お花の少ない冬に凛と咲く”椿”。
化粧品メーカー資生堂のシンボルマークにも
なってますよね。祖母も大好きな花でした。
一般的に”椿”と言えば、日本固有の
”ヤブツバキ”のことをそう呼ぶそうです。
和の花の1つという位置づけで
人気も高いようですよ。
そんな椿をパステルで描く方法を
2種類ご紹介します。
目次(押すとその記事にジャンプします)
椿(ヤブツバキ)の特徴
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210210_122900-225x300.jpg)
・花びらは5~6枚
・花びらの形はハートの形。切り込み辺りは
ひらひらしていて反っている。
・花芯(かしん)、つまり雄しべと雌しべは
中央がへこんだ円柱形。
雌しべは1本だけで、先が3~4つに分かれ
ている。
雌しべは描かずにおくとすっきりして見える。
・葉のフチにはとても小さなノコギリ状の
ギザギザがある。
・葉の色は深い緑色。
・葉の表面はつやつやしている。
ハート型の葉脈が薄い模様のように見える。
・葉の裏側もつるっとしている。
因みによく似た山茶花(さざんか)の葉の
裏は産毛のようなものがある。
冬花・椿の描き方/簡単オイルパステル編
オイルパステルで簡単に描く方法です。
冬花・椿の描き方/簡単オイルパステル編で準備するもの
【オイルパステル】…私は韓国ムンギョ社の
「ギャラリーアーティストソフトオイルパス
テル」36色セットを使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210209_111411-300x225.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210209_111509-300x225.jpg)
【紙】…オイルパステルは基本的に何にでも
描けます。でも、あまり薄いとオイルの重み
で破けます。
今回は普通の画用紙を使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210209_111723-225x300.jpg)
【布】…ぼかして描くのは手の指です。
布は手が汚れたら拭うのに重宝します。
また、指に巻いてぼかすこともできます。
この方法は指の負担が軽減されて楽ですね。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/08/photo0000-2428.jpg)
冬花・椿の描き方/簡単オイルパステル編の実践
1、最初に鉛筆で丸を描きます。
丸の真ん中に円柱を描きます。
これは雄しべと雌しべの部分です。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_154-300x169.jpg)
2、次は、丸の中を5つか6つに分ける線を
引きます。花びらです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_155-300x169.jpg)
3、次に葉っぱを2枚だけ付けます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_156-300x169.jpg)
4、下描きができたので、要らない線を
練り消しゴムか普通のプラスチック消しゴム
で消します。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_157-300x169.jpg)
5、あとはグリグリとクレヨンみたいに塗る
だけです。
塗った感じはホントにクレヨンみたいですね。
まず、赤208番を塗りました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_158-300x169.jpg)
6、白の244番を赤の上に重ねて塗ります。
これは中間くらいの明るさの色にしたいから
です。
赤は明るさで言うと暗い色なので、
少し白で明るくしました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_159-300x169.jpg)
7、次に、花芯の色付けです。影色として
青218番で雄しべを線描きしました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_160-300x169.png)
8、色を塗った花びらと花芯の部分を指で
伸ばして馴染ませます。少し力が要ります。
画面が汚れないように、
花びらと花芯を塗る指は別々にします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_161-300x169.jpg)
9、花びらと花芯の一部の影に
青系の220番を塗りました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_162-300x169.jpg)
10、雄しべに黄色の201番で小さい楕円を
描くように塗ります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_163-300x169.jpg)
11、今度は葉の部分。
黄緑の227番をざっくり塗ります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_164-300x206.jpg)
12、椿の葉っぱのフチはノコギリのような
小さなギザギザがついてます。
あんまり強調しないように、
細かく手を揺らすくらいでいいです。
229番の濃い緑を使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_165-300x211.jpg)
13、次に最初に塗ったのと同じ赤の208番を
もう一度花びらに塗り重ねます。
下に白があるので、そこまできつい赤には
ならないはずです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_166-300x200.jpg)
14、伸びはソフトパステルに比べると
よくありません。
強くこすらないといけないので
布でこすると楽でした。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_167-300x230.jpg)
15、濃い緑の231番で葉っぱの影と模様を
描きます。
椿の葉にはハートのような模様があります。
雄しべの先の黄色を少し描き足し、
その陰には205番のオレンジを使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_168-300x209.jpg)
16、花びらの影は紺色220番、
花芯の軸の影は水色223番などを使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_169-300x219.jpg)
17、花びらの影と花びらの色が急に変わると
不自然です。ぼかしにも限界があります。
なので中間の色を境目に塗ります。
ここでは紫味のある赤色209番を使いました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_170-300x221.jpg)
18、最後に209番で”椿”の文字を左上に
描きました。
イラスト風のラフな感じが出たでしょうか。
背景を描かない簡単なモチーフで
白い空白に文字を入れると
良い感じになることがあります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_171-300x217.jpg)
19、仕上がりました~。
花びら同士をもっと重ねると椿っぽさがでる
と思います。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210205_161150-300x208.jpg)
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編
主にソフトパステルで椿を描く方法を
ご紹介します。
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編で準備するもの
【椿の写真】…私はフリー素材の画像を
A4用紙に印刷して使いました。
ある程度詳細の見える大きさがあった方が
描きやすいです。写真は自分で撮ったものか
フリー素材を使うと良いですね。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/flowers-1749587_1920-1-300x200.jpg)
【ソフトパステル】
…ゴンドラパステルを使いました。
カラーチャートを作ったのに猫に
ひっくり返されて今やバラバラです…。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/07/ゴンドラパステル1-300x198.jpg)
【ハードパステル又はパステル鉛筆】
…下書きをする時と細部描写に使います。
ハードパステル:今回は”ヌーベルの
カレーパステル12色Aセット”の白を
使いました。
![](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/sikigazai/cabinet/ikou_20100210_001/img10604658105.jpg?_ex=320x320)
パステル鉛筆:”スタビロのパステル色鉛筆
カーブオテロ12色セット”の白、緑、青など
使っています。
![](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/onemore/cabinet/pen-01/1412-6-a.jpg?_ex=320x320)
【紙】…パステル向きの紙を使います。
薄すぎず、凹凸のある、丈夫な紙がパステル
向きの紙です。
今回使ったのは「1㎜厚のキャンソン紙
ホワイトボードB4サイズ」です。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210209_111624-225x300.jpg)
【練り消しゴム】…パステル画では大事な
道具です。パステルは思ったよりも広範囲に
ぼかしてしまうことが多いです。
その時、色抜きに大活躍してくれます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/08/使用感のある練り消しゴム-300x225.jpg)
【トレーシングペーパー】
…写真から紙に線を写すのに使います。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/トレーシングペーパー-300x225.jpg)
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/トレーシングペーパー2-300x235.jpg)
【マスキングテープ】
…粘着力の弱いテープなら代用OKです。
普通のテープを何回か貼り付けて粘着力を
弱めて使うこともできます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210209_111658-300x225.jpg)
ここで使った他の道具として、
カラーシェーパー、擦筆(サッピツ)、
チャコールペンシルがあります。
特になくても大丈夫です。描けます。
【カラーシェーパー】
…先がシリコンでできたぼかす道具。
いろんな形があります。パステルの定着は
かなりよくなる半面、紙の目をつぶしやすく
もあります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/12/カラーシェイパー1-300x208.jpg)
【擦筆(サッピツ)】…硬い擦筆と柔らかい
擦筆とあります。使ったのはパステル画でよく
使うとされる柔らかい方で画像がそれです。
硬いサッピツを好む人もいます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/01/サッピツ(擦筆)-181x300.jpg)
【チャコールペンシル】
…木炭と粘土を混ぜて圧縮したものを
木や紙で挟んでできた画材です。これは木で
挟んだ方です。
デッサンやスケッチで使われるようです。
私はパステル画で使っています。濃い黒を
部分的に描きたい時に使っています。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2020/08/IMG_20200805_103218-300x225.jpg)
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編の下塗り
「1㎜厚のキャンソン紙ホワイトボードB4
サイズ」に、あらかじめ墨汁と透明水彩絵の
具でにじみを作って色をつけてあります。
これは別の記事で紹介してあります。目次で
「墨汁の垂らし込み」をクリックして下さい。
この方法でなくても普通のパステル画向きの
紙であれば何でもOKです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20201015_131819-300x225.jpg)
冬花・椿の描き方/ ソフトパステル編のトレースで下描き
1、いつものように、トレーシングペーパー
を使って「トレース」していきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_154-1-300x184.jpg)
2、写真の中で必要な線を
トレーシングペーパーに転写し終わりました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210126_114807-300x225.jpg)
3、ペラっとめくると、こんな感じ。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_155-1-300x196.jpg)
4、トレーシングペーパーを裏返し、濃いめ
の鉛筆で線の上だけを塗りつぶします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_156-1-300x197.jpg)
5、次は、描く紙とトレーシングペーパーを
マスキングテープなどで固定します。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_157-1-300x227.jpg)
6、ボールペンでなぞります。こうすると
下の紙に線が転写されます。
色付きボールペンにすると、
どこまで描いたか一目瞭然です。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_158-1-300x174.jpg)
7、トレース完成です。墨汁がじゃまで
鉛筆線が見えにくいです。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210126_133204-300x218.jpg)
8、特に花芯あたりが見えにくくなって
しまいました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210126_133228-300x225.jpg)
9、次に下書きをします。パステルは色を
乗せていくとすぐ下書きが見えなくなるので
しっかり描きます。
パステル鉛筆の白などを使っています。
ハードパステルも下描きによく使われます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_159-1-300x216.jpg)
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編の着彩
10、色付けに入りました。最初は大雑把に
薄く色を付けます。
あまり濃く塗らずに全体の様子を見ます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_160-1-300x245.jpg)
11、赤のソフトパステルを寝かせて転がす
ようにしながら花びらに色をつけます。
赤はオレンジ寄りでもなく青味がかっても
ない出来るだけスタンダートな色にしました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_161-1-300x235.jpg)
12、指の腹でぼかします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_162-1-300x242.jpg)
13、花芯の白を塗り、葉や茎も、影の暗い緑
と明るい黄緑を塗り進めます。
それからサッピツで明るい部分と暗い部分の
境目を中心にぼかします。
それを繰り返し描いていきます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_163-1-300x212.jpg)
14、パステルは色を延ばすのが簡単な分、
思ったより色が広がり形が崩れがちに
なります。
要らないと思う葉っぱやはみ出した色を
”練り消しゴム”を押し付けて消します。
これで形がはっきりしてきました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_164-1-300x246.jpg)
15、この辺りで一旦、パステル専用
フィキサチーフをスプレーしてパステルを
紙に仮止めしました。
使ったのはターレンスジャパンのものです。
16、少し経ったら、少し濃いめの色で陰を
描きます。ここでは紺色を使いました。
細かい部分はサッピツを使ってぼかします。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_167-1-300x234.jpg)
17、花びらのハイライト(一番明るい部分)
を先を尖らせたハードパステルの白やレモン
イエローで線を引いて描きます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_168-1-300x206.jpg)
18、花芯(雌しべと雄しべ)部分はこすって
ピンボケにならないようにしたいため、
シェーパーで上から押さえるだけにしました。
豚毛の筆で押さえることもあります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_169-1-300x225.jpg)
19、白のハードパステルで雄しべの細い線を
描きました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_171-1-300x227.jpg)
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編の仕上げ
20、全体的に、ある程度何を描いてるか
はっきりしてきたので仕上げにかかります。
細かい描き込みや輪郭線をはっきりさせたり、
逆にピンボケを作るために”ぼかし”たり…。
特にメインの椿の花の赤は色々な赤系の色を
使っています。
仕上げ段階で、鮮やな色を足したり描き跡を
残したりしたい時は、手の力を入れずに
軽いタッチで描くことが多いです。
最初の段階でした”ぼかし”はあまりしません。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_172-300x215.jpg)
21、ヌーベルカレーパステル(ハードパステ
ル)の紫色で、影の中でも少し明るくなって
いるところを描き込みます。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_173-300x225.jpg)
22、チャコールペンシルで影の一番濃い部分
だけを拾って境界線をはっきりさせています。
やり過ぎは禁物。
チャコペンがなければ黒や紺のハードパステ
ルを使うこともあります。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/Snapshot_174-300x233.jpg)
23、完成しました~。
下塗りした墨汁の黒と透明水彩の色が
いい感じになりました。
![](https://nishino-pastel.net/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20210204_200623-300x214.jpg)
◆まとめ
いかがでしたでしょうか。
椿をオイルパステルとソフトパステルで
それぞれ描いてみました。
オイルパステルは発色がかなり良いですね。
艶っとした仕上がりになります。
ただ、こするのは大変でした。
基本的に後処理が要らないのは楽ですね。
ソフトパステルでは細かく描きましたが、
下描きはトレースなのでデッサン力に自信が
なくても出来る方法です。
発色はオイルパステルほどではないですが、
柔らかい発色の良さがあって私は好きです。
どちらかというと、マットな質感に仕上がり
ます。
こするのが楽なのが最大の特徴ですね。
後処理に専用フィキサチーフ掛けを忘れずに。
是非、参考にしてみて下さい。
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