繊細で美しい薔薇の花を描いてみたい人は
多いのではないでしょうか。でも、いざ見て
描こうとすると、なかなか難しく感じると
思います。
そこで、今回はバラの写真を紙にトレース
して描く方法をご紹介します。
見て描くよりも簡単なので、
是非挑戦してみて下さい。
目次(押すとその記事にジャンプします)
トレースとは
「トレース」とは、写真や図、絵など原図の
上に薄紙(トレーシングペーパー)を乗せて
透かし、別の紙に写し描きすることです。
勝手にトレースを「転写」と訳していますが、
転写は版画の技法の1つのようで
正しくはないです。
でも、イメージしやすくないですか?
今回は薔薇の写真をトレース(転写)します。
上の写真のデータはこちら→rose-616013_1920
「トレース(転写)の仕方」で準備するもの
・コピックやボールペン(線がぐちゃぐちゃ
になる自信のある人は鉛筆と消しゴム)
・好きな薔薇の写真(描く紙のサイズに
収まるもの)
・トレーシングペーパー
・画用紙など(ここではミ・タント紙)
・Bか2Bの鉛筆…あまり薄いHBだとかは
写しにくいです。
・マスキングテープ(なくてもできます)
トレースの仕方/薔薇の写真をなぞる
まず、薔薇の写真の上にトレーシングペーパ
ーを乗せます。
透けて見える薔薇の花びら、茎、葉の形を
コピックなどのペンでトレンシングペーパー
になぞっていきます。
この時、背景となる部分の細かい部分は無視
します。
近くもなく遠くもない中間位の距離のものは
絵のモチーフとして描くか背景にするか決め
ます。
モチーフにすると決めたらなぞります。
背景にするなら無視してなぞりません。
トレーシングペーパーになぞるペンは何でも
良いです。ここではコピックを使っています
が、ジェットストリーム等のボールペンも
描きやすいです。
線をたくさん間違える予想のつく人は消せる
ように濃いめの鉛筆を使ってもいいですね。
線がはっきり見えるもの、線の幅が細めのを
目安に選ぶと使い易いと思います。
トレーシングペーパーを途中でぺらぺらと
めくります。これで形を確かめながら丁寧に
なぞります。
慣れないとトレーシングペーパーがずれて
しまうことがあります。
マスキングテープで薔薇の写真入りの紙と
トレーシングペーパーとを固定しておくと
ずれません。
トレースの仕方/トレーシングペーパーを裏返す
トレーシングペーパーに薔薇をなぞり終えま
した。
次に、トレーシングペーパーを裏返します。
トレースの仕方/トレーシングペーパーの裏をカーボン紙のようにする
トレーシングペーパーの裏側を濃いめの鉛筆
で強く塗っていきます。
線の部分を別の紙に写したいだけなので、
その部分だけぬれていればよいです。
つまり、カーボン紙と同じような状態を作っ
ているわけです。
トレースの仕方/画用紙の上にトレーシングペーパーを乗せて固定する
画用紙(ここではミ・タント紙)の上に
カーボン紙状態のトレーシングペーパーを
乗せます。
動かないようにマスキングテープで紙の端
どうしを固定します。
紙もトレーシングペーパーも上が表の状態
になっていれば正解です。
トレースの仕方/トレース(転写)する
この状態で、トレーシングペーパー上の線を
ボールペン等でなぞります。力加減は転写
具合を見て調節していきましょう。
なぞるペンは色付きのものだと、どこまで
トレースできたか一目瞭然で分かり易いです。
トレースの仕方/完成
これでトレースは完成です。ここでは忘れて
省かれていますが、背景部分を大まかに描い
ておくと、着彩の時に楽かもしれません。
次はパステルで着彩する方法をご紹介します。
「ソフトパステルで薔薇を描く」で準備するもの
・ソフトパステル
薔薇の花…黄色系中間色と明るい色の2色
薔薇の茎、葉…緑系中間色と明るい色の2色
ハイライト…白
背景…黄土色
・パステルペンシル又はハードパステル
薔薇の花の陰影…オレンジと茶色
薔薇の茎、葉の陰影…緑系の中間色、紺色
背景の陰影…茶、紺色
・木炭(黒のパステルで代用可)
背景の陰影
・綿棒又は擦筆(さっぴつ)
綿棒は先が細くて、芯がしっかりしているの
が使い易い
・カッター又は茶こし
・ティッシュ
薔薇の描き方/パステルで色をつける
薔薇の描き方/トレースの線をなぞる
トレース(転写)した薔薇の鉛筆線に沿って
パステル鉛筆でなぞって下書きしていきます。
何故かというと、トレースした線は鉛筆の粉
が薄く紙についているだけで簡単に落ちてし
まうからです。
特にパステルはぼかして着彩するため、
トレース線はすぐ消えて見えなくなってしま
いますよ。
薔薇の描き方/背景色をつける
まず、色を塗った後で紙の白が目立たないよ
うにドライウォッシュという方法で何色かで
淡く色づけます。
ここでは、背景色にラウニー社のソフトパス
テルの黄土色を使いました。
カッターで粉末状に削り、ティッシュでぼか
しています。
薔薇の描き方/ 薔薇に色をつける
今度はレモンイエローと白を削ってぼかして
います。
パステルは混色が苦手な画材ですが、白黒
グレー以外の色+白の組合せはよく使います。
薔薇の描き方/薔薇の茎、葉に色をつける
次に葉っぱと茎を深めのグリーンで塗ります。
葉っぱの部分は粉末状に削ったパステルを
ぼかします。
茎は細かいので、ソフトパステルの角を
使って描きます。
広い部分は指でぼかし、細部は綿棒や擦筆
(サッピツ)という道具でぼかします。
薔薇の描き方/薔薇の花に陰影をつける
バラの影の部分をオレンジ色のパステルペン
シルで細かく描いて綿棒でぼかしていきます。
薔薇の描き方/薔薇の花の明るい部分を描く
薔薇の花に光が当たっている部分を、明るい
黄色のソフトパステルで慎重に塗っていきま
す。
薔薇の描き方/薔薇の細部を描き込む
茶色のパステルペンシルで薔薇の花の陰を
塗ってぼかします。
この辺りから、ひたすら影と光の細部を
色を変えて塗ってはぼかす、ということを
繰り返します。
薔薇の花の一番明るい部分ハイライトを
白で入れるとグッと絵が締まります。
やり過ぎるとどこが一番明るいのか分から
なくなってぼんやりした絵になります。
この絵で失敗したな、と思うのは緑の葉の
明るい部分に白を使い過ぎた事です…。
不自然に見えませんか?
半面教師ににして緑には明るい黄色で光を
表現してくださいね。
薔薇の描き方/背景を描く
ここからは、背景をハッチングと方法で描い
ていきます。ハッチングは一定の方向に向か
って平行線を描く方法です。
柳の木炭と他はパステルペンシルを使って
います。
本当は背景だけ後から描くのはNGなのです
が、やらかしました。
描きたいモノと背景は絵の進み具合と同時に
進めないと全体のバランスが崩れてしまうと
本で読んだことがあります。
薔薇の描き方/完成
完成作品はこんな感じです。なかなか難しい
ですね…。今回はNGの割に上手くいった
ような気がします。
いかがでしたか。
形をなぞっていくだけなので、見て描くより
難易度が低くなっています。
もっと美しく描くにはどうしたらいいでしょ
うか。例えばですが、こんな方法もあります。
薔薇の花を直接見て形を理解する。
薔薇を描くコツを紹介したサイトを見て真似
をする。
デッサンして描く枚数を増やす。
続けていくと、より綺麗な薔薇の絵が生まれ
るかもしれませんね。
◆まとめ
・薔薇の写真+紙+トレーシングペーパー+鉛筆で「薔薇の花のトレース」できる。
・最初から背景も考えておくと絵のクオリティが上がる
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