パステル画初心者のための基本の画材道具一式

    「パステル画を描いてみたいけど…。
    どのパステルを買ったらいいの?
    他に何か揃えた方がいいの?」

    こんなお悩みを見かけることがあります。
    もちろん私も初めそんな感じでした。

    でもパステル画は揃えるものも少なくて
    初心者にも扱いやすい画材
    だと思います。

    今回は初めての方必見。これがあればパステ
    ル画がすぐ描ける!おススメパステル画材と
    周辺の道具をご紹介します。

    パステル画に最低限必要なもの

    まず、パステル画を描くのに最低限必要な物
    をご紹介します。簡単に言うと、

    パステル+紙+パステル用フィキサチフ

    つまり…、

    棒状の色粉の塊+紙+糊(ノリ)のスプレー

    です。筆や絵具を溶く液も要らない。
    描くのは自分の指です。とってもシンプル
    なんですよね。
    と言っても、実際にはもう少し必要な物が
    あります。順番に紹介しますね。

    パステル画、初心者におススメのソフトパステル

    ソフトパステルは安価でお手頃に買える商品
    から、高品質で超高額な物などありますが…。

    たくさん紹介して、「で、結局どれ?」と
    ツッコミを入れられそうなので。
    ここでおススメするソフトパステルの条件は
    こんな感じです。

    比較的お手頃で安全性が高い。
    描けばパステルの良さがある程度分かる。

    3つご紹介します。

    クリエイティブスタジオ
    ソフトパステル24色セット

    【ドイツ/ファーバーカステル】

    ハーフサイズで手に馴染み、安全性も高く
    発色も比較的良くてお手頃
    です。
    色数も揃っていて使いやすさから言っても
    こちらを選びました。

    本来のパステルの発色の良さが実感できると
    思いますよ。色合いがとても鮮やかです。

    ただ、やや硬めのためソフトパステルの良さ
    というよりセミハードパステルといった感じ
    です。

    形は四角柱型なので細部の描き込みがし易い
    のも優れている点です。3点中一番安価です。

    ゴンドラパステル 36色セット
    【日本/大冠化学工業所】

    日本の風景画を描いてみたい。そんな方には
    こちらのパステルをおススメします。
    かなり渋めの色が揃っていて大きさは手の平
    サイズで使いやすい
    です。手の小さい女性や
    子供さんにも使いやすい作りですね。

    大冠化学工業所は日本国内唯一のパステル
    専用のメーカー
    。90年の歴史があり京都で
    全て手作りで作られています。

    日本独自の色合い、中間色が多い
    です。緑系
    の色が少ないパステルにしては緑色が充実
    ています。

    形は円柱形で長さも先ほどのクリエイティブ
    スタジオのサイズとそれ程変わらないと思い
    ます。円柱形のため広い面を塗るのが得意
    逆に細部の描きこみにはあまり向きません。

    こちらもやや硬めのソフトパステルです。
    セミハードパステルといった感じの描き味。
    先ほどのパステルより高額になります。

    クレテージュアーチストソフト
    パステル30色セット
    【日本/(株)アムス】

    比較的新しい画材店アムスのブランドの
    クレテージュのソフトパステルです。
    アムスが韓国のメーカーに依頼して作って
    いるようです。

    高級顔料を使用していて品質の割にお得

    価格設定のソフトパステルです。

    前の2つのソフトパステルよりも価格は高く
    なりますが、ソフトパステルらしさから
    言うとこれが一番滑らかさ、伸びの良さ、
    発色の良さ
    を実感できると思います。

    あと、ブラウン系の中間色が多めです。

    パステル画の初心者におススメの紙

    パステル画の紙に向く紙のくせがあります。
    それは、次のようなことです。

    紙の表面に凹凸がある
    紙の表面がある程度強い
    紙の厚さがある程度
    ある

    具体的には画用紙、ミ・タント紙のような
    ファンシーペーパーの中でも凹凸がある紙、
    水彩紙、木炭紙
    です。

    その中でも、今回ご紹介する紙は
    比較的お手頃でどこでも手に入れやすい。
    初心者でも描きやすい。
    ということを考えて選んでみました。

    あとは、紙の大きさは机の上で描ける程度
    小さめサイズ
    に限定しました。

    通常のサイズの紙なら机の上で十分制作でき
    ます。例えば、A5、A4、B5、B4サイズなど。

    スケッチbookでキャンバスサイズというのが
    使われてることが多くて、Pサイズ(人物用)
    Fサイズ(風景用)などあります。
    ちょっと耳慣れないかもしれませんが、慣れ
    ちゃいましょう。
    机に置けそうなのは次のような範囲かと思い
    ます。
    P1~P4、F0、F1、SM、F2、F3、F4。

    今回ご紹介するサイズのSM(サムホール)
    はF1とF2サイズの間の大きさで227×158㎜
    です。

    紙サイズはこちらがパッと分かりやすいです。
    私は下の画像のようにサイズ表を印刷して
    100均の硬化カードケースに挟んで手持ちに
    しています。

    では、スケッチブックを3つご紹介します。

    マルマン図案シリーズスケッチ
    ブックの画用紙A4サイズ

    【日本/マルマン】

    どの画材でも描きやすい紙が画用紙です。
    マルマン画用紙は凹凸もあり、強度も厚さ
    あります。

    パステル画の練習にもってこいです。
    とってもお手頃です。あとは、パステル用に
    紙の色があったら更に良いんですが…。
    そこは自分で下塗りして色をつけましょう。

    色々なサイズがありますが、画用紙並口と
    書いてあるのを選んでください。
    ほかのメーカーの画用紙もあります。あまり
    薄くなければ、それでもOKです。

    ミューズパステルワトソンブックのP2サイズ
    【日本/ミューズ】

    ワトソン紙のナチュラル、ホワイト、グレー
    の3色をスパイラル綴じにしたスケッチbook
    です。

    それぞれの色が3色ずつの合計15枚入りです。
    パステル画を保護する薄い紙が1枚ごとに
    間に入っている
    ため、そのまま保存できて
    使いやすいです。
    特にグレーの紙はパステル画で描きやすい
    思います。

    紙厚は190gとパステルを描くのに丁度よく、
    Pサイズも風景画に適したサイズです。
    P2サイズはかなり小さいです。
    でも、お試しには良いと思い選びました。

    ホルベインパステルブックPAS
    のSM(サムホール)サイズ

    【日本/ホルベイン】

    ホルベインのスケッチブックですが、中の
    紙はキャンソン社のミ・タント紙という紙。

    世界中で愛されるポピュラーなこの紙は仏の
    キャンソン社のファンシーペーパーです。

    キャンソン社のスケッチbookもありますが
    サイズがA4からの販売で大きい分コストが
    かかります。
    なので、今回はこちらのホルベインの小さい
    サイズを選びました。

    この中ではお高めですが、パステル画では
    お墨付きの紙です。紙の表面は砂状の独自の
    ザラツキで、紙の目が蜂の巣状に加工されて
    いて粗目です。

    紙の色はホワイト6枚、アイボリー3枚、
    ベージュ2枚、ブラック1枚、ダークベージュ
    2枚、グレー3枚
    で計17枚綴り。
    1枚ずつ保護紙が挟まれていてパステル画が
    汚れるのを防いでくれます。

    画用紙では物足りなくなった人におススメ。
    画用紙より紙の厚さは薄めです。

    パステル画道具でその他のもの

    パステルと紙は揃えたとして、その他に必要
    なモノをご紹介します。と言っても、残りは
    最初に言ったとおりパステルフィキサチーフ
    だけが絶対必要なだけです。修正にあった方
    が良いのは練り消しゴムですが、布やティッ
    シュでこすってある程度消せるので絶対では
    ありません。

    でも、これらはあった方が表現の幅が広がる
    ので余裕があったら試してみて下さいね。

    ●カッター又はぼかし網など

    ソフトパステル、ハードパステル、パステル
    ペンシル等を削ったり、スケッチブックから
    紙を切り離すときに使います。
    子供さん用に代用としてぼかし網又は茶こし、
    粉ふるい(100均ダイソー)
    が使えます。

    ●練り消しゴム

    下描きの修正用です。軽く叩くようにして、
    パステルの粉を取り除く時使います。普通の
    プラスチック消しゴムと違いカスがでません。

    プラスチックの消しゴムは
    パステル画ののり
    過ぎた一部分を抜くのには適していますが、
    広範囲を取り除くには不便な上に消しカスが
    出て画面を汚します。

    ●擦筆(サッピツ)又は綿棒

    擦筆(サッピツ)細かい部分をぼかすのに
    使います。汚れたらカッターで先の部分を
    削ればまた使えます。

    綿棒は擦筆より安価な代用品です。私もこれ
    と擦筆と合わせて使ってますよ。
    綿棒は芯がぐにゃぐにゃと柔らかいものは
    使いにくいです。芯が太くてしっかりして
    いて先は細くて硬い方が使い勝手が良いです。


    ●布、キッチンペーパー、ティッシュ



    パステル画を描くと手が汚れるので、小まめ
    に手を拭きましょう。パステルが紙に移って
    汚れるのを防いでくれます。
    更に綺麗に手を保ちたいなら、ウェットティ
    ッシュや水で濡らしたタオル
    が良いです。

    ●コットン(綿)又は脱脂綿

    空や海など広くぼかすのに便利。指でぼかす
    のとは違った感じになります。ぼやけた感じは
    道具で微妙に違います。色々試してみてください。
    コットンも脱脂綿も薬局で手に入ります。


    ●毛先が硬い筆

    なくてもいいですが、下描きの後で紙に広く
    着彩する際、ザーッと手を汚さずに素早く
    ぼかせる便利グッズです。

    下書きの後で白い紙の場合には紙に色をつけ
    たりします(下塗り)。下塗りにパステルを
    使う場合、パステルをカッターで削り、紙に
    刷り込む作業をします。

    この作業を指や布や筆を使ったりします。

    画像は豚毛の筆です。筆先は丸筆(ラウンド)
    より平筆が使いやすいです。

    ●パステルフィキサチーフ


    必須アイテム。
    パステル画の仕上げに使いま
    す。パステルの粉を紙の上に定着させること
    ができます。

    殆どがスプレー缶タイプです。紙に近づけ過
    ぎないように注意しながら全体に噴射します。

    絵の進み具合に応じて数回に分けてスプレー
    します。やりすぎると色が沈むのでだいたい
    2,3回が限度でしょうか。


    制作途中で使えるタイプ(ターレンス)と
    最後に使うタイプ(ホルベイン)とあり
    ます。
    何度も加筆する人はターレンスを使うと良い
    です。通常は仕上げにホルベインを使うと
    良いと思います。

    他の会社のパステルフィキサチーフもありま
    すが私はこの2つで足りています。

    ●プラスチック容器

    パステルの色数が増えてきたら、空のプラス
    チックの容器が収納容器に使えます。
    色ごとにまとめておけて便利です。
    プラスチックはパステルの粉がつき難く掃除
    もしやすい
    のでおススメです。
    画像はヘアカラーについているプラスチック
    容器
    です。

    セット買いしていてパステルが少ないうちは
    ケースがあるので必要ないです。

    ソフトパステルは特に自分の粉で汚れてしま
    うので小まめに布などで拭き取ってあげると
    綺麗に保てます。

    ●エプロン

    パステルを使っていると手に付いたパステル
    の粉で服が汚れることがあります。それを
    防ぐためにエプロンを使います。
    また、最初から汚れても良い服を着ると、
    気にせずに描くことができます。

    ◆まとめ

    ・パステル向きの紙は凹凸、強度、厚さがある程度ある紙
    ・必需品は「ソフトパステル+パステル向きの紙+パステル専用フィキサチフ」 
    ・あった方が良いのは「練り消しゴム」と「布」

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