梅雨時の花、アジサイ。
しっとりとして綺麗ですね。
見るとほっと和みます。
でも、描くとなると
小さいお花一つずつ描くのはちょっと
難しそうと思いませんか。
とにかく気合いりそう…。
そこで。
もうちょっと楽に描けないかと考えてみました。
難易度はソフトパステル編が少し描き慣れた人用で
クレパスル編は初心者用です。
目次(押すとその記事にジャンプします)
紫陽花らしく見せるポイント
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/2281990_s-300x200.jpg)
”実際に描いてみよう”で詳しく説明しますが
ここではポイントだけ。
・単純化したアジサイの花の型(中心部分と外側部分)を作って描く
…コピー用紙で型紙を作ります。これで少し楽に花が描けます。
・アジサイの花1個1個の間の隙間に濃い影色を塗る
…これで丸い形の立体感が割とでます。
・アジサイの花のすぐ下に葉っぱを描く
…実際に葉のすぐ下に葉っぱはあります。
逆に花のすぐ下に茎だけの姿を想像してみて下さい。
バランスが悪くなって不自然です。
紫陽花の「花」の特徴
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/IMG_20190716_153401-scaled-e1624085378394-690x1024.jpg)
アジサイは4枚の花びらから成る小さい花の集まりで
「てまり」のような球体に見えています。
この小さい花は
実はガクが大きく発達したものなのだそうです。
花の色は青、紫、ピンク、赤、白です。
紫陽花の「葉と茎」の特徴
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/紫陽花の茎と葉説明図-212x300.jpg)
茎は割と太めでしっかりしています。
中心の太い茎から細い茎が同じ高さで向かい合ってつき、
葉はその先に1つずつあります。
こんな2枚1対の茎が
中心の太い茎から上から見ると90度ごとについています。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/紫陽花の茎と葉説明断面図.jpg)
葉は割と厚めで少し光沢があり、
裏側に薄い毛があります。
葉のフチには三角形のギザギザがあります。
葉の先がとがっていて
全体の長さは10㎝から15㎝程度。
葉脈は中心の脈から少しずつずれて
縁に向かって弧を描くような形で拡がっています。
よく見ると
更にそこから細い脈が網目状に広がっています。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/紫陽花の葉(のこぎりと網状の葉脈)-300x245.jpg)
紫陽花を実際に描いてみよう/ソフトパステル編
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/青い紫陽花完成画-1.jpg)
使ったモノ
【型紙作り】
・コピー用紙
…薄めのしっかりした紙なら何でもOK
・段ボールなどの下敷き
…型紙をカッターで切る時
机を痛めないために使います
・カッター
【作品作り】
・ワトソン水彩紙
…私は作品用に好んで使っています。
他にはキャンソンのミ・タント紙や画用紙、
ヴィファール水彩紙もおススメです
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/ワトソンナチュラルブロック表紙-300x225.jpg)
・ソフトパステル
…使ったのは主にゴンドラパステルと
ラウニーのソフトパステル。
ゴンドラパステルは緑系の色が充実していますが
色を重ねるには不向き。
ラウニーは隠ぺい力があります(お値段は割と高め)。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/ゴンドラパステル2-300x225.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/デューラーラウニー-300x191.jpg)
・パステルペンシルかハードパステル
…私はステッドラーのパステルペンシルと
ハードパステルの代わりに
サンフォードのニューパステルという
セミハードパステルを使っています。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/パステルペンシル(スタビロ・カーブオテロ)2-300x225.jpg)
・練り消しゴム
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/08/使用感のある練り消しゴム-300x225.jpg)
・サッピツ又はめんぼう
…ぼかしに使います。
・パステルフィキサチーフ
…3回フィキサチーフをスプレーしました。
途中段階ではターレンス製、
仕上げにホルベイン製を使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/パステルフィキサチーフ-225x300.jpg)
・その他にはマスキングテープ、ぼろ布、
下に敷く紙、ぼかし用に豚毛の筆、
パステルの粉を払うコスメ用ブラシなど
便利な道具もあれば更に楽かと
手順(ソフトパステル描き方・紫陽花)
では、早速ソフトパステルで
紫陽花を描いてみましょう。
1、まず、型紙作り。
コピー用紙に正方形の大小と
ひし形1つ描きます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/IMG_20210609_205040-300x135.jpg)
2、段ボールなどの上に型紙を置きます。
カッターで形に沿って切り抜きます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_164-300x190.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/IMG_20210609_205901-300x113.jpg)
3、今回、紙はワトソン水彩紙を使いました。
少し大きいのでマスキングテープを貼って
描くサイズを変えます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_165-300x183.jpg)
4、下書き。
だいたいの位置関係を決めます。
メインの紫陽花は大小2つの〇で花を描き、
葉と茎は形をしっかり描きました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_167-300x226.jpg)
5、型紙を使ってアジサイを塗ります。
花の真ん中あたりは
大小の正方形の型紙を使います。
※塗った後、型紙を抑えたまま
指でこすります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_168-300x227.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_169-300x221.jpg)
6、今度はアジサイの花の外側を
塗ってこすります。型紙のひし形を使います。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_170-300x214.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_171-300x226.jpg)
7、その他の部分を着彩していきます。
ソフトパステルで大雑把に塗って
全体の雰囲気を見るくらい。
この段階では、細かく描き込みません。
あまり濃い色も使いません。
余談ですが、
豚毛の筆でぼかすと手早く済みます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_172-300x208.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_173-300x214.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_174-300x224.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_175-300x217.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_176-300x217.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_177-300x218.jpg)
8、次は「影」を中心に塗って
筆でぼかしていきます。
筆がなければ指でこすります。
硬めの豚毛の筆が使いやすいです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_178-300x217.jpg)
9、
型紙で塗ったアジサイの形の上に
数字の8を2つ組合せた花の形を書込みます。
使ったは青系のパステルペンシルです。
最初はハードパステルを使っていましたが、
花が細かく描きにくかったのでペンシルに
変えました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_179-300x221.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_180-300x222.jpg)
10、次は、背景の葉っぱとアジサイの花を
描き込みします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_181-300x221.jpg)
11、背景のアジサイを塗る前に、
下の緑と混ざらないように
練り消しゴムで叩いて消しておきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_182-300x213.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_183-300x219.jpg)
12、ここからは粘り強く描き込みするだけ。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_184-300x235.jpg)
13、
手前のアジサイの描き込みは丁寧にします。
アジサイの影は濃い青や紫で。
サッピツで細かくぼかしていきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_185-300x233.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_186-300x233.jpg)
14、影を塗ると
花の輪郭が見えにくくなってきました。
なので、少し明るい水色を乗せていきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_187-300x229.jpg)
15、影の濃さを足していきます。
黒はきついので濃紺を使います。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_188-300x215.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_189-300x217.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_190-300x223.jpg)
16、背景の描き込み具合に併せて
手前のアジサイの葉も描き込みします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_191-300x224.jpg)
17、
あとは、影と光の描き込みを細かくして
バランスを取ります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_192-300x224.jpg)
18、背景は濃い霧に呑まれて
ぼんやりしています。
実際に行った場所なので
描きがいがありましたよ。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_193-300x228.jpg)
19、背景の中にも
少し色味や濃さに差があるので
もう少し調整していきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_194-300x229.jpg)
20、手前のピンクと青のアジサイに
隠ぺい力のあるラウニーソフトパステルの白を重ね塗り。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_195-300x221.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_196-300x220.jpg)
21、影色が薄すぎるので
更に紺色で様子を見ながら重ね塗りします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_197-300x233.jpg)
22、詰めの作業に入ります。
絵としてどうか見ながら
細部を描き込んだりしていきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_198-300x225.jpg)
23、
ホルベインのパステル専用フィキサチーフを
スプレーして完成!
完成までにターレンス製の
パステルフィキサチーフを
2度スプレーしています。
全部で3回フィキサチーフ掛けしたことに
なります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/青い紫陽花完成画-300x228.jpg)
紫陽花を実際に描いてみよう/オイルパステル編
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/完成画-1.jpg)
使ったもの
【型紙作り】
・コピー用紙
…薄めのしっかりした紙なら何でもOK
・段ボールなどの下敷き
…型紙をカッターで切る時
机を痛めないために使います
・カッター
【作品作り】
・ケント紙…作品用に使いました。
ツルっとした安価な紙で一般的には
クレパスには描きにくい紙とされています。
今回は実験的に描いてみました。
布でこすると水彩画のような
淡い表現がしやすいことが分かりました。
指で塗るのと違い布でこすると
均一な表面になりました。
・サクラクレパスのクレパスふとまき24色
…オイルパステルの1種。
子供用ですが大人でも手軽に楽しめます。
24色セットより少なくても
他の色で補えると思います。
使った色数が少ないので。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/05/IMG_20210526_112053-e1622257476219-300x275.jpg)
他の種類のオイルパステルについては
こちらの記事もどうぞ。
・パステルペンシルやハードパステル
…下書きに使うだけなのでなくてもOK。
鉛筆でうすく線を引くとよいです。
・消しゴム…普通のプラスチック消しゴム
・めんぼう…さっぴつの代わり。
細かいところをぼかします
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/08/綿棒とサッピツ-scaled-e1624279928765-229x300.jpg)
・不要な布…薄く均一に塗りやすいです。
指でこするのとは違った印象になります。
使ったのは不要になった綿のTシャツ等
を小さく切った布です。
・その他マスキングテープ、汚れ防止用に下に敷く紙など
手順(クレパス描き方・紫陽花)
では、オイルパステルの”クレパスふとまき”で
紫陽花を早速描いてみましょう。
1、まず、あじさいの花の型紙を作ります。
こんな感じの”まん中用大小2つ”と”外側用1つ”。
■型紙の作り方はこちら。
あじさい型紙の作り方(真ん中辺り)
あじさい型紙の作り方(外側)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/型紙-300x208.jpg)
2、早速下書きしていきましょう。
花の〇、茎と葉っぱを描きます。
パステルペンシルがなければ
鉛筆で薄い線を引きましょう。
後から消せるものが良いです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_163-300x190.jpg)
3、真ん中辺りから型紙を置いて
クレパスふとまきの「みずいろ」で
グリグリ塗っていきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_164-1-300x187.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_166-300x186.jpg)
4、布か指でぼかします。
この時、花の真ん中辺りは”白いまま”
少し残しておきましょう。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_167-1-300x188.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_168-1-300x187.jpg)
5、型紙の大きいのと小さいのを組合せて
花が密集している感じを出します。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_169-1-300x187.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_170-1-300x187.jpg)
6、真ん中あたりが終わったら、
次は外側の花を型紙を変えて塗っていきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_171-1-300x187.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/途中段階-228x300.jpg)
7、次は葉っぱと茎を「きみどり」で
グリグリ。気持ちがいいです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_172-1-300x182.jpg)
8、今度は影の部分を
「ふかみどり」でグリグリ。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_173-1-300x184.jpg)
9、葉っぱと茎を全部塗れたら
ぼかしていきます。
私は布でこすってぼかしました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_174-1-300x185.jpg)
10、
下書きした線を消しゴムで消しましょう。
クレパスで塗ったところは触れないように注意!
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_175-1-300x182.jpg)
11、
背景を上から順に「ももいろ」と「しろ」、
「ももいろ」、「うすだいだい」で塗ります。
背景はお好みで。
背景も塗れたら布か指でぼかして
均一になるようにします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_176-1-300x183.jpg)
12、花の白く残した部分に
「レモンいろ」を塗ります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_177-1-300x189.jpg)
13、次に「あお」で花の影を注意して
塗ってからめんぼうで細かくぼかします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_178-1-300x185.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_179-1-300x185.jpg)
14、「ふかみどり」で葉っぱの影を
グリグリして指でぼかします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_180-1-300x183.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/Snapshot_181-1-300x184.jpg)
15、完成!
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/06/完成画-243x300.jpg)
◆まとめ
・型紙は花の真ん中辺りを大小の2つ、外側の形1つ作る
・型紙を使ったパステルの刷り込みを※「ステンシル技法」という
(※パステル以外でもこの刷り込み方法をステンシル技法と呼ぶ)
如何でしたでしょうか。
何か参考になれば嬉しいです。
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