オイルパステルのうち、比較的お安くて
手に入りやすい6種類を比較しました。
比較したオイルパステルはこちら。
・サクラクレパスの「クレパススペシャリスト」…プロ向け
・ぺんてるの「ぺんてるパステル」…子供又は一般向け
・ぺんてるの「Pentl(ぺんてる)専門家用パス」…プロ向け
・ムンギョ(韓国)の「ギャラリーアーティストソフトオイルパステル」…プロ向け
・ファーバーカステル(ドイツ)の「クリエイティブスタジオ オイルパステル」…大学生~大人のアマチュアアーティスト向け
では、実験開始!
目次(押すとその記事にジャンプします)
【価格比較】オイルパステル初心者用
よく言われていることですが、
安価でも色数を揃えるほうがいいみたいです。
理由は、オイルパステルは色を混ぜるのに
手間がかかるから。
という訳で、単価の比較をしました。
商品名 | 長さmm×面積㎟ =【体積・立方センチメートル(㎤)】 | 1本当たりの単価(円・税込) | 体積1㎤当たりの単価(円・税込) |
サクラクレパスふとまき | 71㎜×94.985㎟ =(6.74㎤) | 77円 | 11.4円 |
クレパススペシャリスト | 55㎜×121㎟ =(6.665㎤) | 154円 | 23.1円 |
ぺんてるパステル | 70㎜×94.985㎟ =(6.649㎠) | 77円 | 11.5円 |
Pentl(ぺんてる)専門家用パス | 65㎜×64㎟ =(4.16㎤) | 165円 | 39.6円 |
ムンギョ・ギャラリーアーティストソフトオイルパステル | 71㎜×94.985㎟ =(6.74㎤) | ※(71.8~) 93.9円 | ※(10.6~) 13.9円 |
ファーバーカステル・クリエイティブスタジオ オイルパステル | 70㎜×78.5㎟ =(5.495㎤) | ※(60.8~) | ※(11.0~) 13.9円 |
ムンギョとファーバーカステルは
公式ページでの価格が見当たらず
Amazonで調べました。
また、ファーバーカステルは36色までは
2千円以下の価格なので
本州で410円の送料がかかります。
なので、送料分も含めての計算にしました。
ムンギョは2千円以上なので
送料はかかりません。
※本数が多いセットほど
一本当たりの単価が安くなっています。
どちらも単色販売はありません。
安い順にこうなりました。(2021.5月時点)
サクラクレパスふとまき〈ペンテルパステル〈ムンギョ≒ファーバーカステル〈クレパススペシャリスト〈Pentl(ぺんてる)専門家用パス
【柔らかさ、伸びの良さ】オイルパステル初心者用
柔らかいほど混ぜたり重ね塗りしやすく
厚塗りに向いています。
では柔らかいほど良いかというと、
そうでもありません。
硬いものは細部が描きやすいからです。
実験ではグリグリと円を描くように描いて
感覚で柔らかさを測りました。
描いた後、指で1回伸ばして
伸びの良さをみました。
メーカー/商品名 | 柔らかさ、伸びの良さ |
サクラクレパス/サクラクレパスふとまき | ★★★(少し柔らかい) |
サクラクレパス/クレパススペシャリスト | ★★★(少し柔らかい) |
ぺんてる/ぺんてるパステル | ★★★(少し柔らかい) |
ぺんてる/Pentl(ぺんてる)専門家用パス | ★(硬い) |
ムンギョ/ギャラリーアーティストソフトオイルパステル | ★★(普通) |
ファーバーカステル/クリエイティブスタジオ オイルパステル | ★(硬い) |
結果、伸びの良さは柔らかさに比例しました。
★の数は主観です。
★3つで描き心地のよい
普通レベルくらいでしょうか。
私が初めて使ったオイルパステルが
ムンギョギャラリーソフトオイルパステルで
硬いなぁと思っていました。
なので、ムンギョと比べて
今回のサクラクレパスの太巻き、
クレパススペシャリスト、
ぺんてるパステルを若干柔らかく感じました。
逆にぺんてる専門家用パスと
ファーバーカステルオイルパスは
かなり硬く感じました。
6種類の中で凄く柔らかいなぁという
オイルパステルはありませんでした。
つまり厚塗りにはあまり向かないみたいです。
それでも工夫次第で
ある程度の厚塗りはできるようです。
例えば凹凸のある紙を使ったり、
ジェッソを塗ってその上に描く方法とか。
普通にオイルパステルで塗った後、
クレヨンコートをかけ
更に上にオイルパステルを
重ね塗りしていく方法とか。
また、今回比較したオイルパステルの他に
ホルベイン、カランダッシュ、セヌリエにも
オイルパステルがあります。
セヌリエは特にお値段が1本300円と高価です。
また、これらは柔らかく厚塗りに向きます。
オイルパステルに慣れてきたら、
単色買いから購入を考えたいです。
高級オイルパステルの比較記事を見つけました。
気になる方はこちらをどうぞ。
※別の方の記事です。
オイルパステル のおすすめを比較【画材マニアのアート・ラボさまより】
【透明度とカバー力】オイルパステル初心者用
オイルパステルの色が
透明か不透明かを調べました。
透明度はカバー力、
つまり上から色を隠す度合にも関係します。
普通、不透明だとカバー力が上がり、
透明だと下の色が透けて見えるので
カバー力は下がるはず…。
なのですが、実際には結果が違っていました。
メーカー/商品名 | 透明度 | カバー力 |
サクラクレパス/サクラクレパスふとまき | 透明 | 若干あり |
サクラクレパス/クレパススペシャリスト | 透明 | 若干あり |
ぺんてる/ぺんてるパステル | 不透明 | なし |
ぺんてる/Pentl(ぺんてる)専門家用パス | 不透明 | なし |
ムンギョ/ギャラリーアーティストソフトオイルパステル | 不透明 | あり |
ファーバーカステル/クリエイティブスタジオ オイルパステル | 透明 | なし |
結果は…。
ムンギョのパス(オイルパステル)が
一番カバー力がありました。
意外にもぺんてるのパスは2種類とも
カバー力はありませんでした。
不透明なのに。
その代わりではないですが、
色がよく混ざりますね。
綺麗な混ざり方をします。
ファーバーカステルのパスは
かなり色が混ざるので
カバー力は全くありませんでした。
不透明水彩を塗っているような感じです。
【どのくらい色が混ざるか】オイルパステル初心者用
色の混ざり方も気になるところ。
オレンジの上からずらして
青を重ねてぐるぐると塗ってみました。
オレンジと青とが重なる部分で
色がどんな風に混ざるかをみました。
メーカー/商品名 | 混色 |
サクラクレパス/サクラクレパスふとまき | ほとんど混ざらない |
サクラクレパス/クレパススペシャリスト | 部分的に混ざる |
ぺんてる/ぺんてるパステル | よく混ざる |
ぺんてる/Pentl(ぺんてる)専門家用パス | よく混ざる |
ムンギョ/ギャラリーアーティストソフトオイルパステル | 部分的にやや混ざる |
ファーバーカステル/クリエイティブスタジオ オイルパステル | かなりよく混ざる |
部分的に混ざるという意味は、
オレンジと青の重なった部分のみ
混ざっているということです。
よく混ざるというのは、塗っている間に
オレンジが溶け出して青に混ざるといった
感じです。
1番混ざるのはファーバーカステルでした。
混ざらない順番に並べるとこうなります。
サクラクレパスふとまき→ムンギョ→クレパススペシャリスト→ぺんてるパステル≒ぺんてる専門家用パス→ファーバーカステル
【発色の良さと質感】オイルパステル初心者用
発色の良さ、つまり色の鮮やかですね。
6種類とも違いは感じられませんでした。
どれも発色良いと思います。
質感はサクラクレパスと
ファーバーカステルは透明で艶あり。
ぺんてるとムンギョは不透明で艶無しマット。
特にぺんてる専門家用パスはマットです。
【カスの多さ】オイルパステル初心者用
カスが出ても、画面に塗りこめるので
別に問題はありません。
ただ、カスが多すぎると作業時まめにカスを払ったり
塗りこめたりしなければならないです。
画面が汚れてしまうので。
手間がかかるので
それなりにストレスがかかります。
メーカー/商品名 | カスの多さ |
サクラクレパス/サクラクレパスふとまき | 多い |
サクラクレパス/クレパススペシャリスト | 少し |
ぺんてる/ぺんてるパステル | 多い |
ぺんてる/Pentl(ぺんてる)専門家用パス | ほとんどなし |
ムンギョ/ギャラリーアーティストソフトオイルパステル | 普通 |
ファーバーカステル/クリエイティブスタジオ オイルパステル | かなり多い |
塗りカスの少なさで言えば、
優秀なのはぺんてる専門家用パスでした。
ほとんどでません。
次いで、サクラのクレパススペシャリスト。
少し柔らかさがあるので
若干カスがでますが
気になるほどではありませんでした。
1番酷かったのがファーバーカステル。
かなりの量のカスガ出ます。
正直、これは描きにくいと思いました。
揮発油テレピンなどで溶いて使うと
良いかもしれません。
【初心者におすすめ安価なオイルパステル】
それで、実験してみて結局、
初心者におすすめできるのはどれ?
ってことなんですが。
好みと目的によるなぁというのが
正直なところです。
そんな中でですが、例えば、という設定で
いくつかか選んでみました。
【子供さんと絵でコミュニケーションするなら】
【安さで選ぶなら】
・サクラクレパスふとまき
・ぺんてるパステル
サクラクレパス太巻き又は
ぺんてるパステルをおススメします。
どちらも質に変わりはないように感じました。
あとは、好みですね。
透明感があるのがサクラで
不透明(ポスターのような感じ)がぺんてるです。
ファーバーカステルは安いですが、
おススメはできません…。
ムラが出やすいのとカスが多い、
色が混ざりやすいことなどから
扱いが難しいというのが理由です。
【趣味でオイルパステルを始めたいなら】
・クレパススペシャリスト
・ムンギョ・ギャラリーアーティストソフトオイルパステル
絵画的表現をしたい人は
クレパススペシャリストを、
少しイラスト寄りにしたい人は
ムンギョ・ギャラリーアーティストソフトオイルパステルを
おススメします。
少し表現の幅を広げたくなったら
複数メーカーのオイルパスを使うのも良いと思います。
クレパススペシャリストとムンギョのパスなど。
ムンギョのオイルパステルは
不透明でマットな質感、カバー力があります。
なのでクレパススペシャリストを粗方描いた上で
部分的にムンギョのパスを使うこともできます。
ただ、残念なのはムンギョは
日本では単色買いができないですね。
それでも、カバー力がある中では
1番安いオイルパステルだと思います。
もしカバーする色が少ない場合は
カランダッシュやセヌリエを
単色買いした方がコスパはいいとは思います。
【チョークアートを始めたい人なら】
・ぺんてる専門家用パステル
チョークアートを始めたい方には
ぺんてる専門家用パステルがおススメです。
日本チョークアート協会推薦の
パステルらしいですよ。
カサカサした描き心地で
四角柱で細目のパスです。
角で細部も描きやすいし
混色もしやすいと思います。
その他ではムンギョのオイルパステルも
使えるのではないでしょうか。
ぺんてるよりは若干柔らかくカバー力もあり
コスパも良いです。
オイルパステルを含めたパステルの記事は
こちらもどうぞ。
◆まとめ
いかがでしたか?
今回は安価なオイルパステル4社6種類を
比較してみました。
どれかお好みのパス(オイルパステル)は
あったでしょうか。
どれも発色がよいのですが、
得意不得意分野があるんですね。
何か参考になれば良いですが。
さて、最後に今までの表を
1つにまとめておきました。
商品名 | 体積1㎤ 当たりの 単価(円・税込) | 柔らかさ、 伸びの良さ | 透明度 | カバー力 | 混色 | カスの 多さ |
サクラクレパスふとまき | 11.4円 | ★★★ (少し 柔らかい) | 透明 | 若干あり | ほとんど 混ざらない | 多い |
クレパススペシャリスト | 23.1円 | ★★★ | 透明 | 若干あり | 部分的に 混ざる | 少し |
ぺんてるパステル | 11.5円 | ★★★ (少し 柔らかい) | 不透明 | なし | よく混ざる | 多い |
Pentl(ぺんてる)専門家用パス | 39.6円 | ★(硬い) | 不透明 | なし | よく混ざる | ほとんどなし |
ムンギョ・ギャラリーアーティストソフトオイルパステル | ※(10.6~) 13.9円 | ★★ (普通) | 不透明 | あり | 部分的に やや混ざる | 普通 |
ファーバーカステル・クリエイティブスタジオ オイルパステル | ※(11.0~) 13.9円 | ★(硬い) | 透明 | なし | かなり よく混ざる | かなり多い |
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