普段から小さく切ってストックしています。
綿棒、サッピツ:
細部をぼかすのに一部使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/08/綿棒とサッピツ-300x225.jpg)
保護用ニス:
ターレンスのスプレー缶を使いました。
クレパスワニスフィニッシュコートという
仕上げ専用で加筆はできないタイプで
マット調に仕上がります。
作品が完成した後に30㎝以上離して吹付けると
2分くらいで乾燥します。
効果は、次のとおり。
画面の調子を整える。
パステル画が他の物に移るのを防ぐ。
作品が黄色く変色するのを防ぐ。
ホコリなどがついて汚れるのを防ぐ。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/クレパスワニスフィニッシュコート-225x300.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/クレパスワニスフィニッシュコート説明書き-300x225.jpg)
写真:日本最南端の島の
波照間(はてるま)旅行の写真。
これを基に描きました。
フリー素材の写真でもいいですね。
ただ、自分が行ったことのある場所の方が
臨場感が出るかなと思います。
「砂浜と海」の描き方:実際の手順
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20190521_110450-300x227.jpg)
上の写真を基に描きました。注目するのは、
波打ち際の白い泡と濡れた砂地、
海の色のグラデーション。
この辺りを描ければOKな気がしませんか。
1、下描き
パステルペンシルで下書きしました。
オイルパステルはソフトパステルのような
簡単な修正はできません。
この時点ではっきりした線に決めて
描いた方が良いかなと思います。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/下書き-300x218.jpg)
2、空の色を塗る
上は濃い青(221番コバルトブルー)、
下は水色(223番ターコイズブルー)、
境目は両方の色を塗っておきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_165-300x217.jpg)
3、海側にマスキングし、空の色をぼかして混ぜる
海側にマスキングテープを貼りつけてから
空の色をぼかして混ぜ合わせます。
ぼかすのは指でもいいです。
私は指が痛いので
綿のぼろ布を指に巻き付けてぼかしました。
この時点では全体の雰囲気を見るので
大まかに色をつけるだけです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_166-300x184.jpg)
4、雲の影を塗る
雲の影は空の色を反映しているので
水色(223番ターコイズブルー)で
大まかに塗りました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_167-300x202.jpg)
5、★海の色を3色に塗り分ける
海は上から濃い青(220番サファイアブルー)、
水色(223番ターコイズブルー)、
くすんだ青緑(226番ジェードグリーン)の順番に塗ります。
ついでに、
砂浜は薄い黄色(243番ペールイエロー、
濡れた砂は肌色(240番サーモン)で塗りました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_168-300x219.jpg)
6、海の色をぼかす
海の色のうち、特に3色の境目を念入りに
ぼかして混色します。
横に向かってぼかすと海らしくなります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_169-300x216.jpg)
7、その他の部分を塗る
岩と緑のヤブを塗りました。
それから、砂浜の足跡と女の子も。
岩の色は2色の灰色
(246番グレーと247番ダークグレー)、
藪の緑色は4色(227番イエローグリーン、
228番グラスグリーン、
229番エメラルドグリーン、
231番マラカイトグリーン)使用。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/着彩1-300x217.jpg)
8、波打ち際を描く
波打ち際の濡れた砂の色が薄すぎたので
236番の茶色を塗り足しました。
白い波は遠方から手前まで
慎重に描きました。
手前ほどよく見えるので
形をよく見て描きました。
(”遠くの白波”や”水深の深い海の部分”に
濃い青も描き足しています)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_170-300x217.jpg)
9、濡れた砂の茶色を指でぼかす
茶色を指でぼかしました。
でも色が少し濃すぎたので、この写真の後
少し”白”を足して更にぼかしています。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_171-300x211.jpg)
10、引き潮の波の白い泡を描く
濡れ砂の上の”透明な水に
「白い泡」を描きます。
白いオイルパステルの角を使って
転がすようにすると
細い線が引けます。
引き潮の形は扇状です。
また、砂浜から海に向かって、白い泡の線が
直線的に引っ張られている様子も描きます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_173-300x211.jpg)
11、波の色の隙間を埋める
塗りの残しのできた
違和感のある場所を塗ります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_174-300x188.jpg)
12、入道雲を仕上げる
入道雲の描き込みが少ないので
”のっぺり”した印象です。
そこで淡い紫色(215番ライトパープルヴァイオレット)などで
少し影を描き足しました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/Snapshot_175-300x214.jpg)
13、全体的に微調整して完成!
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/着彩6完成画-300x215.jpg)
沖縄の波照間で
生まれて初めて生のヤドカリを見ました。
スケッチしていたら女性に声をかけられて
写真家はよく見るけど
絵を描く人は初めて見たと言われました。
また行きたいなぁ。
・空、海はマスキングテープ分け、海は遠、中、近で3色分け
・砂浜の色は白に近い薄い色にする
★塗れた砂は茶色で、波打ち際は白い泡を扇状に描き込む
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