お花の少ない冬に凛と咲く”椿”。
化粧品メーカー資生堂のシンボルマークにも
なってますよね。祖母も大好きな花でした。
一般的に”椿”と言えば、日本固有の
”ヤブツバキ”のことをそう呼ぶそうです。
和の花の1つという位置づけで
人気も高いようですよ。
そんな椿をパステルで描く方法を
2種類ご紹介します。
目次(押すとその記事にジャンプします)
椿(ヤブツバキ)の特徴
・花びらは5~6枚
・花びらの形はハートの形。切り込み辺りは
ひらひらしていて反っている。
・花芯(かしん)、つまり雄しべと雌しべは
中央がへこんだ円柱形。
雌しべは1本だけで、先が3~4つに分かれ
ている。
雌しべは描かずにおくとすっきりして見える。
・葉のフチにはとても小さなノコギリ状の
ギザギザがある。
・葉の色は深い緑色。
・葉の表面はつやつやしている。
ハート型の葉脈が薄い模様のように見える。
・葉の裏側もつるっとしている。
因みによく似た山茶花(さざんか)の葉の
裏は産毛のようなものがある。
冬花・椿の描き方/簡単オイルパステル編
オイルパステルで簡単に描く方法です。
冬花・椿の描き方/簡単オイルパステル編で準備するもの
【オイルパステル】…私は韓国ムンギョ社の
「ギャラリーアーティストソフトオイルパス
テル」36色セットを使いました。
【紙】…オイルパステルは基本的に何にでも
描けます。でも、あまり薄いとオイルの重み
で破けます。
今回は普通の画用紙を使いました。
【布】…ぼかして描くのは手の指です。
布は手が汚れたら拭うのに重宝します。
また、指に巻いてぼかすこともできます。
この方法は指の負担が軽減されて楽ですね。
冬花・椿の描き方/簡単オイルパステル編の実践
1、最初に鉛筆で丸を描きます。
丸の真ん中に円柱を描きます。
これは雄しべと雌しべの部分です。
2、次は、丸の中を5つか6つに分ける線を
引きます。花びらです。
3、次に葉っぱを2枚だけ付けます。
4、下描きができたので、要らない線を
練り消しゴムか普通のプラスチック消しゴム
で消します。
5、あとはグリグリとクレヨンみたいに塗る
だけです。
塗った感じはホントにクレヨンみたいですね。
まず、赤208番を塗りました。
6、白の244番を赤の上に重ねて塗ります。
これは中間くらいの明るさの色にしたいから
です。
赤は明るさで言うと暗い色なので、
少し白で明るくしました。
7、次に、花芯の色付けです。影色として
青218番で雄しべを線描きしました。
8、色を塗った花びらと花芯の部分を指で
伸ばして馴染ませます。少し力が要ります。
画面が汚れないように、
花びらと花芯を塗る指は別々にします。
9、花びらと花芯の一部の影に
青系の220番を塗りました。
10、雄しべに黄色の201番で小さい楕円を
描くように塗ります。
11、今度は葉の部分。
黄緑の227番をざっくり塗ります。
12、椿の葉っぱのフチはノコギリのような
小さなギザギザがついてます。
あんまり強調しないように、
細かく手を揺らすくらいでいいです。
229番の濃い緑を使いました。
13、次に最初に塗ったのと同じ赤の208番を
もう一度花びらに塗り重ねます。
下に白があるので、そこまできつい赤には
ならないはずです。
14、伸びはソフトパステルに比べると
よくありません。
強くこすらないといけないので
布でこすると楽でした。
15、濃い緑の231番で葉っぱの影と模様を
描きます。
椿の葉にはハートのような模様があります。
雄しべの先の黄色を少し描き足し、
その陰には205番のオレンジを使いました。
16、花びらの影は紺色220番、
花芯の軸の影は水色223番などを使いました。
17、花びらの影と花びらの色が急に変わると
不自然です。ぼかしにも限界があります。
なので中間の色を境目に塗ります。
ここでは紫味のある赤色209番を使いました。
18、最後に209番で”椿”の文字を左上に
描きました。
イラスト風のラフな感じが出たでしょうか。
背景を描かない簡単なモチーフで
白い空白に文字を入れると
良い感じになることがあります。
19、仕上がりました~。
花びら同士をもっと重ねると椿っぽさがでる
と思います。
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編
主にソフトパステルで椿を描く方法を
ご紹介します。
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編で準備するもの
【椿の写真】…私はフリー素材の画像を
A4用紙に印刷して使いました。
ある程度詳細の見える大きさがあった方が
描きやすいです。写真は自分で撮ったものか
フリー素材を使うと良いですね。
【ソフトパステル】
…ゴンドラパステルを使いました。
カラーチャートを作ったのに猫に
ひっくり返されて今やバラバラです…。
【ハードパステル又はパステル鉛筆】
…下書きをする時と細部描写に使います。
ハードパステル:今回は”ヌーベルの
カレーパステル12色Aセット”の白を
使いました。
パステル鉛筆:”スタビロのパステル色鉛筆
カーブオテロ12色セット”の白、緑、青など
使っています。
【紙】…パステル向きの紙を使います。
薄すぎず、凹凸のある、丈夫な紙がパステル
向きの紙です。
今回使ったのは「1㎜厚のキャンソン紙
ホワイトボードB4サイズ」です。
【練り消しゴム】…パステル画では大事な
道具です。パステルは思ったよりも広範囲に
ぼかしてしまうことが多いです。
その時、色抜きに大活躍してくれます。
【トレーシングペーパー】
…写真から紙に線を写すのに使います。
【マスキングテープ】
…粘着力の弱いテープなら代用OKです。
普通のテープを何回か貼り付けて粘着力を
弱めて使うこともできます。
ここで使った他の道具として、
カラーシェーパー、擦筆(サッピツ)、
チャコールペンシルがあります。
特になくても大丈夫です。描けます。
【カラーシェーパー】
…先がシリコンでできたぼかす道具。
いろんな形があります。パステルの定着は
かなりよくなる半面、紙の目をつぶしやすく
もあります。
【擦筆(サッピツ)】…硬い擦筆と柔らかい
擦筆とあります。使ったのはパステル画でよく
使うとされる柔らかい方で画像がそれです。
硬いサッピツを好む人もいます。
【チャコールペンシル】
…木炭と粘土を混ぜて圧縮したものを
木や紙で挟んでできた画材です。これは木で
挟んだ方です。
デッサンやスケッチで使われるようです。
私はパステル画で使っています。濃い黒を
部分的に描きたい時に使っています。
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編の下塗り
「1㎜厚のキャンソン紙ホワイトボードB4
サイズ」に、あらかじめ墨汁と透明水彩絵の
具でにじみを作って色をつけてあります。
これは別の記事で紹介してあります。目次で
「墨汁の垂らし込み」をクリックして下さい。
この方法でなくても普通のパステル画向きの
紙であれば何でもOKです。
冬花・椿の描き方/ ソフトパステル編のトレースで下描き
1、いつものように、トレーシングペーパー
を使って「トレース」していきます。
2、写真の中で必要な線を
トレーシングペーパーに転写し終わりました。
3、ペラっとめくると、こんな感じ。
4、トレーシングペーパーを裏返し、濃いめ
の鉛筆で線の上だけを塗りつぶします。
5、次は、描く紙とトレーシングペーパーを
マスキングテープなどで固定します。
6、ボールペンでなぞります。こうすると
下の紙に線が転写されます。
色付きボールペンにすると、
どこまで描いたか一目瞭然です。
7、トレース完成です。墨汁がじゃまで
鉛筆線が見えにくいです。
8、特に花芯あたりが見えにくくなって
しまいました。
9、次に下書きをします。パステルは色を
乗せていくとすぐ下書きが見えなくなるので
しっかり描きます。
パステル鉛筆の白などを使っています。
ハードパステルも下描きによく使われます。
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編の着彩
10、色付けに入りました。最初は大雑把に
薄く色を付けます。
あまり濃く塗らずに全体の様子を見ます。
11、赤のソフトパステルを寝かせて転がす
ようにしながら花びらに色をつけます。
赤はオレンジ寄りでもなく青味がかっても
ない出来るだけスタンダートな色にしました。
12、指の腹でぼかします。
13、花芯の白を塗り、葉や茎も、影の暗い緑
と明るい黄緑を塗り進めます。
それからサッピツで明るい部分と暗い部分の
境目を中心にぼかします。
それを繰り返し描いていきます。
14、パステルは色を延ばすのが簡単な分、
思ったより色が広がり形が崩れがちに
なります。
要らないと思う葉っぱやはみ出した色を
”練り消しゴム”を押し付けて消します。
これで形がはっきりしてきました。
15、この辺りで一旦、パステル専用
フィキサチーフをスプレーしてパステルを
紙に仮止めしました。
使ったのはターレンスジャパンのものです。
16、少し経ったら、少し濃いめの色で陰を
描きます。ここでは紺色を使いました。
細かい部分はサッピツを使ってぼかします。
17、花びらのハイライト(一番明るい部分)
を先を尖らせたハードパステルの白やレモン
イエローで線を引いて描きます。
18、花芯(雌しべと雄しべ)部分はこすって
ピンボケにならないようにしたいため、
シェーパーで上から押さえるだけにしました。
豚毛の筆で押さえることもあります。
19、白のハードパステルで雄しべの細い線を
描きました。
冬花・椿の描き方/ソフトパステル編の仕上げ
20、全体的に、ある程度何を描いてるか
はっきりしてきたので仕上げにかかります。
細かい描き込みや輪郭線をはっきりさせたり、
逆にピンボケを作るために”ぼかし”たり…。
特にメインの椿の花の赤は色々な赤系の色を
使っています。
仕上げ段階で、鮮やな色を足したり描き跡を
残したりしたい時は、手の力を入れずに
軽いタッチで描くことが多いです。
最初の段階でした”ぼかし”はあまりしません。
21、ヌーベルカレーパステル(ハードパステ
ル)の紫色で、影の中でも少し明るくなって
いるところを描き込みます。
22、チャコールペンシルで影の一番濃い部分
だけを拾って境界線をはっきりさせています。
やり過ぎは禁物。
チャコペンがなければ黒や紺のハードパステ
ルを使うこともあります。
23、完成しました~。
下塗りした墨汁の黒と透明水彩の色が
いい感じになりました。
◆まとめ
いかがでしたでしょうか。
椿をオイルパステルとソフトパステルで
それぞれ描いてみました。
オイルパステルは発色がかなり良いですね。
艶っとした仕上がりになります。
ただ、こするのは大変でした。
基本的に後処理が要らないのは楽ですね。
ソフトパステルでは細かく描きましたが、
下描きはトレースなのでデッサン力に自信が
なくても出来る方法です。
発色はオイルパステルほどではないですが、
柔らかい発色の良さがあって私は好きです。
どちらかというと、マットな質感に仕上がり
ます。
こするのが楽なのが最大の特徴ですね。
後処理に専用フィキサチーフ掛けを忘れずに。
是非、参考にしてみて下さい。
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