額縁の種類/パステル画の保存、額装とは。ラミネート加工も

dav

    こんにちは。Nです。
    貴方は描いたパステル画をどうされていますか。
    そのままですか。それともにいれて飾りますか。

    パステル画の保存方法
    知っていおいて損はないと思います。

    粉落ち
    が酷いですから(泣

    今回は、私がやっている方法やコツをご紹介
    します。
    実験的にラミネート加工もやってみましたので
    是非最後までお付き合い下さい。

    パステル専用フィキサチーフ

    パステル画を描き終わったらまず、パステル
    専用フィキサチーフをスプレーしましょう。

    パステルは紙の凹凸に引っ付いているだけで
    す。なので、紙に定着させるために定着液
    かけるんですね。
    パステル専用のフィキサチーフを選ぶことが
    大切です。

    使う時は換気をすることと40度以上の高温、
    火気厳禁です。
    夏場は特に置き場所に気を付けましょう。

    おすすめパステル専用フィキサチーフ

    【ターレンス パステルフィキサ】

    水溶性のため制作途中でも使え、加筆できます。
    100ml、220mlのスプレー缶があります。

    このフィキサチーフはエタノールと合成樹脂
    でできています。スプレーするとエタノール
    が揮発して樹脂が残ってパステルを紙に定着
    させてくれます。

    ただし、メーカーによってはパステルに染料
    を原料にしているものがあります。

    染料質のパステルで描いた作品に
    このフィキサチーフをかけると
    強く色がにじみ出すことがあるので注意が必要です。

    【ホルベインスプレーパステルフィキサチフ】

    作品の仕上げに使うパステル専用の定着液で
    す。加筆には向きません。
    実際には上に描くことはできますが、ツルツ
    ルしてきて粉落ちしてきます。

    このフィキサチーフは石油系溶剤と合成樹脂
    でできています。スプレーすると石油系溶剤
    が揮発して樹脂が残ってパステルを紙に定着
    させてくれます。

    石油系は染料質のパステルを溶かすことがな
    ので安心です。

    フィキサチーフの代用品

    フィキサチーフが必要なのは分かるけど。
    他の画材も買うし、ちょっとお値段が高すぎる…。

    そんな方には
    代用品としてヘアスプレがあります。
    ただ、モノによっては黄ばみが問題になっています。

    パステルアートでよく紹介されているのがこちら。
    花王「ケープ3Dエクストラキープ(無香料)」

    トレーシングペーパーで絵を覆う

    フィキサチーフをかけ終わったら。
    次はトレーシングペーパー等で作品を覆います
    トレーシングペーパーの他に
    グラシン紙、パラフィン紙などがあります。

    若干違いはありますが、要するにとても薄い
    半透明の紙です。

    これでパステル画を覆い、紙の端で折り返し
    マスキングテープで留めます。

    マスキングテープはホームセンターでも手に
    入ります。

    セロハンテープなどは時間が経つと劣化が激
    しく、黄色く変色します。
    剥がそうとすると紙そのものを痛める原因にもなります。

    1、用意するもの

    作品(今回B4サイズミューズ紙1㎜ボード)
    トレーシングペーパーB4サイズ2枚、
    マスキングテープ、はさみorカッター

    2、1枚のトレーシングペーパーを半分に2つ
    折りします。

    3、2つ折りした所をはさみでカットします。

    3、2つにカットできました。

    4、カットしたトレーシングペーパーをもう
    1枚のトレーシングペーパーの上に少しだけ
    重ねます。

    5、マスキングテープを適当な長さに手でち
    ぎります。

    6、重ねた部分が動かないようにマスキング
    テープで留めます。

    7、B4サイズより大きめにつなぎ合わせた
    トレーシングペーパーを作品の上にそっと
    置きます。

    8、トレーシングペーパーと作品をそのまま
    裏返します。

    9、ボードにそってトレーシングペーパーに
    折り目をつけます。

    10、上部をマスキングテープで固定します。

    11、右側を固定します。

    12、そのまま裏返します。

    13、作品からはみ出たトレーシングペーパ
    ーを折り目にそって折り込みます。
    裏の上部、右部分だけ留めてあるので、
    作品を取り出す時も割と簡単です。

    普段はここまできちんとしてません。
    B4サイズの作品なら
    B4サイズのトレーシングペーパーを
    上に重ね、
    上部2ヶ所をマスキングテープで
    固定するだけです。

    作品をポートフォリオに収納

    私はマルマンのポートフォリオという、厚紙
    を2つ折りにしたような物にパステル画を
    挟んで保存しています。黒色と茶色の2種類
    あります。

    パステル画には1枚ずつトレーシングペーパ
    ーをマスキングテープで留めて保護してあり
    ます。他社のポートフォリオもあります。
    例えばオリオン社。

    簡易的なもので良い場合は
    「作品収納ケース白地大」もどうぞ。
    子供さんの絵の収納に人気のようです。

    【マルマンの黒いポートフォリオB3】

    額装する

    作品を額装すると一気に華やかになります。
    私は気に入った作品は額装して部屋に飾って
    います。

    額装した作品を全部飾っているわけではあり
    ません。箱にしまって横一列に立ててクロー
    ゼットに収納しています。
    湿度の高い時期は除湿剤も置いたりしていま
    す。

    額縁の種類にはデッサン額、油絵用額縁、
    立体額などがあります。
    写真はデッサン額です。

    紙、ボード作品を入れる額

    紙やボード(寄せ書きの色紙のような厚紙)
    「デッサン額」という額に作品を入れます。

    デッサン額と作品との間にはマットという
    厚紙を挟みます。

    マットには大きさ、色、紙の種類もいろいろ
    あり、絵の雰囲気にも影響します。

    直接、額縁専門店か画材店に行って相談する
    のがベストだと思います。

    プロなので、マットのサイズを細かく裁断し
    てくれたり、マットの色もある程度選択を絞
    ってくれたりします。

    予算を抑えたいと最初に言って頼めば、それ
    も考慮してくれますよ。
    もし、普通に接して嫌な顔をされるのでしたら
    別のお店を探しましょう。

    マットは絵と額縁の空間を取ってくれるので
    パステルが額のガラスやプラスチックと直接
    触れるのを防いでくれます。

    都合が悪ければ、額縁一式、オンラインショ
    ップでも購入できます。

    「額のまつえだ」

    【アクリル板窓のデッサン額】

    例として
    私の作品の入ったデッサン額
    ご紹介します。
    地元の画材店で額一式を購入し、
    マットもカットしてもらいました。

    表面のアクリル板も小さなキズやパステルの
    粉が付着して汚れてきています。
    掃除も兼ねて中身を取り出しました。

    1、デッサン額を布とクリーナーでお掃除。

    2、デッサン額の裏側。絵をかける紐を通し
    ています。

    3、紐を外し、裏板を開けたところ。

    4、薄い発泡スチロール板と紙1枚を作品固
    定のため挟んであります。

    5、完全に開けた状態。

    6、マットの上に作品を置き
    マスキングテープで固定してあります。

    7、マットと作品を取り出して立てかけてい
    ます。

    8、裏側です。マスキングテープで固定して
    あります。自宅で飾る場合はこれで十分だと
    思います。ただ、もっときちんとしたい場合
    PITACK(ピタック)というテープ跡のほと
    んど残らない商品もありますよ。

    9、額縁と窓のアクリル板だけの状態です。

    木製パネル、キャンバス作品を
    入れる額

    木製パネルに紙を水張りして描いた、または
    キャンバスに描いたパステル画を額装したい
    場合はどうでしょうか。

    油絵用額縁又は立体額(ボックス額)に額装
    することができます。
    基本的にはデッサン額とよく似た作りなので
    入れ方、出し方も同じです。

    デッサン額に比べて重い、高額などの特徴が
    あります。デッサン額より作品と額の窓部分
    との空間が広いくパステルの粉が窓の部分に
    つきにくい、のもあるかもしれません。

    クラシックだったり、華やかに見えるという
    メリットもあります。
    ただ、立体額額装の方法が普通の額装と違
    いがあるので方法は先に調べておくことを
    おススメします。

    額内側の窓に入れるガラス、
    プラスチック板

    どの額も内側の窓の部分はガラス、プラスチ
    ック(アクリル含む)と2種類あります。
    パステル画で一般的に良いのはガラスとされ
    ています。でも、プラスチックにもメリット
    があります。

    【ガラスのメリット】

    ・静電気が起きにくいのでパステルの粉が
    ガラスにつきにくい
    ・パステル画とガラスとの空間が一定に保た
    れるので作品とガラスとが触れることがない

    【ガラスのデメリット】

    ・重い
    ・プラスチックより高価
    割れることがある

    【プラスチックのメリット】

    ・軽い
    ・ガラスより安価
    ・ガラスのように割れる心配がない

    【プラスチックのデメリット】

    ・静電気が起きやすいので、パステルの粉が
    プラスチック表面につきやすい
    対策として「静電気除去剤」をプラスチック
    板にスプレーすることである程度防げる

    ・細かいキズが入りやすい

    プラスチック板の表面の薄いキズ

    プラスチック板にパステルの粉が付着

    プラスチックの掃除静電気防止ができる
    クリーナー

    ホームセンター「コーナン」の塗料コーナー
    ・アクリル板の辺りに置いてありました。
    実店舗でついでに買えるなら送料かかりませんね。

    額装した絵を自宅の壁に飾る

    額の裏側に紐を通して壁に飾ってみましょう。

    目線の高さより少し低くすると綺麗に飾れる
    みたいですよ。紙を痛めないため、風通しの
    よい日光が当たらない場所に飾ると良いです。

    なので北側の部屋になりやすいですね。
    定期的に収納して絵を休ませるのも大切です。

    額装した絵を収納する

    私は買ったときの付属の箱に額を入れて収納
    しています。
    本来は黄袋という殺菌力のある袋にいれた上で
    箱に仕舞うようです。

    人に絵を買って頂く場合は別ですが、
    自宅で保存する場合は
    そこまでする必要はない
    かと思います。

    ただ、風通しのよい日光が当たら
    ない場所に立てて収納はしています。

    上に重ねて置くと下の絵が傷んでしまいます。
    私は湿気の多い季節には
    収納場所には湿剤を置いたりしています。

    また、袋の代わりに新聞紙など
    吸水性のある紙を代用するのもいいかもしれませんね。

    木製パネル、キャンバスを
    そのまま壁に飾る

    モダンな部屋に飾る、自然な感じに見せたい、
    予算がない場合など「そのまま」飾ることも
    できます。

    その場合は、パネル、キャンバスの縁側まで
    綺麗に見せたいですね。

    完全に色を塗ってあるか白いままか
    案外見えてしまうものです。

    飾る場所は紙、キャンバスを痛めないために、
    直射日光が当たらない、風通しの良い場所を
    選びます。

    ラミネート加工する

    パステルの粉はパステルフィキサチーフを
    使っても、完全に紙面上に留まらせることは
    できません。これは未だに解決されていない
    ようです。

    ところで、あるお悩み相談で、パステル画を
    ラミネート加工したらどうかというのがあり
    ました。

    ラミネート加工するとパステルの粉が紙とプ
    ラスチックの表面とで擦り合ってしまうので
    はないかと私は思いました。粉だらけになる
    のではないか、と。

    なので、次の2枚のパステル画でちょっと
    実験してみました。

    赤い車の絵はミ・タント紙で淡彩風にハード
    パステルを主に使って描いた模写作品。

    花畑の絵はミューズ紙を貼り付けた1㎜厚の
    ボードにソフトパステルを主に使って描いた
    作品です。

    【ラミネート加工前】

    (赤い車)

    (花畑)

    ソフトパステルの粉がトレーシングペーパー
    に付着しています。

    やってみた結果は「割と使えるかも」という
    感想です。粉だらけになるのではないか、と
    思っていたのですが…。

    やってみると、粉飛びもしていませんでした。
    写真で確認してみて下さい。

    【ラミネート加工後】

    (赤い車)

    (花畑)

    1㎜厚ボードには空気が端から空気が入り、
    たわみができてしまいました。

    特にハードパステルで薄く色をつけただけの
    状態だとすれば、ラミネート加工しても問題
    ないように思います。
    赤い車の絵がそんな状態です。

    紙はボードのように厚みがない紙のほうが
    ラミネート加工に向いています。
    1㎜厚のボードでは少し表面に空気が入って
    しまいました。花畑の方がボードの作品です。

    あとは、長期保存できるかどうかですね。
    これは少し時間をおいてみるしかないので、
    今後観察しようと思います。

    ラミネート加工は気に入ったパステル画を
    自宅で飾ったりするには向いています。
    100円ショップのイージェルを使って出窓に
    飾ってみました。こんな感じです。

    文具館のラミネート加工の料金表はこの画像
    の通り。私の場合はA3サイズで407円
    (2020.10時点)でした。
    余白を取るため絵のサイズより大きめになり
    ます。

    店員さんが加工してくれて、裁断機と角を丸
    くカットする器具も貸してくれました。
    印刷会社でセルフでやれば、もっと安くでき
    ると思います。

    ◆まとめ

    ・パステル画はトレーシングペーパーで覆ってポートフォリオに挟んで立てて収納
    ・一般的なパステル画額装はデッサン額 で直射日光の当たらない風通しの良い場所で立てて収納
    ・パステル画のラミネート加工は薄い紙は可能だが長期保存性は不明